#2 かつ消え、かつ結ぶ
ゆく河の流れは絶えずして
しかももとの水にはあらず
そこにいた痕跡は
上から下へ消えてゆく
河の流れに飲み込まれ
行方は遥か遠くなる
確かにここに存在していた
何十億人の人々の
かつては いま であった人々の
流れは果たして どこに向かうか
果たしてどこを 漂うか
いま
ここに立っている いま は
足元を掬われそうになる急流か
優しく肌を撫ぜる静流か
じゃぶじゃぶと泡立ち
ちゃぷちゃぷと揺蕩う
遠く、見つめる先にあなたがいる
ふと、振り返るとあなたがいる
どうか
指先の温もりが繋がるうちは
振り返ったこの場所に、繋がる場所があることを
そっと憶えておいて欲しい
いつか
見つめる先のあなたにふたたび巡り逢う
ほんの少し先の未来まで