落ち着かない時間

約束の時間に遅れそうになって、
小走りに駆け上がった階段の上に待っていたのは、2人の男性の笑顔。


気まづい……

今カレと元カレが鉢合わせしたような気まづさ。

ことの発端は、1ヶ月前。
約束していた日に、仕事が遅くなり
急遽日にちを変更してもらうことに。
どうしても彼が都合がつかず、別の男性が現れたことに始まる。

軽い気持ちで約束の時間に行くと、
いないと思っていた彼の姿が。
「えッ？」と固まったものの、事態はすぐに飲み込めた。別の予定が入っていたんだね。ふ〜ん。
私は別の男性のエスコートに従った。

今日初めて言葉を交わしたものの、
とても喋りやすく、私の望みもどんどん叶えてくれるので、自然と笑顔になる。
話は今流行りのGo to トラベルで盛り上がる。楽しい時間。

………彼がすぐ側にいなければ


彼も彼で、なんだかよそよそしい。
あぁ、気まづすぎる


彼は、スリムな優しく細やかなタイプ。
初めて会った彼は、身体ガッチリな男性的なタイプ。
どちらも、私をいい気分にさせてくれる素敵な人。どちらかを選ぶなんてできない。

それから1ヶ月。
彼との約束に遅れそうになり、
階段を駆け上がって、凍りついた私。
今日は彼へ笑いかけながらも、
先日の彼が目の端々にうつり、気まづい。

帰り際、ホッとしたのも束の間。
1ヶ月後も私の都合がどうしても合わず、
前回会った男性と会うことに。

また、来月も1人気まづい空気の中、
髪を切ってもらうことになるのね。

美容室の担当制。だから苦手なのよ。