【月刊pic-step8月号】〈後編〉古弥月先生 インタビュー
こんにちは!月刊pic-step編集部です。
今回は、フリーイラストレーター古弥月(こみづき)先生へのインタビュー、後編です!
▲まだ前編を見てない!という方はこちらからどうぞ。
古弥月(komizuki)
ゲームイラスト会社でのイラストレーターを経て、2020年よりフリーランスに。書籍の表紙・挿絵、キャラクターデザイン、ゲームイラスト、イベント用イラストやグッズ等幅広く制作している。
絵の勉強のために外出して勉強する
―前編で先生のイラストについて解説いただきましたが、先生が絵を描かれる時、どういうところからインプットされてますか。例えば映画や雑誌とか、色々あると思うんですけど。
古弥月先生:私のインプットの中心は、基本的に他のイラストレーターさんの絵が多いですね。他には映像作品やアニメとか、普段出かけた先の町の風景だとか…また、SNSでイラストを見ることと、出かけた時に風景の写真を撮ることは、日頃から習慣にしています。
そうやって日常的にイラスト用の資料ストックを作りつつ、さらに「今自分にはこの要素が必要だ」と思ったら、そこを重点に思いきりリサーチしてインプットする期間を作っています。
勉強しなきゃいけないと思ったものはネットで調べ、それに関連する町や施設などに直接向かっていますね。
―日頃の生活の中でもイラストのことを常に考えていらっしゃるんですね。例えばご友人と遊びに行った時でも、常にイラストのことを考えて風景を見ているんですか?
古弥月先生:私の場合そもそも外出する時は、絵の勉強のために出かけることが多くて、逆に遊びがそのついでのような感覚です。
そういうクリエイティブなことが好きで、私の行動原理の軸になってますね。
自分の中で絵のための資料が足りないなって、自分の中の引き出しが今少ないなって思う時があって、そう思った時にどこか適当に景色のいい公園だとか庭園だとか、施設だとかに出掛けるんですよ。で普段はひきこもってます(笑)。
絵を描くにあたって、自分のクリエイターとして、足りないなって思う時に行きます。一回出かけてたくさん写真にとって、引き出しが増えたら満足してひきこもるというのが、割とルーティンになっていますね。
イラスト以外の趣味がないことが強みでもあり弱点
―ここまでお話を伺って、古弥月先生は本当にストイックな方だなと思いました。仕事に対するコミット力が素晴らしいですよね。
古弥月先生:自分でも、ストイックだとは思います(笑)。でもそれで悪いところもあって。例えば同じイラストレーターさんでも、絵以外のことでももっと色んな趣味があって、それに対する知識を持っている人は、その知識や蓄積も絵の中に反映できるんですけど、私の場合は「自分のイラストにとって必要」だと判断できないと、興味が持てなくて。もともと自分が持ってる興味の幅が狭いんです。正直、クリエイティブなこと以外にあまり興味が沸かないんです。
なので、「広く浅くいろんなゲームをやります」という人だとか、「舞台やライブ、お笑いなどエンターテインメントなコンテンツが好きです」という人の方が、それをイラストにもそのまま生かせられるので、私より強いと思ってます。
―それはそれでもちろん素晴らしいことなんですけど、色んなところにフォーカスするよりも、「これが必要」と1点集中した方が、より密度の高いイラストを描けるのかなって思いましたけどね。
古弥月先生:自分に足りない知識や蓄積を、インプットや勉強でどんどん追加していって、イラストレーターとして強くなっていけたらいいなというつもりで活動してます。
最後に
―古弥月先生は「絵師100人展(※)」に出展しサイン会を行われたとお伺いしておりますが、
とファンの方からの質問が来ています。ご回答いただけますか?
古弥月先生:絵師100人展では、サイン会で直接ファンの方の声をいただけたことがとても印象に残っています。
これはイラストレーターさんであれば誰でも経験があると思うのですが、SNS上では趣味で描いた絵の方がいいねがつきやすいんですよ。
でも実際にサイン会に来ていただいて、お話していただいた方は、仕事の絵に対しても良かったって言ってもらえることが多くて。
なので、SNS上でもちゃんと仕事の絵を見てもらえているんだなということが分かって。自分が絵を描いたことで、どんな効果があったのかがわからなかったので、直接ファンの方にお会いして生の声を聞くことで、自分の絵をちゃんと見ていただけてるんだっていうのを最近知ることができて、本当にありがたいと思いました。
いつも私の絵を見ていただいている方に対して、感謝の気持ちでいっぱいです。
ーありがとうございます。よろしければ、今後の目標を聞かせてください。
古弥月先生:私自身、イラストレーターとしての価値を高めることを目標にしています。私の個人としてのコンテンツ力をもっと向上していき、イラストレーション界隈全体の市場価値を高められたらいいなと思っています。
今後は個展をしたり、漫画の画集を販売したりして、私自身をコンテンツとしたお仕事をできるような、そんな存在になりたくてこれから頑張りたいと思ってます。
そのためにもっとたくさんの方に作品を見ていただけるように、絵を好きになってもらえるように頑張りたいです。
ーロングインタビュー、本当にお疲れ様でした。貴重なお話ありがとうございました。
イラストの勉強のために外出して色んなものを観察し自分の引き出しを増やしていく、そんな姿勢が本当にプロフェッショナルで、圧倒されました。
インターネットで資料を探すのももちろん良いですが、やはり現場に足を運んで自分で実際に見た景色の空気感や色の感じ方、物の質感などは、写真や画像を見るだけよりは明らかに違う収穫がありますよね。
イラストの表現技法だけでなく、インプットの仕方や心持ちから勉強になるインタビューでした。皆さまはどう感じましたか?
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よろしくお願いします。
次回もお楽しみに!
インタビュー: 大森 康政/萩谷 勇也
記事:橘 爽香
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