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不思議な夢の話。

「ちょっと上にマスクを取りに行ってきます。」と
Rieさんに告げ、私はいつもは通らないところの階段を上っていった。

ぐるぐると 上の階に上がっていくと、そこは見たことのない場所だった。

「えっ? ここはどこ?」

以前、大学に務めていた時にも同じような夢を見たことがあって、
その時も未知の空間に迷い込み、
そして多分入ってはいけないであろう領域に足を踏み込んでしまって、
目が覚めてから「夢でよかった!」と思ったことがある。

だが、夢を見ている最中にはそんなことは思い出さず、
ただ夢の中で道に迷っていた。

その異質な場所から抜け出す道を、
そして、上の階の部屋に行くための道を探している間に、
いつの間にか外へと出てしまっていた。

一旦外へ出て、いつものところから中へ入れば、
目的の場所へとたどり着けると思い、
それでもいいかと入口を探してみたけれど、

入り口は見つからない。

そうこうしている内に、
建物自体からも離れていってしまっているようだった。

場所が分からない。

時間は退勤時間の16時半に近づこうとしている。
私は、1時間近くもぐるぐると迷い続けていたのか?

「ああ、どうしよう。。」と困っていると、

リュックをしょった若い女の人が声をかけてきた。
彼女は、私がどうしようもなく困っていることを察して声をかけてきたらしい。
沖縄から来たと言って、自分はいろんなものが見えるし、分かるんですと言った。

・・・といっても、
彼女が分かると言ったのは、
相手が置かれている状況とか内面とかそういったことで、
道などが分かるというわけではないらしい。

そこで、彼女と一緒に
帰る道を探すことになった。

彼女と一緒にぐるぐる歩き回っていたが、
それでも目的地からは遠ざかっているようだった。

「どうしよう?」と思っていたときに、
道端の小さなタクシー会社が目に入った。
「そうだ!タクシーを使えば建物の前まではいけるんじゃない?」と、
二人で喜んでそこへ入っていった。

すると、「分からない。その建物は知らない。まだ日本に来たばかりだから。」と言わ
れた。
その、色の浅黒い小柄な若い男性は、外国人のようだった。
「日本人の運転手さんはいないの?」と尋ねると、
中から出てきたのは、同じような姿かたちをした人ばかりで、
「ここは皆外国から来た人ばかりなんです。」そう言われた。

道を歩きながら、タクシーを探そうと思ったが、
そう言えば、さっきから車は走ってないし、歩いている人もいない。

「どういうことなんだろう?」と思っていたら、
高校生男子の集団がわらわらと現れ始めた。
下校時刻なのだろう。
気づいたら夕方の5時になっていた。

「どうしよう?」 
とっくに今日の私の就業時間は過ぎている。。

実は、そのとき私は、ハンカチと首からさげた職員証だけしか持ち合わせておらず、
スマホもお金も持っていなかった。

一緒にいた沖縄からきた彼女がスマホを貸してくれたとしても、
電話番号を覚えていなかったので連絡はできなかった。
(今思えば、スマホで勤め先の電話番号を検索してもらえば連絡はできたのだと思うが
、焦りまくっている時(夢の中だけど)にそんな発想は浮かばなかった。)

話を戻して、
その高校生の中にも、
二人が困っていることを察することのできる子がいて、
こちらに声をかけてきた。
ちょっと大人びた子だった。

道に迷っていることを告げると、
「案内するからちょっと待って」と前を歩いていった。

「ついていってもいいのかな?」といぶかしんでいたら、
笑って、「大丈夫、ちょっと家に寄ってお母さんに事情を説明してくるだけだから」と
言って、そのまま歩いていった。

途中で彼の前方から煙が見えた。
「えっ? やっぱりやばいでしょ?」と思い、
逃げようかと思っていたら、
その子が煙草をもみもみっと消して棄てたのが見えた。

彼の前には、
昭和の初期のものかと思われるような古びた小さな家が建っていた。
そして、その小さな庭には、その子のお母さんと思われる女性が居た。

その女性はなぜか褌のような衣類を身に着け、
そして何故かおしりの両側に白菜かなにかの葉っぱを貼り付けていた。
こちらに気づくと、その葉っぱをはがし、
まくっていた着物の裾を下ろして、
こちらを振り向いた。

とても美しい、
若い女性だった。

その子の母親なのか、
もしかしたら、妻なのか?と疑うくらい年齢不詳の女性だった。

案内してくれるといった高校生は家の中に消え、
その庭にいた女性が私に話しかけてきた。

(不思議なことに、沖縄から来たといって今まで一緒に道をさがしてくれていた女性は消えていた。)

「○○さん、なんたらかんたら。(何を言われたのかは覚えていない)」

私は、驚いた!
何故か、彼女は私の名前を知っている。

「えっ? 何故私の名前を知っているのですか?」
「えっ? だって前に会ったことありますから。」と、
彼女は私が以前勤めていた大学の研究室の名前をあげた。

あ、そういえば•••
と私も思い出したのだが、
それは現実世界の話ではなく、同じく夢の中での話だ。
私は以前、別の夢の中で彼女に会っていた。

「息子が案内するので、ちょっと待ってくださいね!」と言われ、
あの大人びた高校生の言動を反芻しながら、
人の心の中まで読んでしまう(察してしまう)ような感受性の強い子に育てた彼女に
ついて
親子そろって普通の人ではないなと思った。

彼女と彼の住んでいた家は、庭の一角に小さな泉が湧き出しており、
その水の清らかさは尋常ではなかった。

あの澄みきった水が
二人の精神性を表わしているようでもあり、
あの水が二人の生活を養っているようにも思えた。

男の子が家から庭の方に向かってくる足音が聞こえた。

そこで、夢から覚めた。
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私は、夢の中で、
沖縄から来たという彼女にも、
道案内を引き受けてくれた男子高校生にも、
そして、以前別の夢の中で会ったというその子の母にも、
縁(えにし)というものを感じずにはいられなかった。

そして、目覚めた後の今、
「夢解き」をしながら、

彼女が私の名前を知っていたのは、私が職員証を首から下げていたからかも?とか
自分に変なツッコミを入れてみたりしたけれど、

夢の中のことであれ、
やっぱり、不思議な縁を感じずにはいられなかった。

いつもは、夢を見ても、目覚めた瞬間に忘れてしまうことが多いのだが、
この夢はなぜだかくっきり、はっきりと覚えているので、
何か意味があるのかも?と思い、書き留めておくことにした。

もし、この続きがあるなら、
私自身とても興味があるので、また綴りたいと思う。

もし続きに興味がある方は、
またお立ち寄りくださいませ!

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