
アドバイスレッスン 基礎編
ピティナ・ピアノコンペティションで全国大会進出を目指すには、本選の審査員7人全員をうならせるほどの演奏をするために、さまざまなアプローチで曲を仕上げることが大切です。
そのために出来ることの1つとして、今回はアドバイスレッスン「基礎編」についてお話します。アドバイスレッスンを何倍も価値あるものにする具体的な方法は「活用編」でお話します。
娘がアドバイスレッスンを数えきれないほど受けてきた経験から学んだことをお伝えします。
アドバイスレッスンとは
※ご存じの方は、この章は読み飛ばしてください。
私はピアノの知識がゼロだったので、はじめ「アドバイスレッスン」と言われて始めは何のことだか意味がさっぱり分かりませんでした💦
アドバイスレッスンとは、習っているピアノの先生ではなく、外部の先生にレッスンをしていただくこと。外部の先生と一言で言っても、どんなお立場の先生なのかはさまざま。
国内の音楽大学や音楽高校で教えておられる先生
海外の音楽大学から派遣されている先生(ショパン国際ピアノコンクールin ASIAを受けるときは、コンクール主催社がポーランドから来られている教授のレッスンを案内してくれます。先着順、有料)
個人でピアノ教室を主宰されており、生徒さんが多数実績を出しておられる先生
普段はピアニストとして活動しておられ、単発でのみレッスンを受けてくださる先生
娘は、ピティナ・ピアノコンペティションに挑戦するときは①の国内の音楽大学で教えておられる複数の先生からアドバイスレッスンを受けていました。
例外としてアドバイスレッスンを受ける必要はないだろうな、と思うのは以下の2パターンです。
そもそも音楽大学付属の学校へ通っている
習っているピアノの先生がピティナ・ピアノコンペティションであれば特級またはPre特級で生徒が多数入賞した実績がある
また、
子ども自身が外部の先生にレッスンをしていただくのを嫌がっている
この場合も無理をして受けることはお勧めしません。子どもの心が積極的でなければ、どんなにすばらしいレッスンを受けても身につかないからです。
アドバイスレッスンが必要な理由
理由は1つ。音楽には数学のように明確な答えがないため、どんなにハイレベルな演奏をしても審査員の曲の解釈や好みによって点数が揺れるためです。
1人のピアノの先生に教えていただくと、どんなにその先生が素晴らしい先生であったとしても視点は1人。習っている先生に教えていただいた弾き方がピアノコンクール当日に審査員から高い評価を得られれば良いのですが、そんな保障はどこにもありません。
そうなるとどうするべきか?他に何人ものプロの視点で演奏曲を見てもらい、アドバイスをもらう。そして演奏に生かす。そうすることで演奏の幅は広がり、表現も変化が出てきます。
ただし、アドバイスレッスンは受けたあとが大切です。このあたりの詳しいお話と具体的にどうするのかは「活用編」でお話します。
「演奏」は様々な要素が絡み合うため、絶対!!と言い切れないのが辛いところですが、もしも何度もピティナ・ピアノコンペティションに挑戦し全国大会を逃している、または今回はなんとしても全国大会進出をしたいとお考えであれば、アドバイスレッスンを検討されることをお勧めします。
アドバイスレッスンを受ける手順
アドバイスレッスンを受けたいと思ったなら、
まずは習っているピアノの先生にご相談してアドバイスレッスンを受けてもよいか確認する
アドバイスレッスンを受けてもよいとおっしゃったなら、先生におすすめのアドバイスレッスンの先生がいるかお伺いする
おすすめの先生がいる場合はレッスンを受けたいという意思を伝える
おすすめの先生がいない場合は自分で探してもよいか確認する
アドバイスレッスン先生の探し方
習っている先生がアドバイスレッスンを検討してもよいとおっしゃってくださり、ママさんご自身でアドバイスレッスン候補の先生を探す場合、すぐにできることはGoogleで「ピアノ アドバイスレッスン」で検索してみることです。
私も改めて、この記事を書きながら検索してみました。楽器店が主催されているアドバイスレッスンや、個人のピアノ教室が行っているアドバイスレッスンなど、たくさんヒットしました。
どの先生にアドバイスレッスンをしていただくかが重要なため、Googleで検索して何人か候補の先生が出たなら、その先生のお名前を検索して経歴などを確認します。
別の方法として、ご参考までにもう1つ。目的がピティナ・ピアノコンペティション全国大会進出であるなら、ピティナから会員向けに2月末または3月初旬に送られているピティナ・ピアノコンペティションの実施要項の冊子を見ることです。
