映画「ナイン・デイズ」
流行り病は自分にとって転機だった。お陰で気付けた事がたくさんある。それは、良くも悪くも。当時、調べれば調べる程に、目にしてるモノ全てに辟易していたし、下らない世の中だと心底思った。怒りや落胆はしばらく続いたが、そんなフェーズは疾に過ぎ今は、穏やかハッピーに生きている。
大層な事を言うが、生きる目的だとかこの世界の捉え方を変えられたのだ。人生観ってやつだな。
自分の人生観にフィットする映画に出逢えたので紹介したい。
「ナイン・デイズ」(2020年公開)
「チキチキ!第一回 人間に生まれる権利争奪戦〜!!」(CV:浜田雅功)
あらすじを平たく言うとこうである。
ネタバレ回避したいので足早に行くっ!
参加者全員、人間未経験。シャワーから出る水を見て喜ぶ者、果物を食べられる事に喜ぶ者。様々な考えを持った者同士が集まりオーディションは進んでいく。
オーディション落選者にウィルは擬似人間体験をプレゼントしてあげる。落選者は子供の様な無垢な表情でそれを目一杯体験する。
__体験する。体験する事が目的なんじゃないかな。
携えた五感(たまに第六感も)をフル活用し、楽しいも、苦しいも、嬉しいも、悲しいも、善も、悪も。なかなか上手くいかない事だらけの、この物質世界の全てを体験する為にこの世に生まれてきたのではないかと。
今は、この考え方が一番しっくりきている。
も、もしかしてこれが仏教ですか?
初めての砂場、初めての電車、初めての水族館… 信じられないぐらい楽しそうにしている我が子を、私は何度も見ている。全力でこの世界に臨んでいる。
物事は立ち返るといつもシンプルな事ばかりだ。
今感じている、この胸の痛み。酷く辛い、苦しいのだと。そんな「体験」をできている事が幸せ。
そんな風に考えてもいいのかもしれない。
きっと自ら望んでココに来たのだから。