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何が足りないかを考える一年にしたい〜四段昇段の裏側〜

先日四段免状をもらいました。実は三段から五段に昇段することもできたのですが、四段にしたのは自分の選択でした。公式の昇段理由は名人戦A級リーグ入りです。ただ昨年コロナ禍のため4月の新鋭戦(昇段権利獲得がある低段戦)が無くなり、代わりに名人戦一次予選通過を新鋭戦優勝と同等の扱いにする、と内内に言われたのです。二つの権利を使って一気に五段に昇段することも可能でした。名人戦一次予選通過で発生した権利を行使せず、通常の名人戦二次予選通過のみの権利で四段昇段にとどまるかは、自分で選んでいいと言われたのでそうしました。(ややこしいですね)

連珠界は五段から高段者と呼ばれ、出れる棋戦が低段者と変わるため四段と五段は1級と初段のような大きな違いがあります。ですから本当に高段者と言える実力なのかと何度も自問自答しました。五段になるのは夢の一つではありましたが、もっと苦労して上がりたかった。仲間の牧野さんは今回上がる、しかし彼と自分は同じ棋力と言えるだろうか。ずっと一番近い目標として見上げてた井上五段ともまだまだ大きな差がありました。また自分は実力がつく前に女流棋士になってしまって肩書きの重さに潰れてしまったので、あまり早く重荷を背負いたくなかったのもあります。

この秋冬は思うようにならないことが多かった。まずもって自分の手が、思うようにうまくいかない。よく負けるし理想とは程遠い連珠をしてると日々痛感しています。三上杯というクラス別の棋戦では人数が少なく級位者と合同になり、準備してたソーソロフルールではなく珠型交替打ちで打たなくてはならなかった。隣では仲間が強い人と汗をかいて熱戦を繰り広げてます。私もあそこで打ちたかった。強い人と打ちたかった。もどかしい思いをしました。

よく負けるので、東京オープンでも当たりたい人と当たれないことが多かった。ちょっとした歯車の噛み合わなさで消化不良となることが多い冬です。その度に、悔しい思いができたのは自分の為によかったんだと思いました。思えば去年の私はうまく行きすぎていて、歯車を強引にねじ込んで実力より上の舞台に参加しただけ。自分に足りないものがいくつも見つかってるのだからその一つ一つと向き合う為の足踏み期間に今年はしたいと思います。タイトルで一年と書いたのは、一年で卒業したいからです。困難であると思いますが、焦って、もがいて、目を逸らさずに足りないものを探して、他人との比較ではなく自分が納得して次のステップにいきたいです。

今足りないなと思ってるもの

・速度の精度

・一直線に勝てない時の戦い方

・相手の手と呼応しながら自分の手を実現させていく構想力

・ダメそうな時に引き返すメンタル

・ただただ連珠の基本

などなど…山ほど他にも……

序盤の知識以前の問題が多いです。やはり地力を強化したいです!

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