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【古典力学】張力+重力+コリオリ力による単振子運動

これまでは静止座標系における様々な運動についてのシミュレーションを行なってきたね。 今回は回転運動する座標系(回転座標系)が導入して、この回転座標系に固定された視点(カメラ)で観測した運動シミュレーションを行うよ。回転座標系上に固定された視点(カメラ)から振り子運動を見ると、たとえ単振子運動させるために初速度ゼロで開始しても、正確には単振子運動そのようにはならないね。 この原因はコリオリ力と遠心力と呼ばれる、静止座標系から回転座標系へ変換した場合に生じる見かけ上の力が発生するためだね。これらの見かけの力は、例えば自転する地球上における弾道運動などで考慮する必要があることが知られているね。

コリオリ力と遠心力

静止座標系に対して、$${z}$$軸を中心として角速度$${\omega }$$で回転する回転座標系を考えるよ。回転座標系に固定された視点(カメラ)で観測した場合、物体には静止座標系で生じていた$${\boldsymbol{F}}$$の他にも見かけ上の力が加わるね。

$$
\boldsymbol{F}_{\rm rot} = \boldsymbol{F} + 2m \left[ \boldsymbol {v}(t)\times\boldsymbol{ \omega }\right]- m\left[\boldsymbol{ \omega }\times (\boldsymbol{ \omega }\times \boldsymbol {r}(t))\right] - m \boldsymbol{ \alpha }\times \boldsymbol {r}(t)
$$

第二項目はコリオリ力、第三項目は遠心力と呼ばれるよ。第四項目の$${\alpha }$$は回転座標系の角加速度(回転の加速度)が存在する場合に生じる力だよ。ちなみにコリオリ力や遠心力で生じる力は見かけ上の力なので通常の意味でのポテンシャルエネルギーは存在しないよ。そのため、回転座標系における力学的エネルギー保存則を考える場合、回転座標系における運動エネルギーから回転座標の回転によって生じる運動エネルギー

$$
K_{\rm rot}= \frac{1}{2}\,mv_{\rm rot}^2 = \frac{1}{2}\,mr^2\omega^2
$$

を差し引くことで保存することになるよ。

張力+重力+コリオリ力による単振子運動

上記の張力+重力による単振子運動にコリオリ力を追加した運動をシミュレーションするよ。具体的な表式は以下の通りだよ。

$$
\boldsymbol{F}_{\rm rot} = \boldsymbol{S}+\boldsymbol{F}_G +\boldsymbol{F}_{\rm corioli} = -S\, \hat{\boldsymbol{r}}(t) + m\boldsymbol{g} + 2m \left[ \boldsymbol {v}(t)\times\boldsymbol{ \omega }\right]
$$

$$
\boldsymbol{S} =- \frac{m}{L^2} \left[|\boldsymbol{v}(t)|^2 + \boldsymbol{g}\cdot\boldsymbol{r}(t) +2\left[ \boldsymbol {v}(t)\times\boldsymbol{ \omega }\right] \cdot \boldsymbol{r}(t) \right] \boldsymbol{r}(t)
$$

次のアニメーションは、現実的にはありえないのだけれども、振子ごとにコリオリ力(角速度)を変化させたときの結果だよ。ちょっと面白いね。


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