短編 | 感想文部
「なんかさぁ、ありきたりのことばかりだよね。なんかもっとスカッとする言葉が欲しいよね」
それは私も思っていた。しかし、いつも内容はだいたい同じだから、それを見た感想もだいたい同じになってしまう。
昨年から「感想文部」というプロジェクトチームを作ったが鳴かず飛ばずだった。
「ここで1つ提案があるのだが」と部長が切り出した。
「今度から、作品を見ることなく、感想文を書いてみたらどうだろう?どうしても作品を見ちゃうとさ、その場の印象に引きずられてしまうから」
私はそれは一理あると思った。
私たちはいつも自宅にまで自社製DVDを持ち帰って、感想文を書いていたが、今日は会議終了後、それぞれのデスクに戻って、見ていないDVDの感想文を書き始めた。
ぬふふ、うふふ、はひふふふ。
ははは。ひひひ。ふふふ。へへへ。ほほほ。
バビューンな展開。
うっししし。えっへへへ。むほほほほほ。やーーめて、あーーーーん。
(411字)
#毎週ショートショートnote
#感想文部
#短編小説
#小説
いいなと思ったら応援しよう!
記事を読んで頂き、ありがとうございます。お気持ちにお応えられるように、つとめて参ります。今後ともよろしくお願いいたします