#26 視えない空気
ことばを上手に伝えられたら
どれほどよいことであろうか
言葉とことばの間には
人とひとの間には
読まねばならぬ 空白がある
気づかねばならぬ 隙間がある
それは
小さな煌めきもなく
波打つガラスでもなく
手をかざしたってすり抜ける
空想するのだ
想像するのだ
妄想するのだ
読まねばならぬ 空白は
気づかねばならぬ 隙間は
見えないからこそ
描いた世界は変化する
いま、君が投げた言葉を
受け取るわたしは
どんなことばを返せばいい
いま、君に投げた言葉は
彩あふれる花束だったはずなのに
どうしてそんな哀しい顔をするんだろう