小野雄大『SPECTRUM』発売に寄せて #スタンドバイミー
『魔法みたいな』に収録されている「スタンドバイミー」という曲がとても好きで、好きすぎて自分の企画のタイトルにしちゃったりもした。
「山羊に聞く?」と「晴れたら空に豆まいて」に勤めていた2年間の間で、自分で企画をさせてもらったのは2回。2回目は辞める直前に、自分が確かにここにいたのだということを残しておきたくて、「スタンドバイミー」というイベント名でこれからも私のそばにいてほしいと思う3組にオファーさせてもらった。アーティストもお客さんもとてもあたたかくて、あの時間は今も私の宝物になっている。
実は私は、この「スタンドバイミー」という楽曲を、小野雄大と彼自身の音楽との心中の曲だと(勝手に)解釈していた。
小野雄大の楽曲には自身の痛みを他人に触れられること・他者の痛みに触れることへの恐怖を内包したものが多いように思う。本当は触れたいのに、傷つくのも傷つけられるのも怖くて自ら遠ざけて、敢えて孤独になろうとする。『魔法みたいな』あたりまではそれが特に顕著だった。
だからこそ、手放しでそばにいてほしいと言えるものが彼自身の音楽であるという解釈は、私の中ではしっくりきていた。
まさに日本海が産んだ音楽家って感じする。(日本海の固有水は外海から孤立してるらしいですよ)
そんな小野雄大が、『SPECTRUM』では
「俺はパーしか出さないぜ 抱きしめたいから」(YOU&I)
「見えない力で抱きしめて」(miracle)
と、恐れず全開で愛を振りまいて私たちを抱きしめてくれている。本当に感慨が深すぎる。
少しずつ棘をはらって剥き出しの小野雄大に触れられるようになったのはきっと、"わかりあえなさ"を諦めずに他者と向き合い、知ろうとし続け、それに応えてくれたたくさんの人に抱きしめられ、抱きしめてきたからなのだろうなぁと思う。
小野雄大にはずっと救われているけど、文字通り“救われた“のはやはり「君の追い風」かなと思う。
聴くたびに「あ、そうか、私の人生私のだったわ」と自覚させられると共に、「めっちゃ応援してくれるやん、頑張るわ」ってなる。お守りのようにそばにいてほしい、まさにスタンドバイミーな一曲。
私たちは結局、自分の人生を自分の足で立って歩いていかなければならない。どれだけ推しが力を与えてくれたとしても、最終的に頑張っているのは私たちひとりひとりだから。みんなえらい。
小野雄大の音楽やことばには、痛みを抱えながらもなお懸命に、泥臭く生き抜くことの美しさを肯定し、讃えてくれる強さがある。
日々忙しいとついつい生きることに手を抜いてしまいそうになるけれど、その度に私は小野雄大を聴いて自分の心に愛を補充し、そして明日も一生懸命生きていこうと思えるのです。
ということで今回のテーマは
「スタンドバイミーな1曲」
ハッシュタグ、コピペしてお使いください。
ネーミングセンスのなさがバレるけど、許してください。
#小野雄大_SPECTRUM
#スタンドバイミー小野