【月刊pic-step 7月号】くきは先生インタビュー
こんにちは。月刊pic-step編集部です!
7月号の第3弾は、イラストレーターのくきは先生へのインタビューを公開します。ファンの方々から頂いた質問を交え、くきは先生のイラストに対する思いを伺っていきます!
くきは
千葉県在住の女性イラストレーター。イラストを描くだけに留まらず、「くき茶屋」という同人サークル名でコミックマーケット等のリアルイベントにも積極的に参加。
他にもVtuber「藤宮コトハ」のキャラクターデザインを担当するなど、幅広く活躍。
くきは先生は、主に美少女イラストを描いているイラストレーターです。先生の描く女の子は、つぶらな瞳が特徴的で、ツインテールなどの髪型や服装、しぐさ等、細部まで可愛く描かれています。くきは先生は、いつ頃からイラストを描き始めたのでしょうか。
幼少期は少女漫画家を目指していた
ーいつ頃からイラストを描き始めましたか?
くきは先生:イラストは小学校低学年の頃から描いていました。元々少女漫画が好きで、当時流行っていた漫画を放課後、友達と集まって読んだり模写をしたりして、遊びながら描いていました。その影響で幼いころは、少女漫画家を目指していました。
―漫画家志望だったんですね!そこからなぜイラストレーターになられたんですか?
くきは先生:中学生の頃にライトノベルが流行りだして、表紙や挿絵などにイラストが描いてあることに気が付いたんです。そこから漫画家以外にもイラストレーターという絵を描くお仕事があることを知りました。それからは元々話を作るのがあまり得意ではなかったので、漫画家ではなくイラストレーターを目指すようになりましたね。
ーデジタルイラストに触れたのは、いつ頃からですか?
くきは先生:初めて触れたのは中学2年生の頃です。当時はニコニコ動画が凄く流行っていて、その中の「描いてみた」という、デジタルイラストにフォーカスを当てた動画が好きで、よく見ていました。
動画の中ではボーカロイドのイラストがたくさん投稿されていて、実際に自分でも描いてみたいと思うようになり、誕生日にペンタブを親にせがんで、プレゼントしてもらいました。パソコンは元々家にあったので、ペイントソフトを入れて描ける環境を整えました。
描き始めた当初は、デジタルでイラストがこんなにキレイに描けるのかと、感動したのを今でもよく覚えています。
デジタルに慣れてきたころには、pixivにも投稿をするようになりましたね。最初の頃はオリジナルイラストではなく、ボーカロイドの初音ミクちゃん等を描いていました。
くきは先生が描いた初音ミクちゃんを最近SNSで拝見しましたが、髪型などが個性的で、とてもかわいかったです!ここから先は先生のオリジナル作品への想いやこだわり、先生の人となりについてもお話を伺っていきます。
イラスト1:「抱きしめられ待ち」
最初の作品はこちらの「抱きしめられ待ち」。タイトルからも想像できる通り、女の子が両手を広げ、抱きしめてと言わんばかりに待ち構えているシチュエーションですが、イラストの中の世界が実際に目の前で起きている光景かのように錯覚してしまい、思わずドキッとしてしまいました。
ーこのシチュエーションはどのように思いつきましたか?
くきは先生:この作品はひらめいた感じで、ぱっと頭に思いついた内容を直感的に描きました。タイトルはいつもシチュエーションを先に決めてから考えていて、「抱きしめられ待ち」は女の子の言葉にはできない気持ちを、上手く表現できたかなと思います。
この作品は少し前の作品なんですが、ありがたい事にSNSでもすごく反響が良くて、この絵をきっかけにたくさんの人に認知されたこともあり、とても思い入れのある作品です。
ーイラストを描くときに意識していることは何ですか?
くきは先生:特に意識していることは、ただ人物が立っているだけの立ち絵にならない様に気を付けています。それと、現実にはありそうでありえないような、物語のワンシーンを切り取ったようなシチュエーションを、必ず描くように心がけています。見てくれた人が主人公になって、作品の世界に没入してシチュエーションを追体験して楽しんでもらえたら嬉しいです。
ーこの作品は少し前の作品とのことですが、今と描き方などに違いはありますか?
くきは先生:最近の作品は以前の作品と比べると背景が写実的で、よりリアルに描くようになりましたね。以前はパース(※)などの専門的な技法があまりよく分からなくて、写真を参考に描いていました。今でも写真は見ますけど、専門的な技法に対しての理解度が深まっているので、人物よりも背景に力をいれて描いたりします。
※パース:建物などの背景を近くにあるものは大きく、遠くにあるものは小さく描き、遠近感を表現するための絵画の技法。
私が実体験の様に感じて作品のシチュエーションに魅了されてしまったのは、くきは先生の狙い通りだったわけです。多くの方々が同じように魅了され、先生のファンになられたのですね。
イラスト2:「妹から自撮りメッセージが届いた」
こちらの作品も背景が細かく描きこまれていることで、より現実的な世界観が表現されています。私には妹はいませんが、自然と主人公目線になってお兄ちゃんになったような気分になり、なんだか照れてしまいます。クッキーもとてもおいしそうで、細かいところまでリアルですよね。
ーこちらの作品のこだわりポイントを教えてください!
