【月刊pic-step9月号】Sakura先生インタビュー
こんにちは!月刊pic-step編集部です。
今回は、月刊pic-stepでは2回目のインタビューとなるSakura先生にお話をお伺いしました。
Sakura
Twitterフォロワー数10万人超の人気イラストレーター。季節感や透明感など、雰囲気のある女の子のイラストが特徴。これまでグッズイラストや、Vtuberの動画サムネイルイラスト、CDジャケットなど幅広く活躍。
今回Sakura先生には、2023年8月に開催された展示イベント「夏色ハーモニー2023」の出展者として、感想やイベント参加に至った経緯などをお話いただきます。
アートプロデューサーの色(しき)さんが主催する「夏色ハーモニー2023」とは、夏をテーマにした展示イベントで、2023年8月10日から15日までギャラリー自由が丘で開催されました。
イラスト1:清夏
ーイベントお疲れさまでした。まず、今回の「夏色ハーモニー2023」への
、参加に至るまでの経緯を教えていただけますか。
Sakura先生:アートプロデューサーの色さんが私のInstagramを見て、私の作品に興味を持ってくださったそうで、展示してみませんかとお声がけいただいたんですが…すごいびっくりしました。
それまでは展示など全くしたことがなかったので、すごいドキドキして…1点1点、この作品が飾られるんだなと思いながら描いてると、すごい緊張しました。
ー展示用にも描かれた作品があるんですね。
Sakura先生:今回ほぼ展示用に描き下ろした作品ですね。
ーそうなんですね!今回の展示作品を作る上で、Sakura先生ご自身で全体像を考えて作られたんでしょうか。それとも、色さんから何かこういう風に作ってくださいという指定のテーマがあったんでしょうか。
Sakura先生:イベントのテーマが「夏」だということ以外は、指定等は全くなかったです。自由に作っていただいて構わないですと言っていただいたので、好きにさせていただきました。
―この絵は、主人公が金魚で、金魚鉢の中から外を見ているようなイラスト
なんですか?
Sakura先生:なるほど…その解釈もありましたね。自分では、夏の涼しさを表現しつつ、ファンタジーなものに挑戦してみようと思って描いたものです。ここに金魚がいたら面白そうだな、という感じで、現実世界ではあり得ないような表現を出したくて。でも、今金魚鉢の中から見た景色と聞いて、「そういう見方もあったんだ!」と気づかされました。
―展示作品は1枚1枚コンセプトを考えるのか、それともトータルで、一緒に展示した時にこんな風になればいいなっていうイメージで作るんですか?
Sakura先生:今回は1枚1枚に世界観を作り込みました。
ー背景に田んぼが広がっていますが、先生ご自身、こういった田園風景とは馴染みがありますか?
Sakura先生:住んでいる地域が田舎の方なので、田んぼを見る機会が多くて、描いてみたいなと思っていました。稲が風でなびいてる様子や、田んぼの音をいつも感じていて、それがとても好きだったので描きました。
ーイラストの、このタイプの金魚って変わった形ですよね。飼っていたんですか?
Sakura先生:飼っているわけではなくて、金魚が描きたくて調べたんですけど、調べた時にこの形の金魚が出てきて、すごい魅力的だったのでこの種類にしました。尾びれの広がり具合がすごく綺麗だなって。
イラスト2:夏風
―こちらひまわりが特徴的な作品ですけど、どういったイメージで描かれましたか。
Sakura先生:青い空と、ダイナミックな入道雲、そこにひまわりを置いて青と黄色の対比を表現した作品です。とにかく自分のやりたいことをとにかく詰め込んだ作品ですね。
ーこの作品も少しファンタジー要素がありますよね。ひまわりが別次元から現れているようなイメージですか?
Sakura先生:髪の中からフワッと、紙ふぶきみたいな感じで出てきているようなイメージで、面白い感じにしてみました。
ーなるほど!面白いですね。ちょっと波を打っているようにも見えます。
Sakura先生:そうですね。夏の波の揺らめきのような表現を入れたくて。
ー普段はデジタルメインで描かれていらっしゃると思うんですけど、印刷して展示するようなことはあまりなかったですか?
Sakura先生:ジクレープリント(※)にして販売しないかっていうのが別の企画であったんですけど、それ以来です。
※ジクレープリント:フランス語で「吹き付けて色を付ける」という意味の「ジクレー」が語源で、高性能インクジェットプリンタと専用のインクを使ってプリントする最先端の版画技法。高精細、広色域、耐光保存性を誇り、非常に高い再現性が特徴のプリントテクノロジー。
イラスト3:夏の音
―こちらは、夏祭りの風景でしょうか?
Sakura先生:全国各地で「風鈴祭り」っていうのが開催されているということを聞いて、調べて資料を集めて、風鈴の配置などを参考にして描きました。一つひとつこだわって描き込みました。
ーこれだけ描き込むと、どれぐらいかかるものですか?
