新聞社の収益推移
こちらが、ニューヨーク・タイムズ 社の収益推移のグラフです。
同社は2006年から2010年にかけて5億ドル(約650億円)の収益減に見舞われたことから、ビジネスモデルの転換を目指し始めました。
2011年には有料会員限定記事の配信を開始、以降順調にデジタル加入者のサブスクリプション収入を増やし、現在では総収入の42%を占めるに至っています。当初2011年に4700万ドル(約61億円)であったサブスクリプション収入は現在9億7900万ドル(約1273億円)に達しています。
米国では大人の半数以上が何らかのニュースサイトの会員となっているそうです。
ニューヨーク・タイムズのみならず、全般的にデジタルへの移行が進んでいるようです。
これに対して、日本の状況を調べてみました。
日本新聞協会のデータをもとに作成してみました。2兆円以上あった総売上(左メモリ)は今では1兆5千億円を切り、部数(右メモリ)も5000万部以上から3000万部まで下がっています。
内訳を見ても、まだまだ新聞の販売収入が中心で、ビジネスモデルの転換ができていないことがよくわかります。
もともと、日本の新聞社は宅配制度を設けることにより、安定的な収益を得ていました。現在その販売代理店との関係から、デジタルへシフトすることが困難になっています。
価格設定も、紙の新聞を基本としたもの(デジタルサブスクリプションだけの場合は紙の新聞より高い料金設定)しか導入できていません。
一方 米国では、宅配制度が日本ほど普及していなかったため、スムースにデジタルサブスクリプションへ移行できたものと考えられます。
過去の成功が、時代の転換点で逆に足枷となる、いい例なのかもしれません。