文法 | 複数形いろいろ|「単位語」を学ぶ
この記事では、英語の「単位語」を扱います。
単位語とは、物質名詞(例えば水。その他の液体などの名詞)や集合名詞(例えば家具。椅子、机、タンスなどをひっくるめた名詞)など、量的な物を数的に数えるための「単位」となるような言葉のことです。
水は、鉛筆のように1本2本とは数えられませんが、「1杯の水」「2杯の水」ならば、それぞれ「a glass of water」「two glasses of water」というように、「a glass of~」を1つの単位としてその量を表現することができます。
この記事では、「a glass of ~」のような単位語を中心に学習します。
高校までに学ぶ単位語には次のようなものがありました。
a piece of meat (一切れの肉)
a piece of paper / a sheet of paper
(1枚の紙)
a pair of scissors (ハサミ✂️一丁)
a flock of sheep (羊の一群)
a cup of coffee (コーヒー一杯)
また、入試問題ではあまり出題されませんが、次のような単位語もあります。
an act of folly (1つの愚行)
an article of furniture (家具一点)
a stroke of luck (1つの幸運)
a pack of cards (トランプ一組)
このような「単位語」は、まずそういうものとして覚えなければなりませんが、修飾語句の位置にも気をつけなければなりません。
たとえば、「1つの冗談」ならば「a piece of fun」ですが、「1つの面白い冗談」ならば、「a fine piece of fun」と表現します。
日本語に引っ張られて「a piece of fine fun」と表現しないように気をつけましょう。
(その他の例)
「立派な茶碗の一揃い」
○ a fine set of china cups
✕ a set of fine china cups
「美しい細工品」
○ a beautiful piece of work
✕ a piece of beautiful work
中・上級者向けの「単位語」文法
以上のことをおさえておけば、基本的な単位語の語法はOKですが、次のような「不思議な表現」(?!)もあります。
He has an interest in politics.
(彼は政治に関心がある。)
interest は、「抽象名詞」(ちゃんとした形のある名詞ではない)なので、本来ならば「an」が付くのはおかしい。
ではなぜ「an」が付くのでしょうか?
とある文法書によれば、
上の例文の「an interest」は、
「a degree of interest」(関心の度合い)の簡略化された表現であると説明されています。
簡略化された表現には、次のような「驚くべき表現」もあります。
a scissors (ハサミ✂️一丁)
さきほど「ハサミ一丁」は
「a pair of scissors」と表現すると書きました。これはこれで完璧に正しい表現ではありますが、ハサミは刃が二枚あるのが普通ですから、いちいち「a pair of」というのは煩わしいですね。
同様な表現には、
a forceps (ピンセット一丁)があります。
言うまでもなく、
a pair of forceps の簡略化された表現です。
簡略化された表現だと知らないと、「複数形なのに『a』がついてる!!」と驚いてしまうのではないでしょうか😊。
英文法って、奥が深くて面白いです😊。
(参考文献)
吉川美夫「考える英文法」(ちくま学芸文庫)、pp.37-42をもとに記事を作成しました。この本はとても「腑に落ちる」説明があって、お気に入りの英文法書です。
記事を読んで頂き、ありがとうございます。お気持ちにお応えられるように、つとめて参ります。今後ともよろしくお願いいたします