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逆噴射ライナーノーツ2024

 我が家に子犬が来ました。結果、この生活環境……ダメなんじゃない!?となりお犬様に合わせた暮らしが出来るよう引っ越しを行いました。そんなのとか学業とか文化祭とかで忙しかったので間は空きましたが逆噴射ライナーノーツを書きます。てか文化祭て。もうそろそろ27やぞ。


第一弾 サイバーパンクとは?

 「小説その他のジャンルであるサイバーパンクは、その根底には思想があるはずなのに何故かガシェットばかりサイバーパンクと呼ばれている気がする……そのガシェットに残ってるサイバーパンク性ってなんなんだよ……」とか考えてるところに並行して、「web広告は非人道的すぎるな……メガコーポが我々の生活を破壊……」とか思ってたところ、結びつきました。広告こそがサイバーパンクのfeatureだし、俺たちは今まさにサイバーパンクを生きてるんだって。これに気付いたらもうサイバーパンクを書きたくなる訳よ。Xのポルノ広告アカウント溢れっぷりは大分サイバーパンクで楽しくなってきましたね。

 それで書いたのはコレ。大学の文芸部?的なところが「夢(寝る時に見る)」をお題に部誌を出すらしく、俺が書くなら何かな〜と思って書き始めたもの。

 ただちょっとチグハグだったかな。寝る前に小説で書きたい内容とか書きたいセリフとかを無限に考える人生を26年過ごしてて、そういうのメモ帳に残してるんですよ。それで今年は何書くかな〜と思ったら「格付けは、済んだ」ってのがあって「コレかっけぇ」って。

 カッケェと思って入れてスタートしたら、あんまり本編には必要のないところに飾り付けしちゃったみたいになって、読み返すとイマイチかも……

 本編がニューロマンサーになるのは、もうサイバーパンクなら仕方がないことです。ジョニーとかナラクとかアルゴスとか……あとエアちゃん?もそうかな?違うかな?とか出さずに書けないだろサイバーパンクは。



第二弾 迷走

 こっちは初めギャンブルで行こうと思いました。麻雀放浪記読んだので。去年で逆噴射小説大賞には博徒モノが以外と少ないと知ったし。

 これも『格付けは、済んだ』から始めて主人公が相手の弱いギャンブラーを圧倒しつつ、より闇の深い次の賭場を紹介してもらう……というストーリーにするつもりでした。博徒の才もないのにギャンブル一本で生きて姿をくらました兄を探す弟……が主人公だったんですが普通すぎた。あと相手を圧倒した時の主人公の思考の文を改めて読み返すと「これを書いたやつ……モロに嘘喰いの影響受けてる……!もう諦めて暴って言葉使え……!」ってなった。ボツ。

 もう投稿までの時間がないよ〜と上に書いたようなネタ帳を探っていると出てきたのがコレ。

「好きなものを食べなよ」

 円卓の上にズラりと皿が並ぶ。見たこともない料理……というかそもそも餐厅に入るのも初めてだ。

「俺なんか助けて、何のつもりだ?金なんか無いぞ」

「金、金、金。みんなそればかりだな」

 女は笑って杯を呷る。
 
「実際それ以外に何がある?」

 皿を抱えて飯を口に運びながら女を睨む。

「まぁ考えても見ろよ、今君が1万ドルを拾ったとする。それでどうなるって言うんだい」

「1万ドルもあれば当面は楽しく暮らせるな」

「違うね、1万ドルを持ち帰ったところでお仲間が君をボコって取り上げられて終わるさ。帰らなかったとしても店で金を見せたらそれだけで店員はあんたを疑うし、警察を呼ばれてボコられるのさ」

「……」

「金は君なんざ助けてくれないさ」


 道理だ。だがそれを言ってどうなる。


「でもね、私があげるのは金じゃない。だから君を助けられる」

「何だ、何をくれるっていうんだ」

 女は満面の笑みで言った。

「愛さ」


 カッコいい会話とかカッコいいシーンのスケッチですね。ギャングのボスになりそうな女性が下っ端をスカウトしてるところ……ついでに表現としてテーブルを円卓って書いたり、レストランを餐庁って書いたり、外来語を使わず漢字表現にしてる。これは中国舞台なのではなく、昔からカタカナ語より漢字とか熟語が好きなだけ。ニンジャネームもシズケサとかジュクレンシャとかが好き。

 
 で、このスカウトされた子を主人公にして書いた続きがこう。

 格付けは、済んだ。

 この中年はもう勝負には乗ってこないだろう。極論すれば運だけのゲームだ。いくらでも逆転の目はある。それでもこいつはもう俺に勝てるビジョンを持てない。対人のギャンブルは良い。確率はコントロール出来ないが気持ちはコントロール出来る。それは俺の土俵だ。

「これ以上は俺も種銭が持ちません」

「……勝ち逃げか、まぁ良い……良いさ……賭けの代償は」
「取り次ぎを、願います」


 男は深くため息をついた。大きい賭場にアクセスするにはこういった男の紹介がいる。安定した財があり、(略)

「構いませんよ」

「欲しいものは金より、愛ですから」

  今思うと応募作より面白いな。取ってつけた作品応募しちゃだめだな。

 とは言え、ギャンブルに詳しくないしこの続きは書けないな……となりボツ。

 一作目は好きなの書いたし、折角ならなんかやったことないことするか……と考えて他の投稿作を読み……気付く。デスゲームって読んだことも書いたこともなかったな、と。サウナマスターに挑戦してみますか!と考え、買ってきたQ eND Aを積み……(今年中には……ちゃんと読むから……許して……)書いたのがコレ。


 まぁ……なんかこう……色々右往左往して書きたいもののリストだけ伸びていったのを無理くり纏めた感あるな。オモシロの種だけギュウギュウに植えてる感じするかも。もっとゆったりさせてあげたい。3年前のコレと同じ失敗してる。3年前!?