Sakura先生:結構時間かかりました。修正等含めて1週間は超えたかなと思います。
ー物凄くこだわってらっしゃるのが見て伝わります。ちなみにいつも描かれる時、キャラクターは毎回違う人をイメージされているんですか。
Sakura先生:そうですね。その時の気分です。そこまで深い設定はないんですけど、どちらかと言ったらキャラクターの感情に目を向けてもらえるように、キャラクター自身にはあまり個性を出してないです。
ーイラストレーターの方は自分のキャラクターを「うちの子」と表現されるかと思うんですけど、そういったキャラクターは先生は作られていないということですか。
Sakura先生:そうなんですよね。いなくて。
イラスト4・5:アジサイで表現したイラスト
Sakura先生:この作品のコンセプトなんですけど、アジサイの花言葉が「移ろい」なので、学生の時期の、気持ちの移り変わりやすい不安定な感じを表現したくて、2つのアジサイを抱えて、悩みとか不安を表現したかったんですよ。
よく見ると、透かしでいろんな描き込みが入っていたり、パッと見ただけではわからないくらいの細かい表現をしたりして、一番描き込んだ作品だと思います。
ーこちらもアジサイがメインのイラストなんですね。
Sakura先生:このイラストでは、花手水(はなちょうず)を表現しました。
花手水とは、京都の神社やお寺などでよく見かけるんですけど、手水舎の手水鉢に色んな色のお花を浮かべたものです。
浮かべるお花をアジサイにしたのも、先ほど紹介いただいた「移ろい」という作品と同じく、学生の時期の不安定さを表現したかったというのが理由です。
このイラストに関しては女の子が3本、ひまわりを抱えているんですけど、ひまわり3本には愛情を意味する花言葉があるんですよ。それをさらに1本だけ裏返して沈んでいるところも、まだ未熟ならではの愛情とか、受け止められないような不安定な心情を表現したくて、このように描かせていただきました。
ー花言葉の意味とも合わせながら、複雑な心情を表現されているんですね。最初にもう、「こういうのを表現したい」ってコンセプトを決めて描かれているんですか。
Sakura先生:そうですね、ざっくりですけど。
ーキャラクターの心情をお花などで表現しようと思ったきっかけとか、影響を受けたものとかってありますか。
Sakura先生:お花を描かれる作家さんが凄い好きで、SNSでよく拝見させていただいてるんですけども、その辺から影響を受けたのかなって思いますね。特に特定の誰かを意識しているというよりは、もう本当に自由気ままにやってたらこんな風になったって感じです。
ー淡い背景も素敵ですね。
Sakura先生:鮮やかにし過ぎちゃうと、描きたいイラストの雰囲気とずれてくるかなと思ったので、淡い感じにしました。
ファンの方からの質問
ー今回も色々な質問にお答えいただき、ありがとうございます。ここからは、ファンの方からいただいた質問にお答えいただければと思います。
Sakura先生:本当にたくさんいて決めきれないんですが、台湾出身のHiten先生、漫画家もされてるTiv先生、和遥キナ先生もすごく好きです。あとフライ先生。数えきれないほどいるんですけど、特に好きな人たちです。
Sakura先生:今後はより精進し、ブラッシュアップしていい作品をお届けできたらと思います。近いうちに、個人で作品集を作るとか、何かしらの同人活動をできれば良いかなと思っております。
あとは、ありがたいことに、ご依頼を頂く機会が多くなり、個人の方だけでなく、この前は出版社の方から本の表紙をご依頼いただいて、少しずつご依頼の規模が大きくなっているので、その分より一層クライアントの意図を汲み取ることや、クオリティ面に力を入れて頑張っていきます。
Sakura先生:ありがとうございます。まさにそういった表現をしたいと思って描き続けてきたので、本当に嬉しいです。こういった機会がありましたらまたぜひいらしてください。
ーありがとうございました。最後の締めくくりに、ファンの方にメッセージをお願いします。
Sakura先生:いつも見ていただいて本当にありがとうございます。
最近、UPした作品にすごく温かいコメントをいただいて、本当に励みになっています。今後も作品のクオリティを上げて精進して頑張っていきますので、応援よろしくお願いいたします。
さて、Sakura先生への2回目のインタビューでしたが、いかがでしたでしょうか。
デジタル画面でイラストを見るのもいいですけど、やはりきちんと額縁に入って、空間ごと楽しめるような展示で見るのも刺激的ですよね。Sakura先生の、美しくも儚い、繊細なイラストがより引き立つ、素敵な空間だったと思います。
今後同人活動もできたら、とのことでしたが、その時はまたぜひインタビューさせてください!(笑)
Sakura先生、ありがとうございました!
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よろしくお願いします。
次回もお楽しみに!
インタビュー: 林 真一
記事:橘 爽香
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