ライブ配信のためにDIYで防音室作ってみた
【自己紹介】
はじめまして、キャラクター配信アプリ「IRIAM」でライバー活動をしております、ピエール・クラウンと申します。
IRIAMでは「賑やか」「うるさい」と噂のピエロの配信者です。
IRIAMで一番うるさいと言われており、実際12月27日のデビューから半年ほどスタジオを借りて配信を続けておりました。配信の音量が大きいだけではなく、物理的に「僕の声が大きい」のです。
実際スタジオで配信をしていても、スタッフさんから「今日も賑やかでしたね」と言われたり(外まで聴こえていたそうです)、音量を測るアプリでは100dB超えを記録(地下鉄のホームに電車が到着したときと同レベル)しており、自宅からの配信が困難だったのです。
※配信ではないところで地声がうるさくて警察を呼ばれたことがあります。
実際に僕が大声を出してスマホのアプリで計測した数値です。この騒音がどれくらい減衰しているのかは、防音室完成後に比較として掲載したいと思います。
【防音室を制作した経緯】
ちょうど2021年5月のIRIAM内での大きなイベントに参加して敗れた際に、どうしたら他の方と同じように戦えるかを考えた結果「自宅からいつでも気軽に配信できる環境を整える」という結論に至ったことが、防音室を作るきっかけでした。
スタジオを借りるとなると時間もお金も制限がかかり、他の配信者の方々と比べ配信頻度や配信時間が少なくなる…それがイベントで勝ちきれない一つの要因として挙げられました。
ちょうど5月で契約満了というタイミングでしたので、引っ越しと防音室の制作を決めたのです。
僕のようにライブ配信をしている方をはじめ、他にも音楽活動をされている方、YouTuberをされている方、声優をされている方、さまざまな方がコロナ禍で自宅での活動を行なっています。
そのうちどれほど多くの方が「壁ドン」を経験しているでしょうか?
僕が知っているライバーさんの中にも、
・深夜に配信していたら壁ドンが来た
・マンションの共有部分に貼り紙がされていた
・管理会社から苦情を伝えられた
などなど、身の回りでも音に関してトラブルは色々とあるようです。
Twitterに制作風景を投稿したところ、リアクションも多くいただき、作り方を知りたいという方もいたので、まとめることにしました。
今回制作した防音室は壁や床に傷をつけないように配慮した「ルームインルーム」タイプの防音室になります。ヤマハのアビテックスや、カワイのナサールのような部屋にもう一つ部屋を作るタイプの防音室です。
ただ、僕は特に大工仕事をしているとか、建築業に携わっているとか、日頃の趣味がDIYというわけでもないです。完全にDIY初心者ですし、何か資格を持っているわけでもありませんので、あくまで参考資料としてご活用ください。
高校生のころ演劇部に所属していて大道具も作っていたので、「木材の扱いになれているし、ある程度調べたらDIYいけるんじゃない?」っていう安直なスタートでした。なので、マジで素人です。
【防音室の設計図】
こちらが僕が引いた図面です。30日間の無料期間があったのでAutoCADをインストールして使ってみました。PDFファイルをダウンロードできるようにしてますので、参考にしたい方はダウンロードしてみてください。
開いていただくとわかりますが、幅が1820mm、高さ2100mmのサイズにしました。サイズとしては少し大きめのサイズになっています。これには理由が2つありました。
高さが必要だったのは僕が配信をするにあたり立ちながら配信をしているからです。幅が広くなっているのは、ルームメイトが音楽をやっていて、ギターの収録ができる環境がほしいという要望からでした。
配信をするスペースがあればいいのであれば、910×1820×1820mmくらいの1畳サイズでも、十分足りるはずです。ツーバイフォー工法で作るならサイズ変更は比較的簡単に行えると思いますので、是非チャレンジしてみてください。※有料記事を購入してくださった方向けに記事の最後に1.2畳サイズの図面と見積もりを公開しております。
【材料の調達と予算】
ホームセンターで必要な資材を購入してきました。
【ホームセンターで購入の資材リスト】
・針葉樹合板@1,140円 24枚
・ラワンベニヤ3×6@948円 2枚
・SPF2×2 6F@578円 11本
・SPF2×4 6F@478円 11本
・SPF2×4 8F@928円 20本
