#17 初めての 音
電子音の響く世界から
貴女は突如落ちてきた
空のように碧い髪がひらひらと
広げた腕には真っさらの
可能性だけが詰まってた
奏でる音は言葉を紡ぎ
やがて意味を持ち始め
人々の心を巡りゆく
誰かの意思をことばに乗せて
誰かの愛を歌にして
0と1の世界から
貴女が歌い繋いだ証に
あらゆる可能性が生まれ
やがてそれらは花を咲かせた
人の心に灯を燈し
誰かに希望を送り出し
誰かの傷を塞いでゆく
いつでも、どこでも
振り返ると貴女はそこにいて
きょうも、あしたも
世界を音で満たしてゆく