くきは先生:この女の子は2016年頃に誕生した妹キャラで、私の作品によく登場するキャラクターの1人なんです。最近描いてなかったので久々に描きました。こだわって描いたのは髪型で、ファンの方々からも特に人気の高い、ツインテールにしたところがポイントです。他にも背景にこだわっていて、フライパンに焦げ目をつけたり、タイル張りにしたりと細かく描きこんでいます。シチュエーションは実際にバレンタインが近かったので、妹がお兄ちゃんにお菓子を手作りして、お菓子と一緒に自撮りをした瞬間を描いてみました。作品を見てくれた人がお兄ちゃん視点になって、メッセージを受け取った時を想像して、楽しんでいただけたら嬉しいです。
ーこちらの妹キャラのように、オリジナルのキャラクターやイラストを描き始めたきっかけはありましたか?
くきは先生:少女漫画やライトノベルがきっかけですね。初めて読んだライトノベルが『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』というタイトルの作品なんですけど、妹キャラを作ったのはその作品の影響もあるかもしれません。最初は模写から初めて徐々に独自のキャラクターを作るようになりましたね。
可愛い笑顔にツインテール、こちらの妹キャラの女の子が人気なのも納得ですね。エプロンに描かれているひよこも可愛いです。
手作りのクッキーがとてもおいしそうですがちなみに、くきは先生は作業の合間に成城石井のアメをよく食べるそうです。特にイチゴとレモンの味が好きらしいですよ。
イラスト3:「幼馴染の横顔に見とれていたら先生に怒られた」
授業中、勉強に集中している女の子を描いた作品ですが、女の子の表情が日差しに照らされ、コントラストが明るくなっていることで、より女の子の魅力が引き出されています。
ーキャラクターを際立たせるコツはありますか?
くきは先生:この作品に関しては、モブと呼ばれる技法で背景の人物もしっかりと描きこむことで、メインのキャラクターをより際立たせています。他にも背景をぼかさずにしっかり描く事で、授業中のリアルな様子が絵を見た人に伝わりやすくなる効果もあります。
ー可愛らしい緑のブレザーが気になったのですが、イラストを描く時に季節感も意識されていますか?
くきは先生:基本的には、イラストを描いているときの時期に合わせて季節を設定しています。この作品は12月に描いたので、冬服のブレザーの中にセーターを着せて、季節感を表現しています。制服自体もオリジナルでデザインしました。
ーデザインをする時になにか参考にされているものはありますか?
くきは先生:アニメーターの方が出された本や、デザインの本を観て勉強しています。私コミケに出展しているんですけど、グッズ等のお品書を作る時に自分で表紙をデザインしているので、イラストの配置などを考える時にも参考にしています。
日頃から熱心にデザインの勉強をされているくきは先生。イラストの女の子はいったい何の教科を勉強しているか気になりますね。
タイトルにもありますが、女の子の透明感のある美しさに僕自身も見とれてしまいました。
イラスト4:「自分の席にギター少女が座っていた件」
学校の休み時間のワンシーンでしょうか。可愛い女の子とカッコいいギターのギャップが魅力的ですよね。髪を結びながらピックをくわえ、ギターが落ちないよう足で止めているしぐさが、元気でおてんばな性格を印象付けています。
ーギターがすごくリアルでかっこいいですが、描くのは大変でしたか?
くきは先生:ギターを描いている時はすごく難しくて、途中で何を描いているのか分からなくなってしまうほど大変でした。でも完成した時はすごく達成感を感じました。この作品のシチュエーションは休み時間などに、自分の席に全然知らない女の子が座っていたらどうなんだろうと、頭の中に思いついた想像を描きました。普通に座っていても味気ないので、特徴を出すためにギターを持たせてみました。
―小物や背景などもリアルに描きこまれていますが、色の塗り方にもこだわりはありますか?
くきは先生:塗り方に関しては憧れのイラストレーターさんから影響を受けています。特定の誰かではなく複数人いるんですけど、好きな作品を色々と見ていいなと思ったところを参考にして、何度も塗っていくうちに自分の塗り方が出来上がっていきました。
ー休み時間を描かれた作品ですが、くきは先生ご自身はどのように休日を過ごされますか?
くきは先生:休みの日はなるべく出掛けるようにしています。映画を観に行ったり、おいしいものを食べに行ったりと、アクティブに過ごしています。あとは本屋さんに行って、タイトルや、あらすじが気になった小説や漫画を買うことも多いです。
くきは先生ご自身が実際に色々な体験をすることで、よりリアルで説得力のあるシチュエーションや作品が描けるのでしょうね。今後の先生の作品がますます楽しみです。
「最後に」
ーファンの方々へメッセージをお願いします。
くきは先生:いつも応援ありがとうございます。Twitterでコメントをいただけると、とても嬉しいです。これからもお返事を返していきますので、お気軽にコメントを下さい。心よりお待ちしております。イベントなどにも積極的に参加していきますので、今後も変わらず応援していただけると嬉しいです。
以上くきは先生のインタビューは、いかがでしたか?今回のインタビューでは先生の人となりを知る、貴重な機会になったのではないでしょうか。最後に普段の先生の日常をこっそり教えちゃいますね。先生はイラストを描かれるときに音楽を聴きながら、よく歌を口ずさんでいるそうです。歌うことで、より作業に集中できるのだとか。アニソンやJ-POP、ボーカロイド等、幅広く聞いているそうです。
新作も楽しみですが、くきは先生が描かれた漫画もいつか見てみたいです。
今後より一層ご活躍されることを、心から願っています。
くきは先生この度は本当に、ありがとうございました。
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よろしくお願いします。
次回もお楽しみに!
インタビュー:萩谷 勇也
記事:林 真一
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