短文| 変な人に絡まれたらやることはひとつ
突然会ったこともない初めての男に
君は俺の恋人だ と言われた時
こいつマジ何言ってんの、てか誰やねんと思った
『馬鹿につける薬は無い』
まさに今、その言葉が合うなと思った
それほどまでに、目の前の男はk・・・
言葉遣いが悪いのは許してやってほしい
所詮、私の心の中で呟いていることだから。
・・・馬鹿に返す言葉は無いな、と思っていたら
何を勘違いしたのか
にちゃり、と
どこに笑顔を落としてきたの?とツッコミたくなるような顔で、笑ってくる
え?ほんと笑ってるの?ねぇ、その顔さぁ・・
あ。うん、みなまで言うのはやめておこう
「キモ」
思わず口に出た言葉は、思ったより小さな声だったので、男は気付くことがなかった
ふいに肩に手が置かれる、と同時に
なんとも表現のしようのない匂いが、鼻を痛いほどに支配してくる
「くっさ!」
香水のつけすぎだし、体臭と混ざってとんでもない臭いになっている
こいつマジk・・と思いながら、勢いよく男の手を跳ねのけた
「で、あんた誰?」
と言ってやると、細目を最大限に開き、男は突然泣き出した
恋人じゃん、俺たちぃぃぃと、わけわからんことを言ってる
いや、私とあんたがいつ恋人になったよ?
むしろ知らねーわ、あんたのこと
つか、今までの私の時間返せ
なんかとにかく、ずーーーーっと
めそめそめそめそ泣き続けるから
ちょうど、目の前に警察署があったので
「とりあえず話しよ?ね?」
と、優しい声で声をかけてやったら
うん、となぜか素直についてきたので
遠慮なく、そのわけわからん男をそのままおまわりさんに引き渡してやった
はい、解決。
・・・いやほんとなんだったの、あいつ
なんでぇぇぇぇぇ!!あぁぁぁぁぁ!!
と、後ろの方から声が聞こえた気がした
が、知らん。
わたしは振り向きもせず、グランフロントへ足早に歩くのだった