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映画「ナイン・デイズ」

流行り病は自分にとって転機だった。お陰で気付けた事がたくさんある。それは、良くも悪くも。当時、調べれば調べる程に、目にしてるモノ全てに辟易していたし、下らない世の中だと心底思った。怒りや落胆はしばらく続いたが、そんなフェーズは疾に過ぎ今は、穏やかハッピーに生きている。

大層な事を言うが、生きる目的だとかこの世界の捉え方を変えられたのだ。人生観ってやつだな。

自分の人生観にフィットする映画に出逢えたので紹介したい。


「ナイン・デイズ」(2020年公開)

魂がこの世に生れ落ちる前の世界。ウィルは砂漠にポツンと立つ一軒家に暮らしながら、「この世」に生まれるべき魂を見極める業務を遂行していた。ウィルは選ばれなかった魂には消滅という過酷な運命が待っているため、彼/彼女らに美しい思い出をプレゼントすることを常としていた。それは消える魂にせめてもの慰めを与えたいという思いからの行動であったが、ウィル自身にとっても罪悪感の軽減をもたらすものであった。

そんなある日、ウィルの下にアマンダという女性が「この世」で自殺したとの一報が届いた。アマンダはかつてウィルの裁定で「この世」に生まれることができた魂であった。ウィルは「何故アマンダは自殺してしまったのか」という問いを胸に秘めつつ、彼女の後任を選ぶべく、いつものように9日間の選考に臨んだ。当初、ウィルは候補者たちを前に平然を装っていたが、彼/彼女らとやり取りの中で、自分やその職務の存在意義について問い直さざるを得なくなっていく。

Wikipedia


「チキチキ!第一回 人間に生まれる権利争奪戦〜!!」
(CV:浜田雅功)

あらすじを平たく言うとこうである。

ネタバレ回避したいので足早に行くっ!


参加者全員、人間未経験。シャワーから出る水を見て喜ぶ者、果物を食べられる事に喜ぶ者。様々な考えを持った者同士が集まりオーディションは進んでいく。

オーディション落選者にウィルは擬似人間体験をプレゼントしてあげる。落選者は子供の様な無垢な表情でそれを目一杯体験する。


__体験する。体験する事が目的なんじゃないかな。


携えた五感(たまに第六感も)をフル活用し、楽しいも、苦しいも、嬉しいも、悲しいも、善も、悪も。なかなか上手くいかない事だらけの、この物質世界の全てを体験する為にこの世に生まれてきたのではないかと。

今は、この考え方が一番しっくりきている。


も、もしかしてこれが仏教ですか?



初めての砂場、初めての電車、初めての水族館… 信じられないぐらい楽しそうにしている我が子を、私は何度も見ている。全力でこの世界に臨んでいる。

物事は立ち返るといつもシンプルな事ばかりだ。

「目をこらせば、いつだって見つけられる。どうか慣れっこにならないで。」

劇中セリフ


今感じている、この胸の痛み。酷く辛い、苦しいのだと。そんな「体験」をできている事が幸せ。

そんな風に考えてもいいのかもしれない。


きっと自ら望んでココに来たのだから。

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