【楽しい時、悲しいとき、いろんな時に寄り添うような人形を創っていきたい】工藤和也〔Kaz-Puppet Workshop〕 インタビュー
ピカレスクにて、8/27まで開催していた「ピカレスク・ニュー展 Vol.4」、無事閉幕いたしました!ご来場いただいた皆様、誠にありがとうございました。
ピカレスク・ニュー展は、「気軽に行けるけど特別な気持ちが味わえる」というピカレスクのコンセプトを体現する展示会として誕生し、アートギャラリーに訪れたことがない方でも、気軽に様々なジャンルの作品との出会いを楽しむことのできる企画展です。
本記事では、出展作家のお一人、工藤和也〔Kaz-Puppet Workshop〕さんに行ったインタビューの内容をお届けします!
私たちにそっと寄り添ってくれるような優しいお人形たちの世界。
工藤さんの言葉と共に浮かび上がる物語を、ぜひじっくりとお楽しみください!
ー自己紹介をお願いします。
工藤和也〔Kaz-Puppet Workshop〕(以下:工藤):はじめまして、工藤和也と申します。
〔Kaz-Puppet Workshop〕として、パペットやマリオネットなどの動かして楽しむ人形の創作を行っています。
ー現在の作品の世界観が生まれたきっかけを教えてください。
工藤:創作する作品の持つ世界観は現在進行形でどんどん変化していきますので、はっきり言いきれないのですが、今回の作品に関しては後半の項目で回答します。
ー木彫り人形を作る理由を教えてください。
工藤:人形の素材としては様々な物を用いますが、展覧会などに向けては木彫りを用いることが多いです。
木彫りは仕上がりに独特の風合いがあり、仕上げた時の形を長く保つことが出来ます。
そして、彫りの工程では自分の都合と木の都合をすり合わせながら、じっくりと進めていく時間が面白いです。
ー普段、何からインスピレーションを受けていますか?
工藤:今、特に気になっていることを心に問うことと、外から受ける様々な造形(生物や立体の物やあれこれ)のすり合わせをして、どんなものを創るのかを決めていきます。
インスピレーションは万物から頂くのですが、普段の漫然と生きている時は結構見落としているように思います。
ーこれからどんな作品を作りたいですか?
工藤:楽しい時、悲しいとき、いろんな時に寄り添うような人形を創っていきたいです。
ー今回の出展作品のコンセプトを教えてください。
工藤:今回出展の作品に関しては特に「冬虫夏草」からイメージを頂いて、〈命の引継ぎ〉みたいなことをポジティブなイメージで表現したいと思いました。
※以下は作品から感じてもらえたらベストなのですが・・・
肉体も、ひょっとしたら魂もいずれは還して、ほかの生物の生きる糧になってつながっていく、みたいなイメージです。
ー今回の作品でこだわったポイントを教えてください。
工藤:置き人形の佇まいの良さと、動く(動かす)人形の楽しさの二つが合わさった人形を創っていきたいと思っています。そっとお手に取ってもらえたら嬉しいです。
ー読者に向けてメッセージをお願いします。
工藤:さわったり、うごかしたり、ながめたり、自由なスタイルで人形との日々を楽しんでいただけたらうれしいです。
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工藤さん、素敵なご回答をありがとうございました。
今回ご出展いただいた作品のコンセプトである「冬虫夏草」は、昆虫に寄生し、栄養を吸い取りながら成長するキノコです。
そう聞くと、どこか残酷で怖いイメージを抱くかもしれません。
しかし、工藤さんの冬虫夏草たちは、寄生された生き物たちも、頭からにょきっと生えた植物たちも、お互いまるで親友のようにお茶目で生き生きとした表情をしています。
そんなお人形たちをじっと見ていると、不思議と心が優しい温もりでふんわりと包み込まれるように思えてくるのです。
それは、「〈命の引継ぎ〉みたいなことをポジティブなイメージで表現したい」という工藤さんの想いが、まさに冬虫夏草のように、私たちの中に芽吹いたのだと感じました。
皆様もお人形たちのあたたかな世界を、そっと覗いてみませんか?
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工藤和也〔Kaz-Puppet Workshop〕のマリオネット作品は、マリオネット・腹話術人形・指人形の専門店『Puppet House/パペットハウス』(東京・飯田橋)でもお求め頂けます。
https://www.puppet-house.co.jp/
◇工藤和也〔Kaz-Puppet Workshop〕 公式SNS
Twitter https://twitter.com/KazPuppet
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HP https://kaz-puppet.jimdofree.com/
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