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働いてマトリョーシカ

 働いてマトリョーシカをすべて揃えることが僕の夢だ。

 いや、正確に言うとマトリョーシカではない。同じ顔形をした女の子の人形を買って、小さいほうから順番に並べてみたら、まるでマトリョーシカのように思えたのだ。

 とりあえず僕は4体の女の子を手に入れた。
 不思議なことに、この女の子の人形を作っているメーカーのことについて、僕は何も知らない。

 たまたま旅先を歩いて、何か土産でも買っていこうかと思って入るような店で、たまたま目にかけるのだ。

 一番最初に、一番小さな女の子を京都で手にいれた。嵐山の店だった。
 二番目に、二番目に小さな女の子を函館で見つけた。
 三番目の女の子は、新潟駅で見つけた。
 四番目の女の子は、沼田の河岸段丘を見ようと立ち寄った食堂&土産物屋で手にいれた。

 嵐山で購入したものは、自分の身銭をきって購入したものだが、2番目以降は、拾ったり、もらったりしたものばかりである。

 二度あることは三度あるというが、四度目、五度目はあるのだろうか?


 四人の女の子の人形は、左から小さい順番に並べて家に飾っている。

 特別にかわいいというわけではないが、何か私を引き付けるものがある。しかし、何に私が強く引き付けられるのかは、いまだに謎である。

#シロクマ文芸部
#マトリョーシカ
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山根あきら | 妄想哲学者
記事を読んで頂き、ありがとうございます。お気持ちにお応えられるように、つとめて参ります。今後ともよろしくお願いいたします