・グラスウール10K50mm@6,239円 1本(24枚入り9.5坪分)
・蝶番@1,680円 2個
・レバー@2,580円 1個
・コーススレッド45mm@478円 1箱
・コーキング剤@318円 2本
・大建遮音シート@2,780円 4本
・木ネジ60mm@98円 1袋
・木ネジ55mm@98円 2袋
以上、計92,550円
※戸当たり用の10×10×1820の木材3本と、隙間テープのレシートが見当たらなかったので約1,000円ほどプラスになると思います。
【Amazonで購入の資材リスト】
・シーリング延長コード0.5m@772円 1本
・LEDシーリングライト@2,448円 1個
・ロスナイ電源コード@935円 1本
・ロスナイ外装フード@1,419円 1個
・ボアビットセット@2,270円 1式
・ジョイントマット@4,680円 1式(2畳分)
以上、計12,524円
【その他購入品】
・ロスナイ本体V-06JC2@6,653円(楽天)
・吸音スポンジ500×500×50mm@19,514円 1式(24枚送料込)
以上、計26,167円
材料費の合計は131,241円となりました。
木材は事前にある程度はカットしてもらいました。
明細が見当たらないのですが1,000円程度でカットしてもらいました。
また、木材を選ぶ際には、反っていたり、ねじれていたりするものも多いので、木材選びの際にはしっかりと見て選ぶ様にしてください。
DIYで使用しているノコギリや電動ドリル、ガンタッカーなどはすでに所持していたものを使用しましたので、今回購入はしておりません。
それを追加購入したとしても合計で15万以下には抑えられると思います。
サイズを910×1820の一畳サイズにすれば、木材の費用は半額くらいで済みますし、僕ほどうるさくなければ2×2をベースに遮音シートも片面だけにするなど、ある程度資材の間引きは可能だと思います。だんぼっち買うくらいの値段で資材は揃うのではないでしょうか?
余談ですけど、ホームセンターでは軽トラのレンタルを無料でしてくれるところが多いので、活用するといいです。今回の木材の運搬は軽トラの荷台にいっぱいになってしまって、荷下ろししてホームセンターにトラック返却するだけで2時間かかりました…。本当は90分無料でしたけど、延長で対応してくれて助かりました。
【防音室の制作工程】
ルームメイトに手伝ってもらい、部屋に大量の資材を運び入れました。エレベーターなしの物件なので、真夏に運び入れるだけで汗だくです。周りからも「夏によくそんな作業しようと思ったね」なんてことを言われてました。みなさんも熱中症に気をつけて、水分補給と休憩を取りながら作業してくださいね。
ホームセンターでカットする木材は以下の通り
・2×4 6F(1820) 8本→1731にカット
・2×4 8F(2438) 20本→1950にカット
・針葉樹合板910×1820 3枚→280×1820 8枚にカット
・2×2 6F(1820) 5本→1744にカット
ただ、カットサイズを指定するメモを紛失しているので、少し違う可能性もあり。基本的には同サイズで大量に必要なものはまとめてカットしてもらってます。
その他の木材は実寸を見ながら自分でカットできた方が調整が効きやすいです。
【1.床面の設置】
フローリングに傷が付かない様にジョイントマットを設置しました。
フローリングに直接木材を置くと傷の心配があったので、手軽なジョイントマットを使用しました。マットのサイズは450×450×10mmのサイズのものをAmazonで購入しました。
壁面に見えるコンセントから延長コードを防音室の中に引き込めるのと、この頭上にシーリングコンセントもあったので、この位置に設置するのが、間取り的にも配線的にもちょうど良かったのです。
※電気工事技師などの資格は持っていないので、壁の中から配線を引き出したりはせず、あくまで延長コードを使って防音室内に配線しています。
【1-2.床面の木材を設置】
今回は基本的に簡単に作る様にするために、ツーバイフォー工法で制作することにしました。910mmや1820mmというサイズがベースとなるので、木材選びも楽ですし、カットしなくても使えるほうが工数が少なくなるため、そのようなサイズにしました。
もちろん、ご自身で作る際には、ご自身のおきたい場所に収まるようなサイズで自由に制作できるのがDIYの良いところなので、ツーバイフォーにこだわる必要はないと思いますし、もっと楽に作れる方法もあると思います。
