一度減量したステロイドの内服を、再度増量するのはOK?
※ この記事での症例は架空のものであり、実在の人物や事例との関連はない。
症例
60代女性。強膜炎のためステロイド等で入院加療後、退院時よりプレドニゾロン内服開始。1ヶ月に1回の受診で問題なければ漸減予定で40mgからの開始となった。
内服開始後、特に問題なく経過していた。内服開始後約11か月目、プレドニゾロンを5mgで内服していた時の受診で、炎症再発を指摘され、プレドニゾロン増量または免疫抑制剤使用の選択肢を提案された。
「プレドニゾロンを減らすのは少しずつなのに、増やすのは一気にしてもいいんですか?」
との相談があった。
<考察>
(ステロイドに漸減が必要な理由については、色々な書籍やサイトに記載されているので割愛)
一度減量したプレドニゾロンを再度増量したことによる症状の変化などが明記された文献は見つけられなかった。しかし臨床的に、ステロイドの増量は、頻繁ではないものの経験は0ではない。
・炎症性疾患の治療のひとつであるステロイドパルス療法では、初回から1000mgiv 3日間といった用量で投与される
・プレドニゾロンの内服が始まる時は40~60mgといった高用量から始まる。
ことなどから、漸減していたプレドニゾロンの増量や同量維持は可能だと考える。増量も一気にするのではなく、2.5~5mg程度の増量から、症状や検査値をモニタリングしながら慎重に増減することが多いイメージがある。
プレドニゾロンの用量調節について、文献をご存じの方、経験をお持ちの方は是非ご教示いただきたい。