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Ubuntu22.04を用いたMinecraft1.20.4マルチサーバーの構築(ワールド作成)
1.はじめに
今回は、Ubuntu22.04を用いてMinecraftマルチサーバーを構築します。公式推奨のマニュアルやネットを頼りに構築します。本記事はその備忘録です。なお、完全独学でほぼネットの知識です。悪しからず<(_ _)>。
以下前提
・linux(Ubuntu 22.04 LTS)上にサーバーを構築します。
・Minecraftのバージョンは、1.20.4です。
・linuxはVPSでWebArenaIndigoを使用しています(メモリは2GB)。
・linux機はTeraterm等によるssh接続が可能になっています。
・自分が操作しているPCはWindows11のノートPCです。
・ノートPCにはMinecraftがダウンロードされています。
用語の説明
自分のPC:自分が今操作しているPC(windows11)
linux機:サーバーを建てるPC
server.jar:マインクラフトのサーバーの本体であるプログラムファイル
自分のPCで使用するソフトウェア
Teraterm:自分のPCとLinux機をつなぎ、Linux機を遠隔で操作するためのソフトウェア。主にコマンドを入力してLinux機に命令するために使用します。
WinSCP:自分のPCとLinux機をつなぎ、Linux機を遠隔で操作するためのソフトウェア。主に自分のPCからLinux機へファイル転送のために使用します。
2.server.jarを自分のPCへダウンロード
Minecraftサーバーの本体である、server.jarファイルを自分のPCにダウンロードします。
1.Minecraft Launcherを起動
2.起動構成をクリックし、新規作成をクリック

3.サーバーボタンをクリックして、サーバーをダウンロード
自分のPCで、Minecraftの新規ワールドを作成する時に用いる画面です。名前とバージョンを選択して作成をクリックすれば、ワールドが作成されます。しかし、今回はLinuxで使用するサーバーが必要です。影が薄いですが、「サーバー」ボタンがあり、サーバーはこのボタンからダウンロードできます。今回は、バージョン1.20.4を選択しています。
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ダウンロードが完了したら、server.jarファイルがダウンロードフォルダに格納されています。

2章終わり
3.server.jarをLinux機へ移動
自分のPCにダウンロードしたserver.jarファイルをLinux機へ移動させます。server.jarの格納場所となるディレクトリも作成します。
1.Linux機に置き場所となるディレクトリを作成。
server.jarは、/opt/minecraftというディレクトリの中に格納します。なお、Indigoでは/optの所有者はrootであり権限がrwxr-xr-xなので、管理者権限でmkdirコマンドを実行します。
sudo mkdir /opt/minecraft
管理しやすいように、/opt/minecraftの権限を自分が使用している一般ユーザに変更しておきます。
sudo chown [ユーザー名] /opt/minecraft
2.WinSCPを用いて/opt/minecraftにserver.jarファイルを移動
/opt/minecraftの所有者に設定したユーザで、WinSCPにログインします。WinSCPの左の画面は自分のPCを表しており、server.jarが格納されたフォルダに移動します。右の画面はLinux機を表しており、/opt/minecraftに移動します。その後、server.jarをドラッグして/opt/minecraftに移動させる。
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3章終わり
4.server.jarの実行環境をlinux機に構築
server.jarファイルを起動するための環境をLinux機に構築するため、OpenJDKというソフトをダウンロードします。2章で入手したserver.jarファイルはWindowsのexeファイルのようなものです。マイクラのサーバー本体であり、このプログラムファイルをLinux機で動かすことでマルチサーバーが構築され、遊ぶことができます。server.jarファイルは、Javaというプログラミング言語で書かれており、そのままでは実行できません。実行するには、Javaで書かれた.jarファイルを実行するための環境をLinux機に構築する必要があります。そのために、OpenJDKというソフトをダウンロードします。
1.コマンドを入力して、OpenJDKのバージョン17をダウンロードする
公式ページが推奨するサーバー構築のWikiに乗っ取り、OpenJDKをLinux機へダウンロードします。Wiki内のCommon Instructionsでは、各OS毎の方法でダウンロードしてくださいと書かれています。今回はLinuxなので、Linux instructionsを参照します。
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
Linux instructionsでは、Mincraftのバージョンが1.18以上であれば、OpenJDKバージョンは1.17にしてくださいと書かれています。ダウンロードで入力するコマンドは「Debian, Ubuntu, Raspbian」の2つ目の●を参考にします。Teratermを用いてLinux機に接続して、以下のコマンドを実行します。なお、参考元の";"以前の"sudo apt update"はあらかじめ実行しておきます。
sudo apt install openjdk-17-jdk
OpenJDKが正常にインストールできたかどうかを確認するため、"java -version"というコマンドを入力します。インストールされていれば、以下のようなメッセージが表示されます。

4章終わり
5.server.jarの初回実行とeura.txtの編集
server.jarファイルの初回実行と、eura.txtファイルを編集して利用規約にサインします。4章で、server.jarファイルを実行できるようになっています。しかし、まだMinecraftでは遊べません。その理由は、Minecraftの利用規約にサインしていないからです。利用規約のサインは、初回実行後に出てくるeura.txtを編集することでサインできます。
1.server.jarの初回実行
Teratermでカレントディレクトリを/opt/minecraftにすると、server.jarの文字が赤くなっています。この状態で以下のコマンドを入力すると初回起動が完了します。なお、もしserver.jarファイルの名前が違う場合はserver.jarの部分を変更してください。
java -jar server.jar --nogui
初回起動後、/opt/minecraftの中身をlsコマンドで確認すると、eura.txtとその他のファイルが出力されています。(その他ファイルは、削除したらダメ。マイクラを自分好みにカスタマイズすることに必要です。それができるようになると、マイクラやサーバー管理が一気に面白くなるかも…('Д'))
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2.eura.txtの編集
利用規約(のようなもの)にサインするため、eura.txtを編集します。eura.txtの編集には、Linuxのテキストエディタである"vi"というソフトウェアを用います。テキストエディタとは、文字通り"ファイルを編集するため"のソフトウェアです。以下のコマンドで起動します。
sudo vi eura.txt
eura=falseとなっているので、falseをtrueに変更します。
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3.再度server.jarを実行
もう一度1.のコマンドを使用して、server.jarを起動します。以下のようになっていれば、Linux機の中にワールドが作成されています。マルチで遊べるワールドが!!!
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5章終わり
6.自分のPCからマルチサーバーへ接続
以上で、Linux機にワールドが作成されています。ここでは、自分のPCから、今建てたLinux機のマルチサーバーへアクセスしてみます。
1.マイクラを起動しマルチプレイを選択
普段はシングルプレイかRealmsを契約している場合は、Minedraft Realmsを選択しますが、今回は「マルチプレイ」を選択します。
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2.サーバー名とIPアドレスを入力
サーバー名は自分でつけることができます。IPアドレスは、Linux機のIPアドレスです。
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3.ワールドが選択でき、右にアンテナが出ていることを確認
0/20は最大20人までワールドに入れるということです。あと少し…!
(ちなみに、左の絵みたいなものも好きなイラストに変更できます)
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4.ワールドをクリックすれば、マルチサーバーに入れる
左上に(サードパーティーのサーバー)と出ていれば、マルチサーバーの構築の完了です。お疲れさまでした。
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6章終わり
7.まだまだ設定は足りません!!!
この記事では、マニュアルに則って「サーバーを建てる」ことのみを扱っています。メモリの管理、systemdでの管理、ホワイトリスト設定…などいろいろやることがまだまだあります。(今のままではうまく運用できません…)それらを解説している記事はたくさんあります。ぜひ調べてみてください。