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【月刊pic-step11月号】イセ川ヤスタカ先生 インタビュー

こんにちは。月刊pic-step編集部です!
今回は、イラストレーターのイセ川ヤスタカ先生へのインタビューを公開します。先生の作品作りの秘密、イセ川先生の人となりについて色々とお話を伺ってきました。


イセ川ヤスタカ
イラストレーター/キャラクターデザイナー。ライトノベルの挿絵やゲーム、プラモデルのキャラクターデザインなどを生業とする一方で、大学の非常勤講師としても活動している。


イセ川先生はX(Twitter)のフォロワー数22万人超えの人気イラストレーターで、可愛い女の子のイラストを中心に、ロボットや武器などの幅広いイラストを描かれています。イセ川先生の描く女の子は可愛いだけではない、芯のある凛々しいきりっとした目が特徴的です。 アニメ化もされた人気のライトノベルのイラストも担当されています。


学生時代は別のペンネームでした


ー最初に先生のペンネームについて興味を抱いたのですが、お名前の由来や背景には何か特別な出来事があるのでしょうか?
イセ川先生:実は元々別のペンネームだったんです。学生時代アートギャラリーにスカウトされ所属していて、そこが行なっていた、中国で日本人の作品を展示・販売するというグループ展に参加する機会がありました。その際、日本人らしい名前に変更したほうが良いとアドバイスされ、現在の名前になりました。

ーそうだったんですね!ちなみにデジタルイラストはいつころから描かれていましたか?
イセ川先生:美術大学に入ってから独学で学んで描いていました。

ー美術大学ではデッサンなどの基本的な技術を学ばれていたのでしょうか?
イセ川先生:美術大学では、技術を本格的に学ぶというより、自分の好きなことに集中して取り組んでいました。 美術大学の受験に備えて通っていた予備校で、受験絵画の知識を学びました。その経験を現在のイラストに役立てています。

ー美術大学出身のイセ川先生は、講師としての活動もされていますが、そのお仕事を始められたのはいつごろですか?
イセ川先生:フリーランスとしての活動を開始した時期ですね。当時は専門学校で講師をしていました。個々のスキルが異なる生徒たちを一人で指導することは、大変な挑戦でした。現在は幸運にも、多くのイラストの仕事をいただいているため、年に3日だけ講師として活動しています。

先生の指導を受けられた学生さん達の将来の活躍が楽しみですね!それでは、ここからは先生の作品についてお話を伺っていきたいと思います。

イラスト作品1

海のシチュエーションと水着が、とても夏らしい作品ですよね!

ー先生は作品を描く際のテーマなど、どの様に決めているのでしょうか?
イセ川先生:まず、大きな目標を設定することから取り組みます。例えば、X(Twitter)のフォロワーを増やすことを考える場合、現代的な要素を取り入れたり、目を引く水着などの絵を描いたりします。また、服を描くことが難しいと感じていたので、私服の絵を練習も兼ねて多く描くようにしていました。

ーそうなんですね。肌やサングラスの色味も綺麗で目を惹かれました!
イセ川先生:確かにこの作品は肌の色とか、割とうまくできているかもしれないですね。でも実は色味の表現は苦手なんです。

ーそうなんですか?サングラスのレンズの色もリアルですけど。
イセ川先生:サングラスは実際に何本も持っていて見ながら描きました。

ー他にも、イラスト制作の際に実物以外の資料を参考にされていますか?
イセ川先生:ファッション系の物をPinterest(ピンタレスト)で見たり、処理の方法が分からない場合は、自分が好みのスタイルの人々を複数集めて、その雰囲気を取り入れたりもしています。

イラスト作品2

ショート丈のデニムに丈が長めのシャツを合わせているコーディネートがとてもおしゃれですよね。バッグの色味もアクセントになって上手くバランスが取れていて、女の子の魅力がより引き出されています。

ーこちらの作品のテーマはありますか?
イセ川先生:特定のテーマはなく、以前に同じような内容の作品を4つほど描いており、それが書きやすかったという印象があって、シリーズ作品の様に何枚も描いていました。
その頃はフォロワーが急増しており、X(Twitter)のアクティビティが非常に高かったです。この作品は速く描けるにも関わらず、成果が出ていることを実感していましたね。

