朗読と舞台での発語の違い。(概要)

SNSをのぞくと、オンライン上で小説や絵本の朗読の動画や配信をよく見かけます。

それに関連して朗読と舞台での発語について、改めて書いてみようと思いました。


役者の演技は身体性を伴ってこそ、一つの芸として表現されますが、

朗読劇に関して言えば言葉の扱い方は舞台上のそれとは違います。

何を表現するかということにも通じますが、基本的には役者は物語のストーリーテラーとして存在します。

台本に書かれた人物を身体を通して生きることが要求されます。

ですが、朗読の場合、身体性が伴わない分、より言葉や声に対しての意識が必要です。

それは

朗読=文学=読者、作家の頭の中で立ちあがらせる

演劇=芝居=文学の中身を別の人間(演者)が立ち上がらせる

ということです。

このような違いがあるため、演者は演劇と朗読では技術や意識の使い分けが必要です。

そして日本語の基礎知識も大切です。

基本的な日本語の構造や使い方、日本語の表現技法等を理解していなければ、

作品の内容、文章中の強調すべき単語、どうすれば伝わるか等、

演出家や指導者、また役者が理解し身につけなければならない技術です。

朗読する作品にも言葉の使い分けは必要です。

著作権が切れているような昭和以前の日本語は現代の日本語と大きく違います。

つまり、書かれている年代や文体により発話のリズム、スピード、強調されるべき言葉が違ったりもします。

英語化された日本語(平成・令和日本語)と昭和日本語の使い分ける技術が必要です。

発話も演技と同じでテクニック+資質(役者のソフト面での個性)が両方とも備わっていなければ、言葉は伝わりません。

演技の授業やWSで普段教えていますが、この先オンラインでの授業やWSが増えていくと思います。

オンラインでの指導はどこまで指導が可能か実験していきたいと思います。

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