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【月刊pic-step7月号】あろあ先生 インタビュー

こんにちは。月刊pic-step編集部です!
7月号の第1弾は、イラストレーターのあろあ先生へのインタビューを公開します。ファンの方々から頂いた質問を交え、あろあ先生に色々とお話を伺ってきました。


あろあ
フリーランスのイラストレーター。ライトノベルの挿絵、Vtuberのキャラクターデザイン、またヴィレッジヴァンガードとのコラボでグッズを出すなど、多岐にわたり活躍している。


あろあ先生は可愛い女の子や、季節感を感じるイラスト、キャラクターのデザインが得意で、Twitterのフォロワー数は11万人を超える人気イラストレーターです。あろあ先生の描く女の子は、どこか儚げな表情が魅力的で、目を奪われます。今回はあろあ先生のイラストに対する思いをインタビューで伺ってきました。

父が漫画家のアシスタントだった

ーデジタルイラストを描き始めたのは、いつ頃ですか?
あろあ先生:初めてデジタルイラストを描いたのは、中学3年生の頃でした。父親が漫画家のアシスタントをやっていて、家にパソコンとペンタブがあったんです。デジタルイラストを描く環境が整っていたので、気が付いたら『NARUTO -ナルト』や、『艦隊これくしょん -艦これ-』等の漫画の模写を描いていました。最初は趣味で描いていたんですけど、いろんな人との繋がりが欲しくてSNSに投稿するようになりましたね。

ー他の方がSNSに投稿されているイラストは、ご覧になりますか?
あろあ先生:イラストに限らず写真なども、SNSに投稿を始めた頃からよく見ています。人それぞれ描き方や構図などに特徴があるので、よく観察しています。観察して疑問に思ったことは答えが出るまで分析して、良いと思った要素を自分の作品に落とし込んでいます。技術的な部分は、感性よりも理論的に考えて描くことが多いですね。 

イラスト1:「春よ、来い」

あろあ先生の作品「春よ、来い」

さて、ここから先はあろあ先生の作品にフォーカスを当てていきます。綺麗な桜と吸い込まれそうな瞳の描写が魅力的な「春よ、来い」。女の子の表情が儚げで、まるで映画のワンシーンを切り取ったような世界観に魅了されました。

ーこの作品を描いたきっかけは何ですか?
あろあ先生:実はこの「春よ、来い」は新たな試みとして挑戦した作品なんです。この作品を描く以前は、バストアップの絵を描く事が多かったんですけど、もっと表現の幅を広げたいと思い、普段描かない構図を色々考えて描いた、最初の作品になります。たまたま描いていた時期が春だったので、春をテーマに桜を描いて季節感を表現しました。

ー先生の作品は自然の美しさを感じますが、意識をされていますか?
あろあ先生:自然の美しさの表現は意識して描いています。「君の名は。」で有名な、新海誠さんの作品が好きなんですけど、作中で雨粒など普段の日常ではあまり目を惹かれない自然の描写が、とにかく魅力的に描かれているんですよね。その影響を受けて自分でイラストを描く際にも、自然美は特に意識して描いています。

ー女の子の髪の色も綺麗で気になったのですが、何か影響などがあるんでしょうか?
あろあ先生:それは『艦隊これくしょん -艦これ』の響というキャラクターの影響です。響は白髪でかわいくて、気が付いたら白髪の女の子が好きになっていました。他の作品の中にも白髪の女の子は結構登場していますね。

ー作品の一番のポイントを教えてください!
あろあ先生:実はこの作中で一番目立たせたかったのは、女の子の瞳なんです。理論的に考えて、色々と工夫して描いているんですよね。具体的には作品全体が暖色系の色を使っている中で、瞳はあえて寒色系の色を使ったり、顔の周りに花びらを描くことで、自然と目線が瞳に誘導されるように工夫しています。他には背景の桜を手前ははっきり描き、奥はぼかして描くことで、遠近感を表現しています。

自然の美しさはさる事ながら、女の子の美しさにも見惚れてしまいますよね。こちらの作品は初めての構図など初挑戦の部分もあり、完成までは1週間くらいかかったそうです。

イラスト2:「朝日」

あろあ先生の作品「朝日」

水面に反射した日差しがとてもきれいな「朝日」。振り返った女の子の、光に包まれた優しい表情に惹き込まれます。理論的にイラストを描かれるあろあ先生に、特に意識したことを伺ってみました。

ー光がとても綺麗な作品ですが、特に意識した所を教えてください!
あろあ先生:ぱっと見で目を惹きやすいように、人物が際立つようあえて逆光にしました。明るい部分と暗い部分の対照的なコントラストが、目を惹くように意識しています。髪色も空と同系色にしながらも、色の濃さを変えることで目立つように意識しています。他にも輪郭を浮き立たせるために頭部の輪郭に沿って光を纏わせています。

