ローカルにAIを|「チラデジ」リリースに寄せて
ローカルSNS「ピアッザ」を展開している、PIAZZA代表の矢野です。
本日は、リアルなチラシを生成AIを活用してデジタル構造化する新たなサービス「チラデジ(β)」を、大阪市北区様のご協力の基、リリースいたしました。
チラシの画像やPDFデータを取り込むと、生成AIを活用してチラシの中の[タイトル]、[日時]、[場所]、[問い合わせ]、[イベント概要]、[イベントの種別]などを自動でデジタル構造化して、アウトプットするシステムです。
まさにチラシをデジタルにするので、「チラデジ」です。
本日この取り組みを、大阪市北区様と共同でβ版をリリースいたしました。サービスサイトはこちらになります。
なんとここには大阪北区の直近のイベントだけで120以上あります。こんなに地域のイベントが掲載されているもの他になく、圧倒的ハイパーローカルなイベント情報のデータベースとなっています。
北区様からも本件に報道リリースも出して頂きました。
これからがスタートのサービスですが、なぜこの開発をしたのか、開発プロセスや苦労、今後の展望について折角なので記させて頂きました。
課題背景
皆さん、区役所や市役所に行かれたら、無数に積まれたチラシを見たことありませんか? 正直、どう手をつけていいかわかりません。
ただよく手に取ってみると、自分の近場のイベントや暮らしに役立つ情報が少なくないんです。
様々な自治体さんとヒアリングしていくと、ここに置いてあるチラシは自治体が主催しているものあるのですが、それ以外にも後援している町内会や他地域団体のチラシもあり、実は管理しきれない実態がわかってきました。そしてその割合も過半を超えている様🤯。当然、これらの他団体がやっているものの殆どはWeb上に載っていないです(区民館でのイベントや、町内会のお餅つきなど)
一方で、ローカルSNS「ピアッザ」のご利用者さんの声を聞くと、コロナ明けで折角外出できるので、イベント情報のニーズが高いことは認識しておりました。週末皆さんどこ行こうかリサーチしていると。そしてストレスになっていると。
私たちはこのニーズに絞って、紙で埋もれているイベント情報をデジタル化してオープン化すれば、地域でのイベントに出向く機会が増え、そこで地域のつながりが生まれていく。それはまさに私たちの会社のミッションである「人々が支える街を創る」を実現する、地域コミュニティに活性につながることから、本PJを思想背景です。
開発背景
実はこのサービスは、今年春頃に社内の有志でChatGPTの可能性について飲みながら話していた時に出たアイディアでした。
まだ未知なので、社内リソースをかけることができず、有志メンバーで週末などに集まってプロトタイプイングしていったんです。
プロトで始めてみた時の「WOW」感は今でも忘れません。可能性を感じ、それで徐々に会社の正式なPJとして始動していったのでした。
ただチラシって実際触れてみると、奥が深いんです。
当然フォーマットはバラバラ。タイトルを認識をするだけでも大変。
日付の表示のバラバラで、第2水曜日開催とか、一つにイベントに複数イベントが跨っていたりします。裏表あったり、さらには手書きも。。。Oh my….😱
実際ここに関しては、スーパーエンジニアが度重なるTrial & Errorを繰り返してプロンプトを回しまくって、日に日に制度が高まっていきました。
この技術はとても価値あるもので、特許申請もしました。
どこまでいっても100%になることはなりません。ただ100%を求めるべきでなく、それなりの精度があれば、実際のチラシを見るよりも遥かには効率よく情報を得ることができます。
実際のこの作業を手作業でやるより、9割の時間短縮になります。
それ以上にデジタル構造化する事自体に価値があり、さまざまなソート(今週末のイベントをフィルターできる等)や、自動でカテゴライズされるようにしたので、より属性に合わせた配信していくことも今後可能です。
また、このようなチラシをどう集めるかも課題です。自治体様のご協力(大阪市北区様、感謝です)や、ピアッザらしく、地域住民を巻き込んで現地での独自に回収により、他にはないユニークなデータベースを構築する事ができました。
まさにこのプロダクトは、テクノロジー / 自治体 / 地域コミュニティがかけ合わさった産物となりました。
今後の展望
これはあくまで私たちのスタートであり、ロードマップとしてまだまだ先をみています。そのいくつかとして↓
① ピアッザユーザーへの解放
ここで培った技術の精度を高めながら、近い将来にはピアッザの利用者さんの投稿機能にも実装して、地域での情報交換の摩擦を下げていきます。
② 紙以上の価値を
紙の情報をデジタル化することで、一限管理や露出の拡大はできます。ただ、もっと可能性あります。
例えば、多言語化対応することによりインバウンド対応。音声読み上げできるようにすることにより、よりユニバーサルな情報に昇華できるんです。
③ イベントDBのオープン化
ここで集めた情報は誰でも見れるようにWeb上に載せております。今後はAPIでこの情報を他サービス事業者も取得できるようにして、素晴らしい地域の取り組みの露出の最大化を目指していきます。
最後に:ローカルにAIを
ローカルは、まだまだアナログな事が多いです(決してそれを否定している訳ではございません)
ただ、生成AIを含め様々なテクノロジーを活用することで価値を最大化できるので、これからもこのような取り組みを推進していききます。
社内ではAIを活用した実装アイディアがいくつも上がっており、今後順々にチャレンジをしていきます!
今回は弊社の取り組みの紹介ですが、まだまだ勉強中です。もしだれかの何かのインプットになれば幸いです。
チラデジ導入してみませんか?
チラデジを自分たちの自治体や商業施設などでもやってみたい!こんなコラボできないか?などあれば、気軽にご連絡頂ければ幸いです。
矢野メール:kohei.yano@piazza-life.com
最後ですが、今回一緒に新たなステップを快く踏んでくださった大阪市北区の皆様、PIAZZAメンバーの皆さんに感謝です。これからも宜しくお願いします!