ーこちらの作品もデニムが描かれていますが、質感を表現するのは難しくないですか?
イセ川先生:デニムはモチーフとして好きでよく描いています。個人的にシンプルな衣装の方がステッチなどのディテールがないため、情報量が限られていて、逆にイラストで表現をすることが難しいように感じます。ブラシを使ってシャカシャカと描くことで比較的スピーディに仕上げることができるため、しっかり映える仕上がりが実現できます。

ーそうなんですね。作品を完成させるのにどれくらいの時間がかかるのでしょうか?
イセ川先生:最初の構図と何を描くかを決めるのに時間がかかり、トータルで約1週間くらいですかね。描き始めるまでの準備に時間がかかるタイプで、実際に描き始めると厚塗りなども行わないので1日~2日ほどで完成します。構図に関しては苦手な部分があり、SNSで人気が出そうなキャラクターや背景を詳細に描く、映えるスタイルのイラストには慣れていないため、今でも試行錯誤を続けています。

ー向上心が素晴らしいですね。実際に先生の作品の中で、特に注目を集めた作品を教えていただけますか?

SNSで注目を集めた作品

イセ川先生:この作品がSNSで数目を集めた最初の作品です。

ーこちらの作品は当時、私もSNSで拝見してました!縦の構図は難しい印象がありますけど先生の作品は縦が多いですよね?
イセ川先生:そうですね。ただ、実は構図に関しては、横方向も縦方向も苦手なんです。じゃあ何が描けるんだって話ですよね(笑)。

ーそれは驚きですね!(笑)
イセ川先生:その辺は最近の若い子が上手いなって思います。実際に、美術大学でイラストの講師をしている際、その場で若い世代の学生たちの才能を直接感じています。自分の時代と比べると、ここまで優れた絵を描ける人はいなかったですね。

確かに、最近の若い世代は幼少期からイラストに触れる機会が増えているからか、全体的に高い技術を持っている学生が多いですよね。

イラスト作品3

ーこちらもデニムの作品で、スカートのデザインが際立っており、おしゃれな印象を与えますが、コーディネートは先生が考えているのでしょうか?

先生:確かそうっだったと思います。この時期には、同じようなデニムを描いた作品をたくさん描いていました。これは有名な先生の書籍でも述べられていますが、同じようなシリーズを展開することで、効果的に反響をいただくことができると書かれています。実際に、それを読む前から自分自身で実践していて、その効果を感じていました。多くの人々が気づいていることかもしれませんけど。

ーシリーズで描くと、どうしても類似した要素が出てきてしまい、難しく感じます。しかし先生は、個々のキャラクター性をしっかりと表現されていて、本当に凄いと感じました!

先生:ありがとうございます。こちらのシリーズ実は、漫画を制作する計画を考えていて、その一環として私服シリーズを描いていました。

ーその漫画はとても興味深いですね。実際に反響を得た後、どのような感想や印象を持たれましたか?
イセ川先生:個人的な印象なので正しいかはわからないですけど、バズることがあると、その時のユーザーは軽い印象を持つことが多いです。

ーそれは、先生の作品を見て、絵柄を真似したいと考える人と、単に「いいね」と感じる人の間に、温度差がある感じですか?
イセ川先生:そうです!どちらのフォロワーさんも、数字で表現すると1人なんですが、長い時間をかけて見てみると、熱心な人々が集まる方が良いの
かなと、最近は様々な人を観察して思うことがあります。

ー実際、先生はどのような方法で熱心なファンの方が増えると考えますか?
イセ川先生:そうですね、でもその軽い感じのフォロワーさんでも、10人いる中には1人くらい熱心な人がいる場合もあるので、大量の作品を投稿して、ファンの絶対数を増やして、コアなファンの絶対数も増やしていく感じですかね。

なるほど、最後に非常に有益なアイデアを聞かせていただきました。参考になる方も多いのではないでしょうか。

最後に


ーファンの方々へメッセージをお願いします。
イセ川先生:去年は忙しくて体調不良もあり、なかなか思うように活動できない時期もありましたが、今年は体調も回復したので積極的に頑張っていきます!これからもよろしくお願いします!

イセ川先生、この度は本当にありがとうございました。
先生の素晴らしいイラスト作品を、今後も楽しみにしております。


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よろしくお願いします。
次回もお楽しみに!


インタビュー:萩谷 勇也
記事:林 真一

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