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【月刊pic-step 10月号】DonutBoxインタビュー

こんにちは!月刊pic-step編集部です。
今回は、イラストレーターと映像クリエイターで構成されたユニット「DonutBox」のお3方にインタビューしました!


   yosi                                            花城                                            長嶺            

DonutBox
イラストレーターのyosi、花城、
映像クリエイターの長嶺の3人からなるユニット。
ゲーム会社・映像制作会社を経てそれぞれフリーランスで活動した後
2022年、「DonutBox」の活動を開始。
イラストと映像の技術を生かし様々なアニメーションを手掛ける。


東京ビッグサイトで開催された「クリエイターEXPO」でお声がけし、今回インタビューにご協力いただけることになりました。


専門学校で出会い独立後に合流

ー本日はよろしくお願いします。まず、DonutBoxさんは3人でクリエイター活動をされているとのことですが、どういった経緯でユニットになったんですか?

元々、3人とも専門学校が一緒だったんですよ。3人ともイラスト専攻で。そこから卒業して花城とyosiは同じゲーム会社に就職したんですが、長嶺はなぜか映像会社に就職して。

長嶺:専門学生の頃に動画を始めて、そこから会社に入ったんです。

ー違う会社に就職したんですね。ということは、同じ時期に会社を退職されてフリーランスとして活動されたんですか?

yosi:実は就職していたゲーム会社の支店が潰れまして。私は本社に異動になったんですけど、花城は別のWEB会社に入って、先に独立していったんですよ。

そこから全員別の会社で働いたんですけど、私クリエイターEXPOには何回か出てまして、次1人で参加するのもちょっと寂しいから、皆で何かを作り上げたいなと思って、2人にお声がけしたんです。「3人で何か色々作れないかな」って。そしたら2人ともいいよと言ってくれて。

ーyosiさんのお声がけがきっかけだったんですね。ユニットとして活動してみて、ユニットだからこその強みとか、個人でやってた時との違いはどうですか?

yosi:ずっと一人でやってたので、相談したり、アイデアを出し合ったりする仲間ができたことが良かった点です。一人で考えるより誰かと一緒に考えることが楽しいです。

花城:ユニットだとピンチの時に助け合えるところが良いですよね。1人だと〆切前にバタバタしても助けを求められないけど、例えばyosiが描いたラフに自分が線画を付けたりとか、分担して手伝うことができるので。イラスト担当は私とyosiで、長嶺は動画担当なので、動画の手伝いはできないですが、それでもお互いにできないことを補い合って一緒に進むことができるので、そこが良かったです。

ー長嶺さんは動画を一人で担当されているんですか?

長嶺:そうですね。私は逆にイラストは趣味でしか描けないので、イラストが描ける2人には感謝してます。
動画の編集って、結局素材がないと何もできなくて。たとえばカメラマンさんが撮ってきてくれた映像を編集するように、このチームでは2人が描いてくれたイラストを私が動画にして動かすということをしているので、私はすごく助かってます。イラストを描いてくださる方がいるっていうのは、作るものの幅がかなり広がるし、自分一人ではできない作品が作れます。チーム組んで良かったなと思うし、楽しいです。

また、yosiについてはCGにも知識があって、私ができない技術も持っているので、わからないところを聞いたり勉強のために教えてもらったりしています。

ーそれぞれの皆さんの良さが合わさって、良いチームになっているということですね。

イラストの用途で色使いに気を付ける

ちなみにここから個別に、yosiさんからお話を伺いたいんですが、キャラクターのデザインは全部0から考えていますか?

基本的には第一にクライアントの意向があって、それに合わせていくのでもちろん1からではないものもありますけど、フライヤーデザインは一応1から作っています。

ーイラストを考える時に、何か参考にするものはありますか?

yosi:とにかく、たくさん調べますね。キャラクターに着せたい服や、小物などに関しても、まず色んなサイトを調べます。ちゃんと実現性があるものを描きたいので、自分の頭の中だけじゃなくて資料に頼ることも大事にしています。

元々ゲーム会社から独立した後も、指定のイラストにテイストを寄せて絵を描く、「絵柄合わせ」をずっとしていたので、自分の絵柄として描く機会があまりなかったんです。
なので今、「yosiのイラストといえばこれ」と言われるように、自分の絵柄を確立するために色んな絵を練習しています。

ーちなみにこのフライヤーのデザインはどういう風にイメージされるんですか。

このデザインは「ANIMELT」という沖縄のサブカルDJイベント開催3回目のフライヤーを描かせていただいたもので、元々クラブイベントに持ってたイメージをイラストに落とし込んでます。今回はチャイナ服とワイヤーグラスが描きたいなと思ってこういう仕上がりになりました。

ー一番こだわったポイントはどこですか?

yosi:顔が特徴的になるように描くことを一番意識しました。
また、X(Twitter)用のフライヤーで、印刷用ではないので、RGBで見た時にすごい目立つような色使いにしています。Xをスクロールしている時にパッと目に止まるような、インパクトがある絵が描きたいなと思って描きました。

アナログが苦手でデジタルへ

ー次は花城さんよろしくお願いします。
いつ頃から絵を描くのがお好きだったんですか?

花城:小さい頃から落書き程度には描いてました。

ーデジタルで描き始めたのはいつ頃でしょうか。

花城:専門学校行き始めるちょっと前くらいに。

ーデジタルで描いてみようと思ったきっかけは何ですか?

