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皮疹と発疹と湿疹と丘疹と紅斑と紫斑の違い


・「皮疹」

 皮膚に現れる病変の総称。

・「発疹」

 皮疹のうち、特に急速に出現した小さな隆起や斑点のこと。芯があったり、ザラザラ・ブツブツしていたりすることが多い。

・「湿疹」

 いわゆる「皮膚炎」。かゆみを伴う発赤、丘疹などが特徴。

・「丘疹」

 直径10mm以下の限局性の皮膚の盛り上がり。表面の性状から角化性、漿液性 (湿疹などで見られる)、充実性 (腫瘍などで見られる) などに分類される。

・「膨疹」「膨隆疹」

 皮膚の限局性の浮腫が原因で、扁平に隆起したもの。

・「紅斑」

 真皮で血管が拡張したり充血したりすることによる赤色の斑。境界が明瞭なことが多い (ex. 蝶形紅斑)。血液が血管外に漏出しないので、ガラス板による圧迫 (ガラス圧法) で一時的に退色する。

・「紫斑」

 真皮や皮下組織への出血 (皮内出血) による赤紫色の皮膚変化。血液が血管外に漏出するため、ガラス圧法では退色しない。直径2mm以上なら点状出血、直径10mm以上なら斑状出血と呼ばれる。血管炎などによる血管の異常、全身性疾患による血流異常など原因は様々で、原因不明のものも多い。

(清水宏(2019)『あたらしい皮膚科学』中山書店)
(内科臨床誌『medicina』2023.11 Vol.60 No.12 皮膚疾患フロントライン)

<考察>

● 「発赤」は、医療用語として明記されている文献が見つからなかった。皮膚が赤くなり、境界が不明瞭なものの総称として用いられることが多いよう。
● 今回まとめた名称は全て皮疹名「蕁麻疹」疾患名で、紅斑や膨疹を特徴とし、数時間~24時間で消失するもの。


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