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青春という名の病

僕は、青春したいと言っている中高生を見るとゾッとする。

高校生の時、僕は青春が何か分からなかった。青春が何かを考えたことすらなかった。

大学生になって、通学途中バスに乗って、ふと窓の外を眺めながら高校時代を振り返っていると、「ああ、あの時は輝いていたな」と思ってしまった。「あれが青春だったんだな」と。なれない大学生活で、日常をこなしているだけの日々の中では、高校時代はあまりにもキラキラしていた。

僕にとっては、青春という言葉は、色あせた生活をしている大人たちが、一生懸命だった過去を思い出して黄昏るための言葉かもしれない。

大人になれば手を抜く方法がわかってくるし、いろんなことがうまくこなせるようになってしまう。あの時の、自分の感情をうまく説明できないもどかしさも、うまくいかずにもがいていたことも、今では失ってしまったものなのだ。だからこそ、輝いて見える。

中高生が想定している青春は、フィクションからとってきたような甘酸っぱい恋とか文化祭で団結とかだろう(偏見かも)。彼ら彼女らが青春を語ってしまうと、あまりに俯瞰的すぎる。「私は今甘酸っぱい恋している」なんて発言、黒板をひっかく音より耳障りだ。そこには苦悩も熱中もない。もし青春なるものを過ごせたとして、私青春してますよという、自己陶酔のようになってしまう。中二病ならぬ青春病である。

まあ、そうやって学生を楽しむのもありだとは思うけど。

とにかく僕は、この青春病にはそこはかとない気持ち悪さを感じてしまうのだ。




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