愛の夢バレンタイン企画:第3週
チャレンジ企画、第3週に入りました。
なんと、もう3週目に入りました。練習の調子はいかがでしょうか?
前回までのレッスンコラムでは見てこなかった25-26小節の超絶技巧と、4手で合わせていく際の注意点やコツを見ていきましょう。
1) 超絶技巧2
ここはプリモとセコンドが気を遣いながらお互いを聴き合って弾き進めていく必要があります。
まずは個人練習の時から使える練習ですが、
❁︎譜例1
このようにまさに楽譜に書いてある通り、2つをひと固まりと考えて手のポジショニングや運指を考えます。
実は2つのうち後ろの音だけを拾っていくとミ♭ソシ♭(レ♭)と変イ長調(As-dur)のドミナント(Ⅴ度)の和音で構成されていることがわかります。
そう考えると、超絶技巧とはいえ単純な和声進行…?(リストが聞いたら怒るかしら?)
このかたまりのテンポ感を4手で合わせていきます。
❁︎譜例2
ここが最も難しいと言っても過言ではないですね。ソロだとこれらの音を1人だけで弾くわけですから私も初めて譜読みをしたときはどうしたものか…と思考停止した記憶があります。
書き込んだよんに、6つの音の並びをさらに4:2にわけ、4のほうを2つの音のトリルと捉え、移行部の2は次への繋ぎと考えると頭の中を整理しやすくなります。
連弾ver.では3手がそれぞれ一本のラインしか担っていないわけなので、ここもセクションごとにゆっくり・しっかりと合わせ、少しずつテンポを上げていくと割とすぐに弾けるようになります。
ここで、一つ疑問が浮かびますよね。テンポ、テンポって言うけどどのくらい…?
次を読んで解決しましょう!
2) テンポ・呼吸
さて、テンポをどうするかという問題です。
まずは最初にメロディーを歌い始めるプリモが一番歌いやすいテンポを取ってもらうのがいいと思います。ただし、
❁︎譜例3
この最初のミ♭を皮切りに、テンポをすぐに理解し伴奏を刻まなくてはいけないのがセコンド。なので、よほど合わせ慣れていない2人でない限りは事前にテンポをある程度決めておくことをおすすめします。
セコンドはいつもプリモに合わせなきゃいけない(長男長女は下の子のわがままに付き合って我慢してる)的な気分になってしまうかもしれませんが、実はプリモよりも細かい単位で刻んでいるセコンドはテンポコントロールを握っているのです。
「あなたが好きなように歌えているのは実は私の手のひらの上なのよ」と余裕を持って、滑らかに分散和音を進めてみてください。
軌道に乗れば、とてもテンポが揺れる曲、というわけではないので、自然な呼吸を合わせながらテンポ指示に従ってコントロールします。
❁︎譜例4
※曲の盛り上がりとともに、アニマートなどの指示も増えていきます。お互いが聴き合って同じように気持ちを高めていくと、自ずとテンポも離れていかないかと思います。
3) 結尾部
かなりがっつり様々な練習をしましたが、最後のフェーズ、セコンドが朗々と歌えるメロディーがやってきました。
❁︎譜例5
ここからは今まで繰り返した転調の結果、最初と同じ変イ長調に戻り、どこか遠くのラジオが聞こえてくるような、昔の白黒映像が流れてくるような…、要は「思い出」のように歌われますね。
たくさんの伴奏を奏でてきたセコンドは最後にいいとこ取り。主役でメロディーに集中できるようバスを添えるだけにアレンジしてあります。プリモは腕の交差に気をつけながら寄り添ってあげましょう。
やはり最後は連弾の醍醐味、腕が交差する部分を迷いなくびしっと決められるようにしていきたいですね。
腕の交差については次週しっかりと解説していきますので、どの辺りで交差をするのか予習しておいていただければ、スムーズに進めるかと思います。
今週はここまで!少しずつ愛の夢らしく歌えるようになり、練習も楽しくなっていけば大成功です。
次回は2/7(月)更新予定!!