エッセンシャルワーカーはなるよりもなってからの方が大変
エッセンシャルワーカーに対する議論はコロナ禍以降たくさん語られています。
自分は一応エッセンシャルワーカーの端くれをやらせていただいているので、エッセンシャルワーカーで働くとはどういうことかを語りたいと思います。
結論を言うと、表題の通り、「エッセンシャルワーカーはなるよりもなってからの方が大変」ということになります。
あまりにエッセンシャルワーカーの問題が話題になったせいで、エッセンシャルワーカーに今なろうとしている人は相当数減っていると思います。
ある程度きちんと計算できる人なら、エッセンシャルワーカーで働くことの難しさがわかると思います。
まず、エッセンシャルワーカーは儲かる以前に採算をとるだけでも大変です。
普通の会社員は、毎月口座に一定額振り込まれるのは当然の権利だと思っていると思いますが、実はこれはすごいことです。
まず、何より、職場に行ったら、自分の座れる椅子と仕事があること自体が奇跡です。
個人事業主、経営者なら、誰しも思っていることだと思います。
それぐらい仕事を獲得する、利益を出すことは難しいことです。その難しさはエッセンシャルワーカーも例外ではありません。
社会で必要とされる仕事だから、だから食うのに困らない権利が当たり前にあると思っているのであれば、厳しい言い方になりますが、あまりに社会を知らないと思います。
仕事を獲得する、それで利益を出す、それ自体が難しい上で、エッセンシャルワーカーは付加価値のつけづらい仕事内容に加えて、労働集約型産業が多いので、基本的に収益を最大化するのが難しいです。
ある程度勉強すれば、エッセンシャルワーカーの薄給が、個人や事業者の努力でどうにかなる話でないことがわかります。
エッセンシャルワーカーの労働内容は客が選べる内容でなく、更にインフラ・物流・小売や医療福祉のように安価に提供されているとか法律や条例等で金額が決まっているというようなことが多いので、そうなると仕事は多くてなおかつその仕事の性質上心身共にハードなのに利益を最大化するのが難しい、更にその割には新規参入がそこまで困難でないためにレッドオーシャン化して潰し合いになるか、逆に新規参入が困難で、需要に見合うだけの供給ができないということもありパンクするかという話になると思います。
そんな内容の仕事に就くのは基本的に心身にきわめて悪影響を与えるため、まともな人はまずそういう職業を選ばないですし、仮にちゃんとした人がエッセンシャルワーカーになっても、周囲の人間の人間性に唖然として耐えられなくなって辞めていくと思います。
エッセンシャルワーカーはコロナ禍以降、感謝や尊敬を集める職業になりましたが、現実的にはエッセンシャルワーカーに従事している人間が必ずしも尊敬できる人間性の持ち主とは限りません。
エッセンシャルワーカーは喫煙率も低くなく、特に現業職は、パチンコやソシャゲのような依存性の高い娯楽を好む傾向にあると言われています。
短気で言動が暴力的、あいさつをしない、最低限のコミュニケーションもとれない、発達障害の疑いが濃厚な人間もいる、仕事が雑か職務放棄をする、いじめや嫌がらせをする、責任逃れをする、そうなるとちゃんとした人に仕事が集中するかまともな人は辞めるのでますます激務になります。
そういう訳なので、モラルの高い環境を目指す人は、勉強して大学に進学して、社会的信頼の高いホワイトカラーを目指すと思います。更に教育熱心なら親がそういう道に誘導すると思います。
しかし、現実的にエッセンシャルワーカーは誰かがやらなければいけないので、誰がやるのかという話になります。
公務員界隈では非常に話題になってますが、かつてと比べて、明らかに面接の人間の質が下がったと言われています。
公務員の世界も、人手不足と職務の高度複雑化が一気に極まったため、ブラックなのがどんどん明るみになり、退職する職員が増える一方と言われています。
そういうのもあり、公務員試験受験の敬遠に加え、公務員試験の易化により、かつてなら来ないレベルの質の低い志願者が目立つようになったと言われています。
公務員でそうなので、エッセンシャルワーカーは更に深刻な状況と思います。
上記の状況もあって、訳ありな人達が集まりやすいエッセンシャルワーカー業界は、就くこと以上に、心身を害さずに労働を長く継続することがかなりの難易度になると考えられます。
おそらく賃金とかそういう付け焼き刃の対策で問題が解決するような話ではないと思います。
今は外国人労働者がエッセンシャルワーカーを担っていますが、円安もあり、他国と労働力の競い負けする可能性は高いです。
エッセンシャルワーカーといえども、技術職、職人であるので、甘えは許されません。
今エッセンシャルワーカーを志す人には感謝しかないですが、しかし、実際に働いたら恩を仇で返されるのは当たり前のようにあります。
結びの言葉が思いつかないぐらいにはエッセンシャルワーカーは心身でも経済面でもしんどいです。
誰かがやらなければならない仕事であるのは確かですが、エッセンシャルワーカーはならないでいいならやめとけと思います。
それでもなるのを決めた人には健康的に働き続けられることをお祈りします。ご安全に。
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