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スバル1300G(4)
この物語はまだ続く。なぜなら、あと2台分の話があるからだ。いつまで動くか分からないが、死ぬまで持っていたいと思う。
昨今、大古車のネットオークション出品価格は桁を勘違いしている。
以前はもっとプリミティブだった気がする。SNSしかりである。水が下流に流れるのと同様、金の亡者や似非ポピュリストたちが相手を騙そうと蔓延る世界へ重力の働くのは世の常である。
広島までローダーで取りに行った。季節は忘れたが、晴れていたことは覚えている。
キャブはIDAで、ヘッドを外して分かったが、燃焼室形状が変わりバルブスプリングが強化されていた。8000rpm以上回る。内張りもなくウインドシールド以外はアクリルの競技車両だった。
車検でキャブは交換したが、外したIDAは未だ行方不明だ。
VEGA倉渕ヒルクライムはこれで出走した。しかし途中で止まった。燃タンの錆が燃料配管に詰まってしまったのだ。
バイクの燃タンは錆をサンポールで落として内壁にコーティングする。片やこれは燃料片寄り防止のバッフルがあり完全に処置できない。
スバルは特異な設計で、燃料タンクが車体の構造を兼ねる。RrフロアFt(スバルは一枚なのでRrフロア)の穴に燃タンを落とし込み、ブチルとボルトでがちがちに止める、という構造だ。配管を外したら、超強力なブチルをタガネで剥がしていかねばならぬ。黄色には白の燃タンを移植したが、2台の燃タンを剥がす作業は骨が折れた。ワイヤソーも試したが、タガネが最も早い。
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FRPフードを移植し、ガラスに戻した。サイドシルもドアも腐りはない(当時)。今でも後輪付近でジャッキアップすれば、前輪も持ち上がる。タイヤの前後輪入替は楽である。
タコメーターはスタックにした。カクカクと機械式のように動くのが楽しい。針が折れたので外した。コルビューのシートは間もなくゴムの底面が抜け、オートルックに交換した。
2005年倉渕ヒルクライムはクラス優勝したが、次年は開催されなかった。自治体の許可が下りなかったらしい。2006年初頭、倉渕村が高崎市に併合されたので、関係しているかも知れぬ。
前後して峠アタックに出た。ヒストリッククラスがあり、10台近く集まっている。クラブの会長はAAのRX/IIで出たが、次の回谷に落ちた。Rrゲート共振対策でRrスポイラーは異常に重たいが、そのせいかは知らない。当時は常連で萬福Zが出ており、大変親切にしてもらった。
当時はコースを2区間に分けタイム計測していた。いつもびりから数えた方が早い。検索すると当時のリザルトが残る。これがデジタルタトゥというやつか。
表紙は筑波だが、何故か点火時期がリタードしており、相当遅かったので走行写真は割愛する。
ある日曜、朝日を背に長野方面に向かった。麦草峠に差し掛かった時、白い煙がエンジン房内から入ってくる。なんだろう、理解できず路肩に止め、フードを開ける。炎だ、まずい!助手席の消火器を外し、炎に向かいぶちまけた。白い粉が一面を覆い、炎は消えた。
キャブから漏れた燃料がエキマニにかかったのだ。デリバリーに差すパイプからガソリンが漏れたことがあり、そのキャブ個体の不具合だろう。
茅野駅に歩いて向かう道すがら、電話ボックスから電話をかけまくる。運よく、高崎のレンタカー屋でローダーが予約できた。電車で戻り、高崎からローダーで峠に向かえば夕方にはピックアップできる。
翌週無残にも白くなった房内を見て唖然とした。ハーネスも焼けただれ、キャブとインマニはもう使う気にならず、人にあげてしまった。
跡は洗っても落ちず、黒く塗装した。粉末消火器は始末に悪い。ハーネスはバルクで切り、白のハーネスとコネクタで繋げた。
キャブはSU(1100前期までの三国ソレックスBDS)に入れ替えた。1000用は加速ポンプが付かないという違いがある。ニードルをゴムのダイヤフラムにかかる負圧で動かすが、そこらのガスパッキンを使ってもニードルは動かない。良さそうなものに入れ替えた。
そうしてなんとか動くようになった。
Ftブレーキキャリパーのパイプも折れて失陥した。スバルのブレーキはインボードなのでミッションの分岐から先はパイプだ。X配管だからもう片側の前後ブレーキがかかるとはいえ、ほうほうの体で帰ってきた。パイプを自作したのはいうまでもない。
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オフセット20㎜のエンケイレーシングはギリギリ(爪は折り返してある)
