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ルールを知らないオーナメント | 楽しい会話ってなんだろうっていう話。

 わたしは話が上手ではありません。世間話というのは、どこに話が飛ぶのかわからないので、相手の話にずっと集中して耳を傾けようとしてしまいます。

 これが世間話ではなく、テーマのある議論だったら、相手の話す内容のうち、自分の意見と異なる話を中心に集中して記憶に留めればよく、相手が自分と同じ意見を話しているときには聞き流すことができます。

 議論やディベートというのは、ある程度、反論の仕方や自身の意見の一貫性を保つ訓練を積めば、どんな意見にも反論することができるようになります。

 それに対して世間話というのは、好きな音楽の話になったり、食べ物の話になったり、人の噂話になったりと話に一貫性がない場合が多いですね。

 全然分からない話を相手が話す場合、「わかりません」、「興味がありません」、「この話はおいといて…」なんてなかなか言えなくて。「今はその他話はやめませんか?」とも言えず、早く終わらないかなぁ、なんて思ったりして。


 世間話がうまい人ってなにを話してるんだろうって思って、会話に口を挟まず、黙って聞いてみることがありました。それは学校だったり、職場だったり、たまたまとなりに座った電車の中だったり。

 いちおうの私の答えは、世間話がうまい人って会話の内容じゃないですね。自分が楽しいと思うことを、ただ楽しそうに話しているだけです。
 世間話のヘタな人は、自分の話す内容を、相手が面白いと思うかどうか考えすぎるんですよね。

 私の話す内容がたとえ相手の関心のないことであったとしても、私が楽しそうに話せば、きっと相手も楽しく思う。
 私の話す内容自体は面白かったとしても、私がつまらなそうに話せば、聞いてる相手もつまらなく感じることでしょう。


 人と話すということを、相手を説得したり、論破するための手段と考えている限り、世間話はできません。
 人と話すことを、自分が楽しかったことや、今楽しいと思っていることを相手に伝える時間だと思っている人は、世間話がうまい。

 自分が楽しいと思うことを「楽しいよ」と、相手に楽しそうに話せば、世間話はきっと楽しい時間になる。
 相手の話を楽しそうに聞くことも大切ですね。

 世間話って結局のところ、ルールを知らないオーナメントですね。
 中身がなくたって、楽しそうに飾って話せば、その飾りを見る相手も楽しいのだから。



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山根あきら | 妄想哲学者
記事を読んで頂き、ありがとうございます。お気持ちにお応えられるように、つとめて参ります。今後ともよろしくお願いいたします