床面には針葉樹合板12mmを2枚置いて、ちょうど2畳サイズになります。
この上に壁を立てていきます。
【2.壁面パネルの木枠制作】
2×4の8Fを1950mmにカットしたものと、2×4の6Fを1731mmにカットしてもらったものをビスで止めていきます。
2×4の厚みが89mmあるので、1731mmと組み合わせると1820mmになり、ちょうど床面の合板と同じサイズになります。
この木枠の中に455mmの間隔で1950mmの2×4材を固定します。
455mmの幅で固定すると、ちょうど木軸が910mmの位置に来るので、合板を固定できるようになります。
※455mmの位置を木軸が跨ぐ形で止めてください。
片側は89mm合板がはみ出る形になります。はみ出た部分は壁同士を固定するためにも必要な余剰分なので、組み方を間違えない様に気をつけます。
【2-2.遮音シートと合板の固定】
大建遮音シートが940mmなので、はみ出てる部分はカットしていきます。
綺麗にカットするのにはコツがいりますが、カッターナイフでカットできるので比較的加工は簡単です。固定はガンタッカーでできますので、簡単です。
片面を覆うように遮音シートを固定するとこんな感じになります。遮音シートがそもそも重いので、これだけでも結構な重量になります。
ここに合板を打ち込んでいきます。
1820mmを2枚と幅280mmでカットした合板を取り付けます。
280×1820mmになるので、横にするとちょうど幅が合います。
【2-3.木材の隙間を埋める】
コーキング材で合板の継ぎ目をいきます。隙間が多くなると防音性能が下がりますので、可能な限り隙間を見つけたら、コーキング材で埋めていきましょう。
※気密性も上がるので、防音室内はめちゃくちゃ暑くなります。換気や冷やすアイディアは各自考えておくと良いです。
【3.壁面を立てる】
この二面はちょうど部屋の壁と接する形になるので、外側だけ遮音シートと合板を固定しています。天井パネルの分、合板が上にはみ出ていますし、右側のパネルの端も2×4の幅89mm分合板がはみ出ています。
右側のパネルには、室内にコンセントを作るために、パネル下部にドリルで穴を開けて延長コードを引き込んでいます。作業中は該当箇所のブレーカーを落とした状態で作業しているので、感電等の配慮はしております。
たまたま設置する場所にコンセントがあったのでかなり助かりました。配信をするとなると防音室内のコンセント設置は必須です。パソコンやiPad、スマホ、インターフェース、ミキサーと電源を使うものが多々ありますので。
設置場所を検討するときにはそういった電源周りのことも配慮した上で検討することをおすすめいたします。
※写真は二面しか立ってませんが、もう一枚壁面パネルは制作済みです。
3枚とも作りは同じなので、まとめて作っておくほうが効率が良いです。
【3-2.入口側の壁面の制作】
木枠の右側の広くなっているところにドアが入ります。
本当は既製品のドアを取り付けるのが一番手っ取り早かったのですが、部屋の天井部をみていただくとわかる通り梁が出ており、既製品のドアを設置するには高さが足りないという事実に直面して、図面を引き直した経緯がありました…。
既製品のドアは2035mmの高さでしたが、ドアだけでその高さがあると天井を設置する際に梁と接触してしまうのです。梁がなければ高さは2400mmでしたので、もう少し天井の高さをあげて既製品を設置することができました。もしご自身で作成するのであれば、予算は少し上がりますが、既製品のドアの使用が一番スムーズに設置できるのでおすすめです。
ドアを自作するのが今回の防音室の制作過程の中で一番の関門になります。
【4.ドアの制作】
ドア枠として2×4の6Fをそのまま使いました。ドア枠の高さが1820になります。また、ドア本体に使う2×2の木材は6Fのものを手鋸でカットしました。上下左右にそれぞれ3mmの隙間ができるようにしています。
木材を仮置きして、ドアのイメージを固めていたときの画像がこちら。ドアノブを取り付けるところに端材から切り出した2×4を2本並べています。これは木工用ボンドで固定して、ドアノブに干渉しないところでビス止めしています。
こちらが完成したドア本体の木枠です。これも壁面パネルと同様に遮音シートを貼り、ベニヤを打ち付けていきます。
その後木枠の隙間にグラスウールを詰めていきます。幅はそのまま使えるサイズなので、長さだけ合わせてハサミでカットしていきます。グラスウールの両側に固定用のヒダがあるので、木枠にガンタッカーで固定していきます。