毎年冊子の巻末あたりに、コンクールへ向けた公開セミナーやレッスンを紹介しているページがあります。公開セミナーやレッスンを担当されている先生の名前をメモ。私は、毎年冊子を隅々まで読んでいたので、公開セミナーのページにはいつもレッスンを担当されている先生のお名前部分に、直接赤線を引いていました。
ここからはGoogleで検索したときと同じです。メモをした先生の名前をインターネットで検索。プロフィールや実績などを確認。他にも探す手段はありますが、話が長くなるので今回は割愛します。
ここから先は、絶対に個人では動いてはいけない範囲です。必ず習っている先生に「アドバイスレッスンを受けてみたい。おすすめの先生はおられますか?」または「〇〇先生のレッスンを受けてみたい」と希望を伝え、習っている先生のご意向を伺います。
習っている先生が「その先生ならアドバイスレッスンを受けるのもよいだろう」とお返事をいただけたなら、一番よいのは習っている先生からアドバイスレッスンを受けたいと思っている先生へコンタクトを取っていただくこと。
音楽の世界はとても狭いので、横のつながりで連絡を取っていただける可能性があります。もしも繋がりがないようなら、習っている先生に必ず了解をいただいたうえで、インターネットで連絡できる手段を調べ、直接ご連絡します。パターンとしては、ピティナのホームページ内にある先生紹介のページに載っていればそこから、または個人で運営されているホームページのお問い合わせページなどから連絡できる可能性があります。
これだけはNG
しつこいようですが、アドバイスレッスンは、検討する段階から習っているピアノの先生に必ずご相談すること。鉄則です。勝手に探したり、決めたりしない。絶対に!!
そもそもアドバイスレッスンはNGの先生もおられますし、狭い音楽の世界で、いわゆる派閥がある場合には踏み込んではいけない先生の領域もあります。(恐ろしい)必ず!素直に!包み隠さず!習っているピアノの先生にご相談を!
当日のお持ち物
アドバイスレッスンを受ける際、我が家が必ず持参していた当日のお持ち物は以下の通りです。
撮影用のビデオカメラ
ビデオカメラの予備のバッテリー
三脚
足台(必要な場合)
A4サイズの用紙や便箋に大きめの文字で、子どもの名前(漢字、フリガナ)、受ける級、レッスンしていただきたい曲名を書いたもの。レッスン開始前にお渡しする。教えていただきたい曲をしっかりとお伝えすることに加え、子どもの名前を憶えていただけるように。
アドバイスレッスンで教えていただく先生用の楽譜本。コピー譜不可。特にクラシック(古典)の場合は必ずヘンレ版。レッスン開始前にお渡しする。
習っている先生が同席してくださる場合は先生用のコピー譜とサインペンやボールペン1本。レッスン開始前にお渡しする。
子どもが見るための新しいコピー譜。ピアノの楽譜たてに置く。
ママが見るためのコピー譜とメモ書きのためのボールペン1本。
レッスン費。必ず新札。封筒に入れて封筒には名前を明記。
習っている先生が同席くださる場合、同席費用や交通費を当日お渡しする場合は、その費用。必ず新札。封筒に入れる。
アドバイスレッスンを受ける先生へお渡しするお礼の菓子折り。
同席してくださる習っている先生へお渡しするお礼の菓子折り(帰りにアドバイスレッスンをしてくださる先生がいらっしゃない場面で渡す)
念のためにメトロノーム
娘の場合はお気に入りのガーゼのハンカチ。レッスン中に手指の汗を拭くため。
使い捨てカイロ。夏でも必須。移動中に手指が冷えたときスグに使えるように。
水筒。アドバイスレッスン直前に少しだけ飲ませる。子どもは喉がかわくと不機嫌になると思うのは私だけ?
全国大会4年連続出場した娘の場合
ピティナ・ピアノコンペティションの時期、毎年合計3~4回(人)のアドバイスレッスンを受けていました。
必ず、今習っている先生が同席してくださり、とても心強かったです。
時期は、5月1回、7月1回、8月1~2回です。5月でも、レッスンしていただくのは本選曲でした。予選は、徹底的に練習して弾き込むことと、あとは気合と根性でなんとか通過できたとしても、本選で第1位になり全国大会進出するには、鬼練習だけでは突破することが難しいことを経験済みだからです。
習っている先生とご相談しながら、アドバイスレッスンをうけることも検討の1つにぜひ取り入れてみてください。
編集後記
アドバイスレッスンを受けたあと何をすべきかなどについては、「活用編」でお話します。ぜひご一読ください。
この記事は2月末に書いています。そろそろピティナ・ピアノコンペティションの実施要項が発表になる時期です。いよいよ、始まりますね。
がんばるママさん、お子様を応援しています。