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損益分岐点を知ってる社長、知らない社長
「ウチの会社は、あといくら売上を上げれば利益が出るのか?」
この質問に即答できますか?
もし即答できなければ・・・。
企業の経営において 「損益分岐点」を知っているかどうかは会社の存続に直結します!まぁとても大袈裟ですが・・・。
大袈裟だけどなぜそこまで言うのか?
それは「損益分岐点を経営に活かせる社長」の方が「そうでない社長」よりも 会社の業績が良い という傾向があるからです!
今回は、
損益分岐点とは何か?
なぜ会社経営に不可欠なのか?
について説明をしていきたいと思います。
損益分岐点って何!?
損益分岐点とは、「会社の売上と経費がちょうどトントンになる売上高」のことです。つまり、 「これ以上売れば黒字、これ以下だと赤字」 というラインを示す数字です。
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簡単に説明すると↑この図みたいな感じです。
売上(左)は損益分岐点に達していないので差額(損益分岐点ー売上)が赤字
売上(右)は損益分岐点を超えているので差額(売上ー損益分岐点)が利益
会社にとって“損益分岐点”は違います。
まずは自分の会社の“損益分岐点”を計算してみましょう!
損益分岐点の計算方法
損益分岐点を計算する為に必要な数字は以下の通り。
売上高
変動費:売上に比例して発生する費用(仕入、原材料、外注費など)
固定費:売上に関係なく発生する費用(人件費、地代家賃など)
計算式はシンプルで、以下のようになります。
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計算の仕組みが分かりやすい様に↑の計算式にしていますが、分母の計算式で“限界利益率”が算出されます。
なので言い換えれば【損益分岐点=固定費÷限界利益率】となります!
※文章だと分かりにくいので、そのうち【損益分岐点の計算方法】の動画をメンバーシップ限定で挙げます!
損益分岐点を知っている社長 vs 知らない社長
1.損益分岐点を知っている社長
✅売上目標を明確にできる
「今月は1,300万円の売上を目指そう」と具体的な目標設定ができる。
✅価格戦略が立てやすい
「変動費が上がったから、少し値上げしよう」など、適切な価格調整ができる。
✅経費管理が上手くなる
「固定費が増えすぎたから、コスト削減策を考えよう」と冷静な経営判断ができる。
✅銀行や投資家への説明がスムーズ
「損益分岐点を超えており、黒字化できています」と論理的に説明できるため、融資や資金調達が有利になる。
2.損益分岐点を知らない社長
❌「とにかく売上を増やせ!」と曖昧な指示しか出せない
売上目標があいまいで、どれだけ頑張れば利益が出るのか分からない。
❌利益が出ない理由が分からない
「売上は増えたのに、なぜ利益が出ないんだ?」と頭を抱える。
❌価格戦略を誤る
「とりあえず安売りしよう!」と値下げしてしまい、利益を圧迫する。
❌固定費や変動費の管理がずさん
気づいたらコストが膨らみ、損益分岐点がどんどん上がってしまう。
❌資金繰りが悪化しやすい
「なぜか毎月資金が足りない」と悩むが、具体的な対策が打てない。
サイゼリヤで見る「損益分岐点分析」
損益分岐点は中小企業だけでなく、大手企業も経営の基盤としている重要な指標です。
例えば、サイゼリヤ。
同社は家計に優しい低価格戦略と美味しい料理で成長を続けてきましたが、現在は食材価格や人件費の上昇に悩んでいます。
変動費である食材価格や人件費が上昇しているので損益分岐点が上がっているんです。同社はどんな状況下でも値上げをしない、低価格戦略に拘りを持っており利益率が悪化しています。
日経新聞によると、サイゼリヤの国内事業の損益分岐点売上高比率は 96% まで上がっており、業界平均の90%より高い水準です。これは 売上のほぼすべてがコストに消え、利益が出にくい状態 を意味します。
※損益分岐点比率=損益分岐点÷売上高×100。損益分岐点比率が90%以上になると黄色信号です。
この状況を打開するためには、
✅固定費を削減する(人件費、設備投資を見直す)
✅価格戦略を調整する(値上げを検討する)
✅変動費の管理を徹底する(食材の仕入れコストを下げる)
といった対策が必要になります。
サイゼリヤの事例は、損益分岐点を意識しなければ、たとえ売上が伸びても利益が出ないことを示しています。
あなたの会社の損益分岐点を知ろう!
「大手企業の話だから関係ない」と思った社長は危険です。
サイゼリヤと同じように、
✅売上が増えても、損益分岐点が高すぎると利益が出ない
✅コストの増加に対応しなければ、黒字化できない
✅適切な価格戦略を立てないと、業績が悪化する
という事態が、中小企業でも普通に起こります。
自社の損益分岐点を把握し、それを超える戦略を立てられる社長は、会社を安定した黒字経営に導ける のです。
まとめ
✅損益分岐点とは、売上と経費がトントンになる売上高のこと
✅損益分岐点を知っている社長の方が、業績を向上させやすい
✅大手企業も損益分岐点を意識して経営を行っている(例:サイゼリヤ)
✅自社の損益分岐点を計算し、利益が出る戦略を立てることが重要
あなたの会社の損益分岐点、今すぐ計算してみませんか?