1番好きなチーズ ベッテルマットの話
Bettelmatt🧀
ベッテルマットは、スイス国境のイタリア・ピエモンテ州の標高2400mにもなるアルプスの山奥でのみ造られています🇮🇹
製造は7月〜9月までの、アルプスの花🌸やハーブ🌿が、青々と茂る期間のみに決められています。
その花やハーブを食べた牛🐂さんのミルクだけで造られる特別なチーズです。
生産地域のプロヴィンチャ(県)は、ヴェルバーノ・クジオ・オッソラ県。トーチェ川流域。
7つの山🏔Morasco、Castel、Valdoggia、Vannino、Poiala、Forno、Sanghiattoで造られ、生産者は僅か8軒です。
13世紀に、この地の領主であったヴォルツァー家はチーズが大好きで、牛飼いや羊飼いを集めてチーズ造り集団を造りました。彼らは、土地を与える代わりに、税金は「美味しいチーズ」で支払うように命じました🧀
そのことから、ベッテルマットとは、「寄進された牧草地」という意味です🐂💰
長らくこの地のチーズは、フォンティーナチーズとベッテルマットチーズの2つチーズで競合する土地になりました。
20世紀にフォンティーナは、DOP(原産地呼称制度)を導入することにしました。そのときベッテルマットは、フォンティーナDOPに土地を吸収されそうになりますが、1968年に国民投票により、特定のチーズエリア「ベッテルマット」になります。
一般のイタリア人には、同じ地域の同じようなチーズでも、ベッテルマットを造ってきた当人達にとっては、守るべき伝統の味だったのです。
ベッテルマット地域には、固有のMutellina「ムテッリーナ」というハーブ🌿が生えており、これが独特のチーズの風味を与えます。
チーズの固形脂肪分は通常45%前後ですが、ベッテルマットは50〜53%と、非常に濃厚なミルクで造られていることがわかります。もちろん無殺菌の全乳から造られます。
年間5000個ほどしか造られない幻のチーズで、日本には希少すぎて今は輸入されていないチーズですが、もし見かけたら是非食べてみてください🧀