ミレーナ

毎月やってくる生理が辛い。辛すぎる。女性に生まれたことを恨む。こんな思いを毎月するくらいなら女性じゃなくてよかったのにと思う。女性として生きていて楽しいこともたくさんあるのだけれど。

私は子どもを産みたいと思ったことがない。お母さんにはなってみたいと小さな頃は思っていたが、成長するにつれてその気持ちは無くなってしまった。

生理が大嫌い。生理が起こるたび自分の体が妊娠可能であること、子孫繁栄のために大人になってしまったことを突き付けられているようで本当に気持ち悪い。早く閉経して欲しいと願うようになったのは中学生の頃で、私は結婚したとしても子どもは産まないと決めたのもこの頃だった。

生理前から気持ちが落ち込んで、生理も結構キツい。月の半分が沈んだ気持ちでいることに耐えられなかった。ピルも考えたが、持病の薬と飲み合わせが悪いようで服用することが出来なかった。

就職してシフト制の職場になり、泊まりも夜勤も不規則になった。ホルモンバランスが前よりも乱れ、本当にひどい毎日を送っていた。肌荒れも酷いし、気持ちが落ち込むし、暴飲暴食をして、ストレスで塞ぎ込むというサイクルが辛かった。

メカニズムは分かっているけれど、同じことを繰り返してしまう自分が嫌になってきていた。閉経までずっとこのままだと思うと子宮を取ってしまいたいと思うほどだった。

あんまりにも症状が酷くなって耐えられなくなって、数年ぶりに調べ直してみるとミレーナの存在を知った。保険適用でもかなり高額で、手の届かない存在だと思っていたが、前に見た時よりも少しだけ安くなっていた。これなら持病の薬を飲んでいても使える。産婦人科の先生に相談だけしてみることにした。

結果、併用は可能で、保険適用で処置してくれることになった。とんとん拍子で事は進み、未経産婦の私は痛みに悶えながらもミレーナを子宮に入れてもらってきた。これよりも痛いものが出産かなどと考えて帰ってきた。

今のところ、毎日不正出血している。生理の痛みは少し和らいで、経血の量は増加した。慣れるまでは不安定なようでしばらくは様子を見ないといけない。せめて経血の量が減って、痛みが和らいでくれればいい。毎日の不正出血もいずれ止まって欲しい。

苦しみから少しでも救われることを願っている。