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星に祈る

それは、子どものわたしが溺れたときに見た、スローできらきらした世界のようなものだと思っていた。そのような美しさが自分の瞳に映っていることを、ゆっくりと認識するよりも、ただもがく苦しさばかりが目立つものだと思っていたのだった。
ほんとうは、それはあたたかな雨であった。祈るあなたや私の肩に、そして頬や瞼に注ぐ雨であった。わたしが冷たくなっていた心臓を取り出し、手のひらにのせ、あなたへそっと差し出せば、あなたはそれに一度口付けて、そして私の胸へ戻すのだった。
わたしは知った。それは、あなたに手紙を書くペンのインク、カー・ステレオから流れるやさしい音楽、昼下がりの喫茶店、日差しに白むまつ毛。あなたは知ったと思う。デニムの足取り、小さなキス、微睡と少しの不安、インディゴ・ブルーの香水瓶。あなたは私へ、そのようなあたたかさを教え、わたしはあなたに心地よい冷たさを与える。わたしやあなたは、やがて気がつくかもしれない。その温度の目盛が、それそのものであることに。

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