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当団体において演奏されたフルクサス・イベント

皆さん、こんにちは。代表の川畑です。
おかげさまで、秋の楽会2024が無事終演いたしました!
ありがとうございました。

さて、今回は当団体で演奏されたフルクサス・イベントについてご紹介していきます。唐突になぜ?と感じる方もいらっしゃると思いますが、実は本年の演奏会のアンコールにてフルクサス作品を上演したため、その様子をお伝えするついでに今までの演奏経歴をまとめてみようということになりました。どんな曲か気になる!という方は、以下に挙げる作品の多くが掲載されている"Fluxus Performance Workbook"をご覧ください。
URL: https://www.thing.net/~grist/ld/fluxusworkbook.pdf


2010年代

2011年

[演奏曲目]
La Monte Young : 469 for Henry Flynt
※ヴェーベルンの「子供のための小品」と合わせて演奏されています。

残念ながらこの年は記録が残っていません….

2012年

[演奏曲目]
George Brecht : Incidental Music
Ben Vautier : Look
※2作品が同時演奏されています。

ジョージ・ブレクト作品では演奏中に写真を撮ることが指示されており、奇跡的に写真が残っていました。

ジョージ・ブレクト作品演奏中の様子

2018年

[演奏曲目]
Ken Friedman : Viking Event 
※ヘイノ・カスキの作品と、岡崎卓巳さんの自作と共に演奏されています。

2013年から2017年まではフルクサス・イベントが上演された形跡はありませんでした。この年は演奏の様子が残っており、Viking Eventはこのような形で演奏されました。

なお、岡崎さんの自作はこんな感じです。個人的にこれは名曲だと思っているのですが、いかがでしょうか?

2020年代

2021年

[演奏曲目]
Alison Knowles : Shuffle
George Brecht:Piano Piece (1962)
Ben Vautier: Look
George Brecht : Symphony No.1
Tomas Schmit : Sanitas No.35
Mieko Shiomi : Boundary Music
Yoko Ono : Wall Piece
George Brecht : Three Lamp Events
George Brecht : Two Durations
Bengt af Klintberg : Orange Event No.16
George Brecht : Symphony No.2
Anne Tardos : Bean Snow
Lee Heflin : Fall
Robert Watts : Two Inches
George Brecht : Symphony No.5
George Brecht : Word Event
La Monte Young : Piano Piece For David Tudor #3

私が運営を引き継いだのは2020年ですが、それ以降フルクサス作品の演奏頻度は増えたような気がします。中でも2020年はフルクサス・イヤーといっても過言ではないくらいの量が演奏されました。1曲目のAlison KnowlesからGeorge Brechtの"Word Event"までは、佐藤さんという方 (と複数名の助演者)によって切れ目なく演奏されています。

2022年

 [演奏曲目]
Bengt af Klintberg : Orange Event No.20

早大ピアノ阿修羅創立20周年を記念して演奏されました。こちらが記録映像です。演奏者の細谷さんのYouTubeチャンネルに動画が掲載されています。こちらの作品は事前告知を一切せず (ホールには詳細をお知らせしています)、当日休憩時間にいきなり演奏するというスタイルで実施しました。

2024年

[演奏曲目]
Ben Vautier : Piano Piece No.17

当団体でも度々取り上げているBen Vautierが、今年の6月に亡くなったことを受け、追悼の意味合いで演奏いたしました。こちらもプログラムには記載せず、アンコールという形で演奏いたしました。
簡単に説明すると、ピアニストが逃げるのを会場にいる人が捕まえてピアノに戻すという作品です。カメラの都合上、動画に入っていませんが、実際には会場の奥まで奏者は逃げています。

なぜフルクサスをやるのか?

ここまで読んで、「ピアノの演奏団体なのに、ピアノを弾かずに何してるんだ !」とお怒りの方もいらっしゃるかもしれません。なぜフルクサスをやるのかというと、その答えは単純明快で、「やりたいから」に他なりません。こうしたフルクサスの作品は、どう解釈するか、どのタイミングでどのように演奏するのか (突然ゲリラ的にやるのか、事前告知をするのか、何時にやるのか、どのような作品と合わせるのか) など、演奏家次第で実に多様なパフォーマンスが生まれます。各々の演奏から得た印象を共有するのは非常に有意義な時間となりますし、観客の方にとっても「ピアノの演奏会に来たらとんでもないものを見せられた」という風に刺激的な体験になるのではないでしょうか。加えて、我々のような、良い意味でお客さんの目を気にしなくて良い集団が率先して演奏をすることで、演奏のノウハウ (ホールとの交渉、小道具の準備など)が蓄積されていくという側面もあります。

今回はこれまで対外発信したくともあまりできていなかった、「フルクサス作品の上演」についてご紹介いたしました。阿修羅では、こうしたフルクサス作品やパフォーマンス作品をやりたいという方も募集しておりますので、ご興味のある方は是非ご一報ください。

それでは、また次の記事でお会いしましょう! 

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