この上にさらに遮音シートとベニヤを固定すればドアはほぼ完成です。
ですが、ここで問題が発生しました。ベニヤのカットはホームセンターでお願いしていたのですが、幅のサイズを伝え間違えたために隙間ができてしまいました…。
カットしたベニヤの端材はもらってきましたので、この幅に合わせてベニヤを手鋸でカットし、付け足すことにしました。
【5.天井の制作】
シンプルに2×2のSPF材を組んで1820×1820mmの枠組みを作り、壁面と同じ様に455mm刻みで2×2のSPFを組んでいきます。壁面パネルと同様、遮音シートをガンタッカーで打ちつけ、合板をビスで固定していきます。
天井は両面完成させた状態で乗せる予定でしたので、そのままグラスウールを詰めていきます。そこに再度遮音シートと合板を固定して、天井パネルの完成です。
【6.壁面パネルの固定】
最初に固定した奥側2枚の壁面パネルだけでなく、右側と手前の入口の木枠も固定しました。
骨組みの状態で固定したのは、パネル同士を固定するためのビス止め箇所が増えることにより、しっかりと固定できるからです。パネルを完成させた状態ではビスをしっかりと打てず、固定が困難になるので注意が必要です。
天井から垂れ下がっている黒いコードは、シーリングライトの延長コードです。ちょうどこの位置にシーリングコンセントがあったので、防音室の中にちゃんと照明器具を取り付けようと思い、細工してました。
【7.天井の取り付け】
天井のパネルには、シーリングの延長ケーブルが通るように中心部に穴を開けていました。延長ケーブルだけだとうまく通らないので、延長ケーブルに紐をくくりつけて、紐を穴に通して天井を持ち上げて壁面パネルの上に乗せました。
そうすることで紐を引っ張っていけば、写真の様に延長ケーブルが穴を通り、防音室内にケーブルを通すことができます。
さて、問題はこの天井、「めちゃくちゃ重い」のです。
ざっくりと重さの見積もりをしました。
・針葉樹合板12mm 1枚 約12Kg 4枚で48Kg
・遮音シート10M 1本 約20Kg 約7Mで14Kg
・SPF材2×2 6F 約1.5Kg 7本で10.5Kg
・グラスウール2枚
以上、計72.5Kgです。
見積もりをして、想像の2倍以上重かった。そりゃ重いわ。
20Kg〜30Kgくらいだよ、とリスナーさんと話していたけど、軽く倍以上ありました。びっくり。怪我しなくて本当によかった。
基本一人で全て作業しておりましたが、こちらだけは知人の力を借りようと連絡してみました。もともと「防音室作るなら作業手伝うよ!」と言っていたので、ちょっと手を貸して欲しいと連絡したのです。
完全に既読スルーでした。
2日前にはこの日に手伝えないか?と打診しているにも関わらず、そして僕が防音室を作っていることの経過報告はしているにも関わらず、既読スルーでした。
仕方ないので、これを一人で持ち上げることになります。なんとか壁面パネルに沿って、ずり上げる形で上に持ち上げて乗せていきます。
一歩間違えば、自分の上に滑り落ちてきて南無三という可能性もあったので、本当にみなさまが作業するときには、二人以上で作業にあたることをオススメします。
木枠と天井のパネルをビスで固定していきます。
【8.壁面パネルの隙間を埋める】
※セメダインの公式ページからお借りしました。後日差し替え予定※
木材そのものが歪んでいたり、ねじれていたりして、ビスで固定しても、隙間が空いてしまうところが出てきます。そこにはコーキング材を使って、隙間を埋めていきます。
コーキング材は偉大。写真はないけれど、天井パネルと壁面パネルの間に歪んで隙間ができているところにひたすら流し込んでいきます。ここから音が漏れるかもしれないな?と思うところにコーキング材で塞いでいきます。
【9.シーリングライトの設置】
うちの防音室は上にたまたま部屋のシーリングコンセントが来ていたので、延長コードで防音室内に引き込みました。
もっとシンプルなものにするなら、写真のような電源コンセントから裸電球吊るせるタイプの電球ソケットを使用しても大丈夫です。写真のものはスイッチもついています。ソケット部にビスで固定できる穴が空いているものもあるので、そちらを使用すれば、裸電球を天井や壁にそのまま固定することもできます。
LEDシーリングライトにしたかったのは、防音室はただでさえ熱がこもりやすい構造になっているので、熱源をなるべく減らしたかったからです。
