救急要請するときに注意すること、必要なもの。
こんにちは、私は普段救急外来で看護師として働いております。
そんな私が、先日自ら救急要請して(会社員夫に依頼)2次救急病院に搬送していただき、入院となりました。
まず、この場をお借りしてお忙しい中対応してくださった各コメディカルの方、受付の方大変感謝しております。ありがとうございました。
そして注意喚起となるのですが、救急車はタクシーではありません。
タクシーや自家用車での病院受診が全身状態的に困難な方、命の危機に瀕している方のための緊急車両となります。
昨今、全身状態が良好でタクシーや自家用車で病院受診できうる方の救急車のタクシー利用、待ち時間短縮利用が増えております。
自分や家族、対象者の状態が、救急要請してもいいものなのか、判別できない場合はぜひ#7119にて確認してみてください。
危ないだろうと少しでも思った場合は、迷わず119に連絡しましょう。
身バレ防止のため多少フェイクが入りますが、ここで私が救急要請に至った理由をざっとお話しします。
例として挙げるだけなのでここに重要な部分は含みません。長いと思う方は少し下へスクロールしてください。
私は5日間に及ぶ40度以上の発熱があり、食事や水分もほとんど取れておらず、何回か病院受診し診察も受けていたのですが、中々改善しませんでした。その日はどこの一次病院も休診だったので自宅で安静にしておりました。
しかし、昼前にトイレや内服に行くため起きあがろうとするも起き上がれず。少しベッド上で様子見ておりましたが、徐々に力が入らなくなってきたのを感じ、ヤバイと思って夫に頼み、救急要請してもらいました。意識はありましたが、頭もぼーっとしてきており、自分がしっかりしてるうちに病院に行かなければという判断です。
以上が私が救急要請に至った理由になります。
普段働いているからこそ、呼びたくない気持ちでいっぱいでしたが、止むを得ずの判断になりました。救急要請してからも、要請して良かったのかと車内で意識が朦朧とする中、悩んでおりましたが、結果入院することとなり、判断は間違っていなかったと今では思っております。
ここからは救急要請の流れになります。
まず119に連絡すると
①『火事ですか?救急ですか?』
と聞かれます。ここで
「救急です」と答えると、その後色々質問されますので、焦らず要点をまとめ簡潔明瞭に答えましょう。
決して焦らなくても大丈夫です。
詳細は救急車が到着したら、救命士さんがしっかりお話を聞いてくださいます。
安心してください。
なぜ救急車を呼ぶことになったかを言えるといいです。
②次に、救急車を向かわせる住所を聞かれます。
できれば、現在地の住所はわかるようにしといとください。もし慣れてない土地などでわからない場合は、目印の建物をいくつかピックアップしておきましょう。
それを伝えるだけでも大丈夫です。
③最後に通報者の名前、連絡先、対象者と通報者の関係性を聞かれます。
こちらは、救急車が到着するまでの間に司令センター及び救命士さんとやりとりをするため重要になります。
必ず間違いのないようお伝えください。
もし、道端で倒れている人を発見して救急要請した場合は、関係性は「通行人、他人」でも構いません。
④その後、『今から救急車を向かわせるので、隊員がすぐ入れるよう玄関の鍵は空けておくなどしておいてください』などと言われます。
指示通りにしてください。
よほどの過疎地域でない限り、救急車が到着するまでの時間は5〜10分です。
到着するまでの間に準備したほうがいいものを書きます。
①現在内服中の薬、お薬手帳
→なければなくてよいです。
②財布、身分証明書、保険証
→基本的に搬送先の病院で提出を求められます。
③履き物
→帰宅できる時に帰りに困ります。自宅などにいて、救急要請した場合は特に忘れがちです。
また、もし仮に入院するとなった時も必要になりますので、あるに超したことはありません。
滑りにくく、履きやすくて動きやすい靴を選びましょう。
④上着
→今の時期、特に冷えますので必要かと思います。
⑤水分
→病院到着後どれくらい診察時間がかかるかわかりません。あると都合いいです。
大体の病院には自販機や売店があるので、最悪なくても大丈夫ですが、自分で買いに行くことが困難となる場合や、そもそも飲んではダメと言われるケースもあるので注意してください。
⑥携帯
→持っている人は言わずもがな必須アイテムと思います。
医療機器の関係で使用してはいけないエリアなどもあるので、使用前に必ずスタッフに確認をとってください。
⑦携帯の充電器
→滞在時間がどの程度になるかわかりません。持っておくといいと思います。一般用差込口が備わっている待機室などもありますが、医療専用差込口のみの病院もありますのでコンセントタイプとポータブルタイプ両方あると安心と思います。
入院となった時もそのまま使えますし便利です。
⑧マスク
→このご時世ですので、基本的に院内はマスク必須です。持っていきましょう。最悪購入を迫られます。(2枚で100円とかなりお高い場合も😵💫)
⑨ハンカチやハンドタオル、ポケットティッシュ
→なくてもいいですが、あって損はありません。
⑩妊娠中や小児の方は母子手帳、精神疾患のある方は精神手帳、障がいのある方は障害者手帳、血圧管理している方は血圧手帳、血糖管理されている方は糖尿病手帳、ペースメーカー使用中の方はペースメーカー手帳など各種手帳
→これらをお持ちの方は必須です。最悪誰かに取りに帰ってもらわなければならない場合もあります。
搬送時に必要な持ち物は以上になります。
あと注意事項として、救急車に乗る前に救急車に同乗する人がいるかを確認をされます。
対象者が命の危機に瀕している場合や子供の場合は、必ず1人は救急車に同乗してください。できれば、緊急時に1番最初に連絡を入れて欲しい人を同乗させてください。病院到着後、すぐに医師からの病状説明や検査や治療への同意書類の記入などを依頼される可能性があります。
1人が同乗できれば、残りの人は自家用車もしくは公共交通機関を使って病院へ向かうのがベストと思います。
対象者が全身状態は悪いが命の危機に瀕しているわけではない場合は自家用車がある方は自家用車で病院へ向かわれたほうがいいです。当たり前ですが、救急車は帰り道は送ってくれません。帰宅時に高いタクシー代を払う羽目になる可能性があります。
もちろん同乗するよりも病院到着は遅くなりますが、早く着きすぎても待ちぼうけの時間が長いことが多々あります。緊急時に連絡がとれるようにしといて頂ければ差し支えないと思います。
最後にみなさんに知って頂きたいこととして
基本的に搬送先の病院選定は救急隊が行います。
対象者の全身状態やかかりつけがあるか、最終受診歴がどこか、現場近くの医療現場の状況などから総合的に判断して、何件かピックアップし良さそうな病院から順に連絡を取って収容要請してくれます。
そのため、既往歴や受診歴がとても大切になる場合があります。
特に対象者が話せる状況じゃない場合、「わからない」だとみんながとても困ります。
家族間でそれぞれの基礎疾患や既往歴や受診歴、アレルギー、身長体重(できれば)をラインのノートなどに共有しておくといいです。
特に小児の場合は体重により使える薬の種類や量が異なります。必ず直近の体重を記録し、いつの体重かまで記録しておくようにしましょう。
もしものときは急に訪れます。
ないに超したことはないのですが、日頃から準備しておきましょう!!