謎の男 第4話(最終話)

そう今日は年に一度の4月1日。エイプリルフールだったのだ。

その後も必死で本当だって!と何度も何度も説得して、何とか信じてもらった。

締め切りも伸ばしてもらった。

これで一安心。

と思ってたら、母が「鑑識の方があなたの部屋を見たいって言ってるわよ」と来たもんだ。

え?!ちょ!

それはまずい!!

それだけはご勘弁をーー!!

しかし無慈悲な鑑識どもは俺の部屋へまっしぐら。

そしてドアを開けた瞬間。ボソっと呟いた。

「これは…酷い…」

部屋には物やマンガ雑誌が散乱し放題。

鑑識の人はその犯人が荒らしたと思ったのだろうが、違うんです!

単に掃除嫌いの俺の部屋が超汚いだけなんです!

すみません!すみません!

生きててすみません!

無視して作業をして進めてください!

こうして、鑑識の指紋チェックが始まった、ありとあらゆる所に、銀粉をかけて指紋を取って行く。

俺はエロ本エリアに鑑識の人が近づくと、さり気なく本を移動させた。

部屋中を銀粉まみれにされ、指紋のチェックが終わると、ようやく警察の人も帰っていった。

帰り際に警察の人が言っていたが、もしかすると犯人の狙いは物取りではなく妹だったのかも知れないとの事。

これからも十分用心してくださいと言われて、やっと解放された。

その後、銀粉まみれの部屋で、俺は泣く泣く一人で原稿を書き続けるのであった。

おしまい。

#思い出 #謎の男

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