中学、高校時代の思い出
昨日の夜、初めて出会ってから40年近く経つ曲を聴きました。出会いのきっかけは中学の音楽の授業。中高一貫教育の学校で合唱祭で歌わされた曲です。学年ごとに分担して高校卒業時に全曲歌えるようになるというシステムです。
今考えると、音楽経験が乏しい生徒たちによく歌わせたなと思うのですが、当時のクラスメートで楽譜を読めない子は楽譜にカタカナ振ってまで歌わされ、ある種の拷問的な側面があったことは否定しません。しかも長いラテン語の歌詞を覚えなくてはならない。
中学2年生以上は、合唱祭が終わった後から次の学年の曲を練習しますが、中学1年生は入学後2ヶ月で歌い上げるというのもある意味酷な話で…。
今、改めてその曲を聴くと、中学1年で歌った曲の冒頭の和声の美しさに胸がドキドキします。中学生の時にこの美しさについて教わっていたらもう少し違ったのではないか?と思います。
その曲とは。
モーツァルト作曲「戴冠ミサ曲 KV.317」です。
このYouTubeリンクは、当時私が手に入れたリアル演奏のCDからのものです。
インターネット上で見られるこの曲の日本語解説で「モーツァルトはミサ通常文5曲にベネティクトゥスを加えて6曲で作った」というのが複数ありますが、ベネディクトゥスはサンクトゥスに続けて唱えられる文言なので、加えたというよりはベネディクトゥスを別の曲にして作ったんですね。
ベートーヴェンの「荘厳ミサ曲」では、サンクトゥスの中にベネディクトゥスの歌詞も入っています。
サンクトゥスとベネディクトゥスの曲想を変えるために区切ったというのは聴いていて感じられますが、サンクトゥスとの繋がりもはっきり見られるので「加えた」と書かれると違うなって。
高校卒業してから30年以上。それでもこのラテン語歌詞が(完璧ではないけれど)口から出てくるのでこの曲にどっぷり浸かった6年を過ごしたんだなって改めて思います。そして私の音楽観に少なからず影響を与えています。
ならどうしてこの曲の美しさについて何も教わってないのよ!
難しい説明がなくても、出だしのすぐに曲の色が変わっているということ、聞いてないよ!
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