 とっ散らかったのを無理矢理まとめるために、投稿5分前に探したラテン語「Omnia vincit Amor」とか使ってるし。これは良くないよなぁ。取ってつけ感すごい。というかデスゲームやってないし。逆噴射でやるなら800文字の中で犠牲者まで描くべきだったな。まぁスケジュールが無くて時間掛けれなかったから仕方ないか。

 
 とは言えデスゲームショバ取り合い抗争と、謎のデスゲーム運営集団のボスの女とそいつに拾われて調教されたデスゲームプレイヤーの男……ってのは大分面白いかな。欲望じゃなくて愛とか矜持のために戦うから、普通のデスゲームトラップは聞かないって建前も面白そうだし。まぁ普通のデスゲームを知らないんだけど……もっと理不尽死とかするんだっけ。マスターライオンに学ぶか……



毎年逆噴射小説大賞に出て


 まぁ冒頭800字バトルという限られたレギュレーションでは自分は相当強い……というか攻略理論的なのが染み付いてるというか、お話畳まなくて良い上に800字なら容易にコントロール出来る……プロットとかもいらない……って状況で能力を振るって得意がっててもしゃあないというか。いい加減になんか一作ケツまで書かないとなって。設定メモとか、短い描写だけ集まってもしょうがない。あとケツが苦手すぎる。纏めるのが嫌になって、なんか雑にフワッと逃げてる。5分前に探したラテン語とかで逃げる。これがダメ。2025は色々楽になる見通しなので、二次創作か一次創作で一作まとまりが有るのを書かないとね。

 逆噴射に参加して何が良かったって、自分はペラペラ喋る性質というか、緩い言葉を繰り返して書くみたいな文体があるんですね。頭の中でお喋りしながら書いてるからなんだろうけども。それだとすっげぇ間延びするところを、800字に収める!って過程で徹底して削る練習が出来たのが良かった。これは逆噴射に参加しないと直らなかったと思う。自分の細かい拘りとか、1行で済む話を3行使うとか、矯正した方が良いよな。あとウルルというのは実はグロロだったのでは?とか「思いついちゃった!面白い!」みたいなのを書くのを自制する心も含めて。ゆでクラスの作家じゃないと読者は面白くないから……

 とはいえ、自分が書きたいことがあったのに800字以内に抑えるために内容抜きすぎちゃって面白くなくなってるな、と思う場面が毎年多すぎるので、その点も含めてのんびりダラ〜とした独りよがりな小説も書いておきたい。そういう意味でも、いい加減ほかのところで書くべきだなって。


これまでのバッティベスト


2018ベスト

 面白いよなぁ。刑務所モノ×列車モノだぜ?その設定だけで終わっててキャラが居ないのがダメなところ。今ならもっと書ける。


2019大賞

よく800字にまとめてるとは思うけど、自分では肩の力抜いて書いたやつなので代表作としては認めてない……多分肩の力抜いたのが良かったんだけど。書いてたときは翌年から大学4年で卒研に院試という総決算が来るのに不安になりつつもワクワクしてた時期。まだTwitterで連投愚痴ツイートを見せびらかす元気があった。コロナとアルコール耽溺で全部だめになったが。



2020(大賞の翌年だと、前年チャンプのだし感想送ってやるか……みたいな心配りがありそうなのが嫌なので名前を変えて投稿した。作品だけ見て変わらず感想くれた皆様に感謝)

 ピカレスクノワールのつもり。地雷系メイク性サービスメイドにちんぽついてて、ねんごろになって、ふたりでカジノ狙って、失敗してふたりとも死ぬ。書いてたときはずっとお酒のんでてタバコ吸い始めて全部嫌になってた時期。




2021

 生物学専攻を小説に使いたかった。ずっとライデン自然史博物館に行きたかったのと、オランダといえば大麻!ってのを合わせたやつ。日本の動植物のタイプ標本はオランダにあるんですよ。大麻の向こうにシーボルトの幻影を見る小説。書いてたときは鬱病の底のときだと思う。




2022

 個人的大傑作。これを超える800字はこの世にないだろう?と思った。まぁ〜でもタイトルがPKDで、文中にドグラ・マグラ匂わせはやりすぎだな。小学生の時に読んでたちょっと怖いSFのルートに寄せるべきだったかも。書いてたときは、大学卒業して実家に戻り本屋でバイトしてた人生最高の時期。




2023

  おいおい去年の俺も超えられちまうのかよ……俺すごすぎねぇか?になった作品。評判もなんか良かったな。これも色んなバージョンがあって、俺の趣味の描写抜いてそっち書いてれば優勝してたかもしんない。書いてた時期は医学部再受験1年生で精神はニュートラルめ。




 いや〜こうして見ても毎年めちゃ楽しんでるな。毎年「今年の俺は去年より面白い……最高傑作……誰にも負ける気がしない……」となってるのに、毎年「うっウワーッ凄い小説がある!!」って吹き飛ばされるのがただただ面白い。こんなお祭りやめらんないぜ。

 というわけで別に逆噴射小説大賞が続く限り俺は出るし、V2チャンピオンを狙い続けていきます。他でもちゃんと書くよって話で。まぁこの宣言も毎年してるんですが。初代チャンプはお前は卒業して大海に出ろって言われてから参加されてないですけど、俺はチャンプになって説教されたんで……やめられん……


 あとこれを書いてる今年の俺の横には子犬が居てスヤスヤ寝てます。犬と一緒にお昼寝してたら夜眠れなくなったのでこれを書いている。犬最高。俺の生きてきた意味。







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バッティ
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