【寂しさのこもった祈りを肯定する】mujino インタビュー

mujino 作品展「無色透明」を、2025年2月26日(水) – 3月9日(日)の期間にピカレスクギャラリーで開催いたします。

今回は、mujinoさんにご自身のことや制作エピソード、今回展示される作品についてインタビューしました。ぜひお楽しみください。

自己紹介をお願いします

初めましてmujinoです。
主にイラストレーションにて、東京・大阪での展覧会に参加をしています。2024年7月には個展『晴レノ星ノ記録』開催しました。
普段は、「寂しさに寄り添う」をテーマに作品を制作しています。
モチーフとしては、ユニコーンや天使、人魚など幻想の生き物、窓から見た風景などを描くことが多いです。
作品の中で、生きる上での違和感を暗喩しつつ、美しさに昇華ができればと考えています。

現在の作品の世界観が生まれたきっかけを教えてください。

「寂しさに寄り添う」というテーマは、自分の悩みが少なからず影響していると思います。
私は、生きていく中で思い悩むことが多いのですが、その度に、うまく生きれない、自分一人だけ異質な感覚というか、取り残されたような寂しさを感じることがあります。
そういった寂しさがSNS上にも蔓延しているような気がしていて。
同じような悩みを持つ人に、あなたは一人じゃないよを伝えられたらいいなと思ったことがきっかけとなって、このテーマで描いています。

現在使用している素材で作品を作る理由を教えてください。

現在は主にデジタルにて作画をして、ジークレー印刷で作品を制作しています。以前はペン画や銅版画等で作品を制作していました。現在もアナログでの作品も制作していますが、画材を広げなくても作画できると言う手軽さと、様々な画材で描ける表現の多様性に便利さを感じています。タブレットにて、procreateというアプリで描いています。

普段、何からインスピレーションを受けていますか？

言葉から作品が生まれる時と、美しいなと思った瞬間から生まれる時があります。言葉から生まれる時は、ふとした瞬間に意味のない単語が思いついて、メモをしているのですが、後から見返した時に、こういう物語があるなと想像して、そこから絵が生まれる感じです。美しいなという瞬間は基本カメラで収めて、後ほど見返して、そこを起点に物語を描いていくイメージです。

影響を受けたアーティストや、作品はありますか？

市川春子先生の「虫と歌」という漫画作品は、自身の作品制作の起点になっているように思います。作品制作に悩んだ際には、必ず読み返している作品です。
鎌谷悠希先生の「隠の王」という漫画も、精神性に深く問いかけるような漫画で個人的に何度も読み返した作品です。漫画で育ってきたので、絵を描く時は、物語を起点として、絵作りを考えるようになったと思います。

これからどんな作品をつくりたいですか？

これからも、想いに寄り添える作品を作ることは目標ですが、今後は、単純に美しいと思ったものを美しく描いていきたいと思っています。
作品を見られた方が、その美しさにふと懐かしさを感じたり、自分もそういう感覚があるなと思っていただけるような、そういう作品を描いていきたいです。窓や風景のシリーズなどは、そう言った思いも込めて描いています。

ご出展いただく作品のコンセプトを教えていただけますか？

恋を喰らわば骨まで

「毒を食らわば皿まで」をもじった作品です。
恋心の純粋さをクリアなレンズに暗喩しています。レンズには相手の後ろ姿が映ります。
恋心というクリアさと、骨までというおどろおどろしさを同じ画面に描きたいと思ったのがきっかけです。
骨という物体は白く、カラッとしていて、粘着質のある想いとは相対して、想いを受け取る当の人物は、何の未練もないような、そんな情景も込めています。

あの子は透明

「双眼鏡で覗いた先にいたあの子はいつも、悲しそうな顔でそこに立っていた。」
私に見えるあの子は、自分の存在に不安を覚えているようだった。という物語を描いています。
絵の中心にいる人物は自身の存在に対して不安を抱えている、揺らぎの存在として描いています。人物の心を覗き込むように、双眼鏡から覗き込む形を描いています。

出会う夢【廻る】

夢の中で何度も出会う相手との不思議な回合を描いています。夢の中の人物は、自分以外には何の意味もない存在🟰無色透明な存在として描いています。喜びや悲しみをもって、夢の中で確かに存在していた出会いは、存在しないことに寂しさを感じるけれども、戸惑いながらもその回合を意味のある出会いにしたいと願う物語です。

お客様、ご来場予定の皆様に向けてメッセージをお願いいたします！

今回の展示「無色透明」は、透明人間を題材にした展示です。
透明になりたいという願望。
空気になって、光になって、自然と一つになるように透き通って、誰にも迷惑をかけない、そんな存在になりたいという願い。
無力感に苛まれた時、自分が透明人間のように感じる瞬間。
今回の私の主題は、寂しさのこもった祈りを肯定することです。
透明人間の物語を想像しながら見ていただけると幸いです。

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mujinoさん、たくさんの貴重なお話をありがとうございました。
皆さまはどのエピソードが心に残りましたか？

mujinoさんの展示作品実物を一堂に鑑賞できる貴重な機会です。皆さまのお越しを、お待ちしております。

mujino 作品展「無色透明」

〈会期〉2025年2月26日(水) – 3月9日(日)
〈詳細〉https://picaresquejpn.com/mujino_exhibition_2025/
〈mujino 公式SNS〉
X(旧Twitter) https://twitter.com/mujinonote
Instagram https://www.instagram.com/mujino_illust/
HP https://mujino-illust.myportfolio.com/

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【基本営業日時】
*営業　水 - 日・祝 11:00 - 18:00
*定休　毎週月火
*会場　Picaresque Gallery
*住所　東京都渋谷区代々木4-54-7
*電話　070-5273-9561
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■開催中＆過去に開催した展示一覧
https://picaresquejpn.com/category/information/
■開催＆開催予定の展示一覧
https://picaresquejpn.com/exhibition-calendar/

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