音が「音色」に変わった日
物心ついた頃から音楽やピアノが好きだったけど、初めて人を強く想って演奏したのは、高校3年生の時だった気がする。
それまでは、私自身、人の前で弾くのがあまり好きじゃなかったから、その機会も断ろうと思えば断れたのに、なぜか「やってみよう」と思ったのは、何かを感じたからに違いない。
その日は、それまでに感じたことのない快感というか、音に気持ちを入れられたのを実感できた最初の時だった。
その時の聴衆は、約1000人いたはずなのに、ターゲットはただ一人だった。
あぁ、私は今、あの人に向かってピアノ弾いてる✨…って。
初めて、音が音色に変わった時だったかもしれない。決して届くことはない思いだったけど、好きだったあの子に、ピアノの音色を届けられただけで満足だった。
甘く切ない17歳の秋。
もう過ぎてしまったけど、6月6日は楽器の日。
SNSでも、それにちなむ投稿がたくさんあったけど、黒い木の箱が楽器に昇格できた、あの日のことを、ふと思い出してしまいました😊