GoogleとGood Notes5で記述添削指導をオンライン化する
ちょっと季節違いな話ではあるが、1年間の中でも2月上旬といえば国公立二次試験対策を盛んにやっている頃合い。ところが2年前の2月、何かにつけてタイミングが悪いことに定評があるこの私は、周囲でまだ誰も感染していない中なんとひとりコロナに感染。誠に不名誉なことに職員室第1号感染者となってしまった。
当時は発症から10日間外出禁止令が出ていたので当然その間出勤不可。発症の何日か前に、国公立二次試験に向けた添削指導で私が担当することになる生徒たちが挨拶しに来たばかり・・・という何とも最悪なタイミングである。
国語科の他の先生方も自分の受けもつ生徒で手一杯な状況なのでお任せするわけにもいかず、10日も出勤できないとかマジでどうすればええんじゃァ!とアタフタした結果、何とか捻り出したオンライン完結の添削指導方法を記録しておく(そういうことをやったなぁと最近思い出した)
なお、なんだかんだ療養期間は終始体調が悪かったのでオンライン会議ツールなどの使用はなし
使用したもの
使用デバイスはPC(主にフォーム作成と、解説文作成に使用したが、iPad1台で全部やっても良かったな)とiPad(Good Notes5で添削)
使用ツールはGoogle Classroom (プラットフォーム)、Google Form(答案提出用)、 Good Notes5(答案添削用)
あと、前提として当該生徒が入室しているClassroomに私も教師として入っていたこと・担当大学の赤本を7、8年分コピーして持ち帰っていたことが幸いであった
① Google Classroom
担当する生徒を投稿先として選択して当面オンラインでやり取りを行う旨のお知らせを投下
お知らせに、以下に記載のGoogle Formを添付
② Google Form
オンライン添削をするならば、生徒の書いた答案をPDFなりで送ってもらってそれに書き込むのがやりやすいのだけれども、できれば受験前の生徒に負担をかけない形で気軽に答案を提出してもらいたい。
そこで、生徒の使い慣れた形ならばスマホの写真機能で自分の答案を撮って送ってもらうのがよい!と思い至ったのだが、ここで難題発生。
答案をどうやって教師(私)に送るかという問題である。
Google for Educationの仕様の問題なのか、生徒アカウントから教師アカウントにはメールが送れない模様。
かといって生徒の個人用アドレスとやり取りするのはタブー。
できれば風通しの良い形でやりとりしたいが、Classroomストリームのコメント欄では画像などのやり取りができない(教師側から生徒個人宛に投稿することはできるが、生徒はそれに対するコメントで画像を添付することができない。かといって生徒のClassroomストリームへの投稿を許可しても、その生徒の投稿は他の生徒に見える形となってしまうので、プライバシーの点で好ましくない)。
できればGoogleの範疇を超えずに、生徒が写真をアップロードし教師に共有できるようにするにはどうしたらよいのか?
色々悩み試してみた結果、Google Formであれば写真のアップロードが可能であることが判明。
というわけで記述問題の答案を写真に撮ってGoogle Formから教師側へ提出してもらうこととした。
フォームはこんな感じ。
設定でアップロードできるファイルサイズの上限は変更できる(最大1TB)が、私の場合は1GBを上限として設定した。
あとは「回答を1回に制限する」をオフに。
難点としては、逐一フォームをチェックしにいかないと生徒が答案を提出してきたかどうかが分からない点。提出(Formへの回答)があればメール通知してくれる機能があったりするといいのだけど(私が知らないだけか?)
③ Good Notes5
生徒から送られてきた答案画像をノートに貼り付け、あとは紙で行うのと同様に添削。
Good Notes5の素晴らしい機能の一つに「なげなわツール」というのがあるが、これが本当に役に立つ。
ある生徒に向けた手書きの解説や採点基準、考え方や知識などで、(同じ大学の同じ年度の過去問を解いた)他の生徒にも適用できるものがあればコピペできるので便利である
あとはペーパーテストの採点時にはあれだけ消費する赤ペンインクが、Good Notes添削だと減らない。どれだけ赤を入れても、インクがなくなるストレスと闘うことがないのである。革命・・・
生徒に返すべき答案用紙を無くすことがない、というのもグッドポイント。
④ Google Classroom
Good Notesで添削した画面を画像orPDFにして、生徒個人宛のストリームで投下(返却)。
喋って指導ができない分、Good Notesでも解説やポイントをかなり書き込むがそれでも説明しきれない部分や全体の講評を文章にして添削画像とともに投稿する。
それに対する質問等はストリームへのコメントか、Formで行ってもらう。
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コロナ罹患時はかなり辛くて上体を起こすのもきつかったのだが、ジッとして作業したり勉強したりはできたので割とこの方法は(私としては)良かった。この方法なら、今の私(慢性疲労症候群?で休職中)にもできる。
ただ、入試を控えた生徒であれば、直接職員室に行って教員に納得するまで質問して多少の自信と安心感を得られることもあるだろうから、そこは申し訳なかった。私も本当は直接鼓舞したかったし、生徒の反応を直接見ながら解説したりしたかったのだけど。
まあこれは本当に緊急事態になった時の最終手段として取っておくことにしたいとは思うが、今後またうまくハイブリッドなどにできたらいいなぁとも思う。復職できたらね・・・
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