#27 黄金色につながる世界
カラスの親子が寝ぐらに帰る
夕焼け小焼けのすすき野原に
夕陽に染まったトンボがキラリ
土手の下を流れる川から
亀がゆっくり顔を出す
薄青空に白い月が照らされる
地面を這う羽虫たちは
ぴゅう、と吹きつけた風で
一斉にあちらこちらに散らばった
こぼれた枯葉の隙間から
ころころダンゴムシが転がって
小さな秋が巡り出し
土の中からミミズが天を仰ぎ見る
ミミズが見上げた果てなき宇宙
やがてそれは
銀河につながり
銀河の端の太陽光線は
秋の空につながってゆく
そして
秋の空は大地につながり
いっぴきのミミズにさえも
ふりそぞく