白熱灯を使うと電球からの熱もあり、結構室内暑くなると予想できるので、お気をつけください。
【10.内壁の制作】
【10-1.換気扇用の穴を開ける】
ロスナイの換気扇を設置するために、パイプを通す直径12cmの穴を開けました。コンパスとかあれば簡単ですが、持っていなかったので定規で代用。
※ロスナイ換気扇については後述
写真の様に、パイプを通したいところに目印をつけて、定規で12cmの直径になるように点をつけて行きました。
細めのドリルで穴を開けて、そこからボードソーで目印に沿って円形に手鋸を引いて行きます。
パイプさえ通れば良いので形は歪でもOK。隙間は後から埋める前提なので気にせず穴を開けます。
【10-2.グラスウールの施工】
内側の施工をしていきます。写真は壁にグラスウールを詰めている写真です。2×4の厚みが89mmあるので、グラスウールを二重にして固定しています。
換気扇を設置する箇所には換気用のパイプを設置するので、少しグラスウールの詰め方を変えています。
【10-3.合板と遮音シートの固定】
内側は1820mmより狭くなるので合板を手鋸でカットしています。木材の歪みなどもあるので、その場でメジャーで測ってカットしました。
内壁ができたところで、下部にコンセントを設置。ドリルでコードが通せる穴だけ開けてました。これで、室内の電源を確保。
ちなみに遮音シートを木枠に固定しようとするとグラスウールに押し返されてしっかりと固定できないので、合板のサイズに先にカットして、合板にガンタッカーで固定してます。
こんな感じでカットしたものをそのままガンタッカーで固定してました。
【11.ロスナイの設置】
ロスナイ本体を別途購入した外装フードです。見えづらいですが、本体には、別途購入した、電源ケーブルが接続されています。これで、家庭用コンセントを使用してロスナイを運転させることができます。吸気排気のパイプは本体に付属で付いてきました。
内側の合板と遮音シートを固定する前に、設置位置の目星をつけて、外側と同じ様に直径12cmの穴を開けておきます。
ロスナイ本体の裏面は設置場所に固定する金属板となっています。金属板を外し、吸気排気用のパイプを説明書に従って固定します。
右側の壁に該当の金属板を設置してあります。あの上に本体を固定したら換気扇として使用できるようになります。
パイプが長いため、必要な長さにカットしておく必要があります。僕は壁に固定した後に長さ調整をしたので、カットが大変でしたが、固定する前に事前にカットしておくように取付説明書にも書いてありましたので、事前カットをおすすめします。
カットしたあと、外装フードを取り付けてロスナイの設置は完了です。
この場所に設置したのは、この下側に電源コンセントがあったためです。コンセントの位置によって設置場所は変更可能ですので、ご自身のコンセント位置を計算しながら設置してください。
【12.ドア側の壁面パネルの作業】
針葉樹合板をそのまま1枚使用して、上部と右側は、必要なサイズに手鋸でカットします。
こちらも合板に直接遮音シートを貼ることでたるみなどを防止しています。
【12-2.ドア側壁面パネル内側】
ドア側の木枠も他の壁面パネルと同様にグラスウールの二重にして詰めて、合板と遮音シートで塞いでいきます。
【13.ドアの加工】
【13-1.蝶番の箇所を削る】
蝶番を固定するところを削ります。的確に削れるものが何もなかったので、カッターナイフを彫刻刀のように使用して削っていきました。
この作業をドアの上下と、該当する位置のドア枠の上下に施します。
【13-2.ドアノブの位置に穴をあける】
こちら写真を撮り忘れたのでありませんが、ドアノブの取付説明書の通りに加工しました。
ドアノブ部分と、ストッパー部分それぞれ22mm径のドリルを使って穴を開けます。(ドアノブによって径が違いますので、ご購入いただいたドアノブに合わせてください)
ここが一番難関でした。用意したドリルが長さが足りず、片側からドアを貫通できる長さがなかったのです。しかたなく、両側からドリルで穴を開けましたが直角に穴を開けられず、微妙にズレでしまったため、ノブの位置が歪んでしまいました。
多少ドアに負荷はかかりそうですが、現状特に問題なく使えているのでよしとしています。22mmのドリルを用意するときには長めのサイズを用意することをオススメします。
