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今こそ聴いてほしい!フランス音楽の魅力 vol.1〜フランス音楽って本当に難しいの?〜


「フランス音楽」と聞くとなんだか小難しそう、と思われる方が多いのではないでしょうか?

Rubanがコンサートなどで扱う作品もフランス音楽が多く、実際にお越しになったお客さまからも「フランス音楽ってすごく難しいと思ってた」というようなお声を聞くことがあります。


でも実は「フランス音楽」とひと口に言っても、その歴史はバロックにまで遡り、ロマン派後期にも沢山のフランス人作曲家が活躍しました。

特に私たちがイメージするフランス音楽はだいたい印象派からシュルレアリスム辺りの時代に盛んに活動していた芸術家の作品を指すかと思いますが、その時代のフランスの芸術界ってそんなに難しいものだったのでしょうか?

フランス印象派の世界

「フランス印象派」と聞いてまずイメージするものは絵画ですよね。モネ、マネ、ルノワール…
こういった画家のコレクションが日本で扱われるとき、美術館や博物館はいつも人気で長蛇の列になっているイメージがあります。

かくいう私も大学生の頃、当時の彼氏とモネ展を並んだような……?


そんなことはさておき、ミュージアムショップでも印象派の絵葉書やカレンダーは特に売り上げがいいと聞きます。とにかく日本で印象派は大人気なのです。


特に社交界が華やかだったその時代、絵画の世界には、可憐なドレスに身を包んだ少女たち、日本にはなかった風景のなか優雅な時間を愉しむ人たちの光景が広がっています。日本人が憧れとしたフランスがそこにはある気がします。


絵の世界は非常に奥深く、勉強している方、研究している方がたくさんいることを承知の上で話させていただくと、私たちが絵を眺めるとき、博物館の展示のチケットを取るとき、絵葉書をお土産に買って帰るとき、印象派の絵画のどんなところが素晴らしいか、どんな技巧が凝らされ今に引き継がれているか、そんな難しいことを考えながら絵画にふれているのでしょうか?

少なくとも私は、ただただ美しいとか、色彩が好き、タッチがやわらかい、など自分の好みだけに素直に見ている気がします。

詩だってそうですよね。自分の感じた気持ちが発端となってどこか頭の中に風景が現れたり、目の奥に色彩を感じたりするものだと思います。

ならば、音楽も。


この頃からそれぞれの創作家たちは、詩をもとにした絵画、小説をもとにした音楽、音楽から演劇へ、舞台衣装からファッションへ、

全ての芸術が繋がっていった時代なのです。


こうしてフランス社交界が全盛期を迎え、サン=サーンスたちの功績により職業としての音楽家が認められ、画家と音楽家が同じサロンで話をし、関わりを持ったことでたくさんの作品が生まれました。


流行とジャポニスム

↑ジャポニスムの面白さは、フランス好きの方ならお馴染みの原田マハ氏がわかりやすく書いてくださっています。



1850年を皮切りにパリ万博が何度か開かれるようになると、モネやゴッホなど印象派・ポスト印象派の画家たちが万博で展示された日本の文化に触れ、ジャポニスムが注目され始めます。

例えるならば、ファッションの流行の発信地はフランスであり、イタリアであり、それがやがて日本に入り、一周したあとはなぜかヨーロッパで漢字の入ったTシャツが流行るように、フランスで発信された印象派の芸術家たちにジャポニスムが共鳴し身の回りに置かれるようになったのです。

ノルマンディー地方近くのジヴェルニーにはモネの別荘がありますが、寝室や食堂にたくさんの浮世絵が飾られています。モネはフランスの画家きっての浮世絵コレクターでかなりの数を所蔵していたといわれています。

ジヴェルニーにあるモネの別荘の食堂には沢山の日本画が




ジャポニスムはもちろん音楽にも流行を呼びます。ドビュッシーが作曲した交響詩『海』の表紙には葛飾北斎の『富嶽三十六景』の一部が使われています。

クロード・ドビュッシー/交響曲『海』

私たちにとってはとても身近に感じられるのではないでしょうか。


またドビュッシーはその天才的な作曲能力で多くの作品を残していますが、やはりどこか異国情緒を感じさせるハーモニー、旋法的なメロディー運びによって私たち日本人にとっても親しみやすく理解しやすいものが多くあります。


私たちにとっての憧れが「花の都・パリ」であるように、フランス人にとっての憧れが「日本の古都」なのです。これは今も変わらず、パンデミックの前まではバカンスの旅行先として日本はフランス人にとって大人気の国であり、お互いに無かったものを持っている、最高の相性ともいえるのではないでしょうか。




こんなにお互いを尊重し合っている文化の国同士なのですから、きっとフランス音楽も日本人の心に響くと思うのです。


ひとまず、モネやルノワールの絵を見るときのように、難しく考えずに。美味しいコーヒーやケーキのお供に、「なんだかおしゃれ」と感じるだけでいいんです。現代の忙しくストレスの多い私たちの息抜きのひとつとしてフランス音楽を流してみてはいかがでしょうか?

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