壊れるのはいじって乗り回すからだが、そうせずにはいられない。桐生の星野タイヤサービスには時々遊びにいった。話し始めるといい加減止まらないが、昔話は面白い。「HOSHINO TIRE SERVICE」のロゴを貼っていると千人に何人かは目ざとく見つける。国政さんと偶然会ったときも「以前お世話になった」と言っていた。アルミのタペットカバーとリヤトーションバーを購入したのは覚えている。
アルミのタペットカバーは恰好いいが板金より重たいし、走行中落とさないか不安で、そんなに経たないうちに外してしまった。
リヤのトーションバーは「国内ラリー用とサファリ用がある」と言われ、なんと(フ)は社員割引だ。後で気づいたが、1300GのリヤサスはABより前のレオーネと同じなので、レオーネのばね違いが使える。何のことはない純正品である。
差し替えはインナー側からアウター側へトーションバーを抜くが、少し荷重が残るので相当な力で叩かないとピクリともしない。ようやく抜けても、左右の車高が合わない。合わせたつもりでもインナーとアウター夫々のセレーションが合わないと5~10mmは平気でずれる。そのたびに抜き差ししなければならない。何度も繰り返し「こんなもんでいいや」と投げやりになる。
太いタイヤはRrフェンダーに当たるので、インナー取付部にシムを4mmほど入れてキャンバーを付けた。トーは極端にインにしたからタイヤの内側の減りが早い。
フロントはトーションバーをワンオフで作る必要があるし、固くしたらLSDを入れることになる。だから何もせず、散財せずに済んでいる。運がいい。
フロント車高下げの課題は2つある。一つはバンプ時アクスルシャフトがクロメンに当たる。二つ目は、純正ショック長ではストロークしない。スバルはフロントショック下端をアッパーアームの中間に付けるから、アッパーアームは鍛造品でショック長も短い。ショックは短すぎ流用品はない。
市川のニシキで胴体の短いショックを作り動くようにした。安定側のアライメントにしたので、ブレークすることなく切った方に素直に向きを変えてくれる。速度が低いせいもある。
古いエンジンマウントはブチ切れる。切れたマウントのエンジン側BRKTを加工しFR車のマウントを使えば純正よりしっかりする。
仕事でBN/BS系レガシイのまとめの係になり、車を借りたら、重い鼻先がふらつくのに驚いた。ENGを下で受けるので、マウント傾角によるY方向動きを規制しづらい。
初代インプレッサは高コストの液入りマウントが使えず、圧縮方向のばね定数をさげるため傾角を30度にした。1000-ff1も中実の25度だ。
座布団方式マウントのY方向規制はシェアのばね定数で決まるが、マウント傾角が浅い割にY方向の固有値が低すぎる。振騒はマウントやサスのゴムのk、操安は主ばねとダンパーのみ、それでは高い次元の両立はできぬ。我慢どころだ、と。その組織長が技術トップなのは非常に興味深い。
PU側面視傾角は6度近くあり重心は思うほど低くなく、Ftアクスルより前にエンジンがあるため慣性モーメントは大きい。低重心で操縦性が良い何割かは宣伝の成果である。
偽ノーズフィンも作った。カーボンメッシュをFRPで固め嬉々として乗ったが飽きて外した。機能的な有意差はない。ビタローニ風ミラーもすぐ飽きた。この前全部二束三文で売ってしまった。
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マーシャル178が付いてる
リヤコンビランプは1100にした。ガーニッシュをつけたら上端がナンバープレートの上端と直線上にならない。1100と1300ではナンバー取付位置が違っていた。
その頃の試行錯誤を思い出しても一貫性がない。センスは一日にして身に付かないから仕方ないが、見定めてドレスアップしないと無国籍車になる。
1300のインパネは上面スピーカーのパンチングから割れる。1100のスラントパネルを見つけ交換した。左右2か所で止まっているので交換は簡単だ。スピードメーターも一時期輸出用マイルメーターにしたが、暗算で1.609倍するのが面倒で戻した。そもそもギヤ比が異なるため、1300ミッションを使う場合は1300の200km/hメーターにする必要がある。メーターベゼルは違うが、取りつく筐体は同じなので交換は容易だ。
日曜朝走りに行く場所にもマイブームがある。その少し前から秩父の定峰峠を走るようになった。
事故は確率論で論じなければならない。事故ゼロを目指すとしても、重要なのは閾値の設定だ。彼らのADASは安全思想からスタートしていないので、そういう考え方がない。
ある12月の雨の日、前週同様、明け方定峰峠に向かった。日陰は凍っていた。ふもとのゆるい左コーナーの先に橋がある。路面μは極端に低く、そのまま欄干に激突した。怪我はなかったが、自走できない。
ジャジャジャーン、なんだ、テレビはいつもいい所で終わるな。次回につづく。