花城:実はアナログが苦手なんです。絵の具は色を合わせるじゃないですか。黄色と赤で何色が出るとか、そういうのがちょっと自分は苦手で、パソコンだったらこう見たままの色をそのまま使えるのが良いですよね。

あと、アナログだと描き込んでいったら紙がヨレたり、消しゴムで消したらちょっと筆圧が残ったりするのが気になるんですよね。パソコンだとそういう心配が全くないので、アナログにはない手軽さがあって、描き続けてました。

ループアニメーション用のイラスト

ーちなみにいただいたイラストについて、すごい優しい感じの暖かみのあるイラストですが、こだわりのポイントはありますか。

花城:「ループアニメーション」っていう、名前の通りずっとループするアニメーションがあるんですけど、最近結構YouTubeで見かけてたんですよ。それで私も作りたいと思って、このイラストが動画用に描いたものです。
アニメーションは長嶺にお願いして作っている途中なんですけど、雲が窓から動くとか、ちょっとした動きが出るように作れたらいいなと思っています。
ループアニメーションって、リラックスタイムに見られるものが多くて。夜読書しながら流しておきたいとか、くつろいでいる時に流したいとか。アニメーションのバックに流す曲も、ゆっくり落ち着くような曲が多いんです。なのでそんなイメージを自分もして、夜にカフェでちょっとひと休みしてる時に流して欲しいなっていうイメージでイラストを描きました。

イラストから映像の道へ

donutboxの映像作品

ー長嶺さんお願いします。DonutBoxの中では映像担当とのことでしたが、具体的にどういったお仕事をされているんですか?

長嶺:そうですね。DonutBoxとしては、2人が描いてくれたイラストを動かして映像化する、ということをやっています。
個人では、テレビ番組の動画や、 YouTubeチャンネルの動画を主に制作していて、カメラマンさんやディレクターさんが撮ったものを編集して納品するのが基本の仕事です。
ライブやイベントで流すためのオープニング・エンディング映像を作ることも多いです。去年は全編アニメーション作品を作ってほしいという依頼もありました。

学生の頃はイラスト専攻だったというお話でしたが、動画を始めたのは何がきっかけですか?

長嶺:通っていた専門学校が、1週間のうちで2時間だけ好きな授業を取っていいことになっていて。それで興味本位で映像をやってみたいなと思って映像専攻を受けたんですよ。
そこから学校の行事を撮影したり、編集したりするようになって、映像を面白いなと思うようになりました。
イラストは周りが上手すぎて、正直自分に自信がなかったんです。なので映像の面白さに出会ってから、イラストは趣味で、映像を頑張ろうと思ったんですね。映像制作会社さんにインターンに行かせてもらって、勉強してました。

ー動画って時間が掛かって大変そうなイメージですが、実際どうですか?

長嶺:時間はやっぱりそこそこかかります。ただテレビの場合はディレクターさんがいて、指針があるので、ある程度やることが決まっているんですが、DonutBoxのお仕事は、自分たちで作ったイラストをどうやって動かそうか、という考える時間が結構長いので、かなり時間はかけているかと思います。
また、アニメーションで動かす時に、イラストをパーツパーツで分解するんですけど、イラスト担当のお2人に「この髪の毛とこの顔のパーツを分けてもらっていいですか」ということをお願いしたり、自分でできるところだったら自分で塗り足ししたりしているので、そういうところに時間はかかりますね。

ー映像制作をしていて、特にどこに一番やりがいを感じますか?

長嶺:例えば自分の頭の中で考えていた通りに映像を作れた時とか、もしくは「頭の中のイメージはこうだったけど、作ってみるとこっちの方が良いな」というふうに、作りながら発見があった時ですね。
でも、映像の編集って結構地味な作業なので、結局出来上がった時が一番嬉しいです。

3人でしかできないものを作りたい

ー最後皆さんにお聞きしたいんですけど、今後活動していく中で、目標とかやりたいことはありますか。

yosi:3人でしかできない作品を作っていきたいです。具体的にはVtuberさんのmvやイラスト動画など、様々なジャンルの作品を自分たちの作品として世に出していくような活動がしたいです。

花城:私は子ども向けの知育動画が気になっているので、そういったものもやっていけたらと思ってます。

長嶺:私はミュージックビデオを作ってみたいなと思っています。私、実写は仕事でよくやるんですけど、アニメーションは描いてくれる人がいないと出来ないので、なかなか仕事を実現するのが難しいんですが、DonutBoxには絵を描いてくれる人がいるので、yosiが言ったように私たち3人でしかできないMVだったり、さっき花城が言っていた教育系だったり、いろんな作品を作っていきたいなっていう思いがありますね。


さて、DonutBoxのお3方にお話を聞いてまいりましたが、いかがでしたか?
それぞれ違うスキルを持った3人が集まることにより、個人で活動するよりも作品の幅が広がって色んなことに挑戦できそうですよね!お話の中にもあったように、最近はループアニメーション等、イラストを使った短い映像作品が増えているので、映像とイラストの組み合わせができると大きな強みになりますよね…!個人でイラストレーターもしくは映像クリエイターをしている方にはとても興味深いお話だったのではないでしょうか。

今後のDonutBoxとしての活動、また個人での活動も応援しています!インタビューにご協力いただき、ありがとうございました!


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次回もお楽しみに!


インタビュー: 林 真一
記事:橘 爽香

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