ー同系色を使った作品ですが、色選びのポイントは何ですか?
あろあ先生:描く前のイメージがしっかりしていたら色は直感的に選べますね。まず作品のテーマをインターネットで検索して、参考資料を見ながらイメージに合う色味を決めています。イメージがしっかり出来ていたので、この作品は2~3日で完成しました。

ーイラストのシチュエーションは、どのように思いつきますか?
あろあ先生:よく映画やアニメを観たり、小説を読んだりするんですけど、その中でいいシチュエーションがあれば参考にしています。他にも、Twitterでは色んな人の実体験の投稿もよく見ています。よくある学校で起こった出来事や、日常の魅力的なシチュエーションがたくさんあるので、作品作りの参考にしています。

逆光に照らされた女の子が神秘的で尊く、惹き込まれます。あろあ先生の理論に裏付けられた作品作りに秘密があったんですね。

イラスト3:「似合ってるかな...?」

あろあ先生の作品「似合ってるかな...?」

表情や髪の毛を触る仕草から、思春期の女の子の不安な気持ちが伝わってくる「似合ってるかな...?」。少し恥じらいのある表情が魅力的です。このシチュエーションを経験した事がある人も多いのではないでしょうか。

ーこちらの作品はSNSでも大きな反響を呼びましたよね!
あろあ先生:そうですね、ありがたいことにTwitterでも過去一番の反響をいただきました。この作品は個人的にもお気に入りだったので、とっても嬉しかったです。特にシチュエーションが気に入っています。登校前に鏡を見ながら、新しい髪型似合ってるかな?変じゃないかな?友達に何て言われるかな?というドキドキ感、思春期特有の周りを気にしてしまう、繊細な感情を表現したくて描きました。

ー表情や仕草から女の子の感情がすごく伝わってきます!構図など工夫したポイントはありますか?
あろあ先生:実はライティングを工夫していて、自然と表情にスポットライトが当たるように、あえて周りを暗くしてコントラストを意識して描いています。他にも後ろにある赤本(※)で受験生を表現していたり、背景に眼鏡を描く事でコンタクトに変えて思い切ってイメージチェンジをしたのかなと、想像を掻き立てるような細かな設定も考えて描きこんでいます。
※赤本:日本の教学社が発行している大学・学部別の大学入試過去問題集、大学入試シリーズの通称。

ー女の子の服装で季節感を表現されていますか?
あろあ先生:そうですね、この作品では半袖を描いて季節感を表現しています。夏の表現方法はたくさんありますよね。海や水着にスイカ割、祭りなどのエモい感じや、肝試しや怪談話などの怖い感じなど、様々な表情があるので、イラストを描いていてもすごく楽しいですね。もちろんどの季節もそれぞれ良さがあって好きなんですけど、夏は自然と描く機会が増えてしまいますね。実際に過ごすのは暑くてじめじめしているので、あまり好きではないですけど(笑)

それは同感です(笑)細かな描写が色々と想像を掻き立てられる作品ですが、個人的に鞄についている御守りは合格祈願なのかなと想像しました。みなさんはどのような想像をされましたか?

さてここから先はあろあ先生の普段使っている機材や、今後の目標を伺っていきます。

ー普段使っている機材は何ですか?
あろあ先生:今年Macbook Airを買いました。これを機にペイントソフトはペイントツールSAI(サイ)が使えなくなってしまったので、CLIP STUDIO PAINT(クリップスタジオペイント)に変えました。塗り心地の違いに最初は違和感を感じましたけど、今はだいぶ慣れてきました。ペンタブはWacom(ワコム)の板タブを使っています。

今後挑戦したい事は?

ー今後やってみたいことや挑戦したいことはありますか?
あろあ先生:将来的に自分でデザインしたキャラクターがアニメ化したら嬉しいですね。後は個展を開いて実際にファンの方々とお会いして交流したいです。他にも表現の幅を広げるため、作曲もしてみたいですね。実はMacBook Airを買ったのはそれが理由なんです。自分で作曲した曲に自分で描いたイラストを使いYouTubeに投稿するのが今年の目標です。

ー最後にファンの方々へメッセージをお願いします!
あろあ先生:いつもイラストを見てくれてありがとうございます。
ファンの皆様のおかげで今の僕があると思っているので、感謝の気持ちを直接お伝え出来ないのが残念です。いつか直接お会いして感謝の気持ちをお伝えできるように、これからも精一杯頑張ります!今後とも応援よろしくお願いします。

以上あろあ先生のインタビューは、いかがだったでしょうか?作品作りのこだわりや影響を受けた作品など、あろあ先生の人となりを知ることができたのではないでしょうか!イラスト以外にも積極的に挑戦する姿勢に感銘を受けました。今後の幅広いご活躍、楽しみにしております。
あろあ先生ありがとうございました。


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次回もお楽しみに!


インタビュー:萩谷 勇也/林 真一
記事:林 真一

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