男性中学校教員が育休をとってわかったこと
R6年4月〜9月(第4子の生後6ヶ月〜1歳)まで育児休業を取得しました。
男性育休と中学校職員をクロスさせて、育休取得の利点を考えました。
子どもの発達歴に思いを馳せることができるようになる
書籍や育児雑誌などには子どもの発達について書いてあります。これを読むと紙面で子どもの発達について学ぶことができます。また、さまざまな暦には「今このくらいの成長期」というのが示してあることがあります。しかし育休を取得して子どもの発達を目の当たりにすると、それを文字としてではなくてイメージとして捉えられるようになります。さらにその傍にいた親の感情の機微にも思いを至らせることができます。
教育ってなんだろうと本質的に考えたくなる
乳幼児はなんでもできるようになる過程にあります。自我の芽生えとともにどんどんできるようになることが増えます。そして、できるようになりたいという意欲に溢れています。思春期になると無気力に見える青少年も見られますが、意欲に溢れていた子どもがなぜ、成長したいという欲求を失ってしまうのか、成長させてもらうという姿勢になってしまうのか、そんな本質を考えさせられます。
子どものあまりの可愛さと子育てのあまりの大変さを知る
自分の子どもはあまりに可愛いです。しかし24時間一緒にいるのはあまりに大変です。この相反する感情を知ることになります。思春期になると人によっては憎まれ口も増え、あまりに可愛いの要素が目減りするかもしれません。しかし、誰にでも「あまりに可愛い」時期があったのだとわかるようになります。そして、あまりに大変がそれを上回り、可愛いと思ってばかりもいられないという親の心境もまた理解することができます。
子育てコミュニティに参加できる
自治体、有志のサークルなど、乳幼児子育てに関わる様々な人や機関や組織を知ることができます。
そしてここに当事者として身を置くこともできます。
義務教育の学校をコミュニティ形成の場と位置付けたとき、コミュニティオーガナイザーとして子どもに関わる場に自分が身を置くことの価値はあるでしょう。
仕事を相対的なものと捉えることができる
他業種の経験がないと、中学校教員としての業務に大きな責任を感じ、その職を全うしようという気概が生まれます。
良くも悪くも、これを相対的に捉えられるようになります。
子どもは学校の文化の中だけで発達していくわけもないし、ましてや中学校での指導の価値観下でのみ育つものでもないことを理解できます。
良い意味で少し肩の力を抜いて働けるようになるかもしれません。
親として欲しい情報が何かを知ることができる
学校としては、これは保護者に知らせないと。これは届けないと。というコト、モノがあります。これが親の立場からすると学校側の思いと親のニーズが必ずしも一致するわけではありません。
その背景には、子どもがいる生活があるわけで、その生活者としての立場が親としてのニーズを教えてくれます。