ドアの作業についてはYouTubeのDIYチャンネルさんを参考に作業しておりましたので、参考動画としてリンクを載せておきます。
【13-3.蝶番の取付】
上述の参考動画を見ていただければわかると思いますが、溝を掘った部分に蝶番を固定します。
これでほぼ完成ですが、このままではドアの隙間から音が漏れてしまうので、戸当たりを設置します。
【13-4.戸当たりの設置】
戸当たりを設置し、ドアとドア枠との間の隙間を塞ぎます。木材だけでは隙間が埋まらないため、すきまテープを使って、ドアがある程度密閉できるようにします。
これでドアの設置は完了です。
【14.吸音材を貼り付ける】
吸音スポンジは、ウレタンスポンジの加工会社、(株)ストライダー社のものを直接購入いたしました。
粘着テープが付いているため、取付が簡単であり、東急ハンズなどで買うスポンジと同等製品でありながら、かなり安く購入することができます。
防音室のDIYをする方だけでなく、部屋の反響を抑えたいから吸音材を探しているという方にもオススメです。
これで自作防音室の全肯定が終わりました。
【15.防音効果の計測】
【15-1.防音室内部】
これでどれくらいの防音効果があるのかを計測してみました。
※スマホの計測アプリを使用しているため正確な数値ではないことをご了承ください。
こちらは最初に載せたとおり、防音室内で配信するときにスマホを置いている箇所で叫んだ時の最大値です。
参考数値ですが、岡崎市のホームページに騒音レベルのわかりやすい図がありましたのでお借りしました。
僕の大声が118dBなので、車のクラクション以上の大きさで飛行機のエンジン音よりは小さいという数値になります。
【15-2.防音室外(設置してあるリビング)】
かなりの騒音ですが、防音室が設置してあるリビングのテーブルの上になると…
-40dB相当の減衰があることがわかります。これでも少し騒がしいオフィスくらいのボリュームがあります。
同等の性能のあるYAMAHAのアビテックスの価格で見ると税込242万円です。
販売できるほどの見た目や手軽さではないものの、価格比較で約1/20に抑えられているのはかなり良いのではないでしょうか?
簡易防音室として比較するのであれば、だんぼっちですが、一番大きいサイズのだんぼっちグランデとほぼ同額にもかかわらず、こちらで自作した防音室の方がサイズは大きくなります。また、計測結果により防音効果はだんぼっちより高いと推測できます。
【15-3.ベランダ】
さらにリビングからベランダへと出て、窓を閉めた状態で計測します。
これでほぼ、外までは漏れていないことがわかるでしょう。48まで下がっていれば、閑静な住宅街と変わらぬ騒音レベルであり、ほぼ「騒音がない」に等しいことがわかります。
実際に叫んだものを計測した時の録画データをツイッターで公開してますので、ご覧ください。
以上が、僕がDIYで制作した防音室の工程です。
お読みいただきましてありがとうございました。
【おまけ.配信環境】
こちらが僕がIRIAMで使っている配信機材です。
・UA-4FX
・VT-4
・Notepad12FX
・V67G
・iPad Pro9.7inch
・iPad Air3
・iPhone11
これに歌枠をする際にはノートパソコンを追加で接続しています。
IRIAMで配信するには過剰な機材ではありますが、配信するときに全ての機材を使用していますし、個人的な趣味の部分が多分にありますので、この環境を整える必要はないと思います。
この記事を読んで自分も防音室を作ってみたいという方がいらっしゃったら、嬉しいですし、そういった方の参考になれば幸いです。
有料記事の範囲となりますが、僕が作った2畳サイズでなく、一人用の1.2畳サイズで作りやすいようにしたものを記載します。
1365×1365×1894mmの約1.2畳サイズ、一人用で中で座りながら配信するのであればこれで十分でしょう。だんぼっちのワイドサイズよりも広く設計されています。ある程度の高さもあるので、女性であれば立ちながらでも使用することが可能です。男性だと天井が近く圧迫感があるかもしれません。
おおよその予算と、1.2畳用の設計図が欲しい方は有料記事を購入いただければと存じます。
このような設計図と簡単な指示が書かれたものをご用意しております。
あなたの配信環境/宅録環境改善にお役立てください。
以下、有料記事となります。
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