2021/04/23 コロンビアの自由診療について
こんにちは!
フィシスノア・クリニックです。
今日は「コロンビアの自由診療について」と難しそうなタイトルですが、
簡単にお話ししたいと思います。
まず、コロンビアの医療制度は「ほぼ国民皆保険制度」となっています。
日本でいう国民健康保険が存在しています。ただし、「民間」の会社が国の許可をもらって運営しています。これを「EPS」といいます。
さらにこの民間の「健康保健会社=EPS」が各病院・クリニックと契約しています。これらの病院・クリニックを「IPS」といいます。(ということは、EPSは加入者対応や管理をする会社ということです)
この制度は1993年の法律100号で決められた社会保障制度です。
日本で診察を受ける・お薬をもらう時、「健康保険の範囲内」か「そうでないか」という問題が多いですが、コロンビアでも「POS=義務的健康プランの範囲内か?」ということがしょっちゅうあります。
さらに、日本のように「保険医」という保険診療を行うために必要な登録がありません。EPSと直接契約した病院・クリニックが保険診療を行うことができます。
コロンビアはほぼ国民皆保険でみんなが安心して健康保険を使えるため、
他の国に比べれば医療制度上恵まれているのは確かです。
しかし、「公的医療保険制度」ではありません。
民間が運営しています。それゆえの問題も多く山積しています。
① ほとんどすべての医師がノルマに追われ、適切な診療がなされないことがある。中には低賃金で医師を雇用し、質の低い診療が行われることも。
② EPSが極めて硬直した組織で融通が利かない。
③ 専門医の予約に数週間かかる。
④ IPSとEPSがうまく連携していないため、各々で別な対応を取る。
⑤ 予約日程を勝手にずらす。
⑥ 医師の処方を無視して薬の処方を渋ることがある。
⑦ 常に混雑していて、とにかく長時間待たされる。救急の場合も同様。
⑧ 救急ではIPSがトリアージを行うことがある。
それと、前払い保険(Medicina Prepagada)という制度があります。
保険料は高いですが、手厚い医療が受けられるとされています。
しかし実態は前払い保険制度をEPS各社が運営しており、上記のような問題が起こっています。
以上のような現状もあり、コロンビア人の中にはEPSに属していない、いわゆる「完全自由診療」の病院・クリニックを利用する人も数多くいらっしゃいます。
自由診療のメリットは、「待たされない」「じっくりと診療してもらえる」「急用でも対応してくれる」ということから、「経験豊富な専門医にアプローチしやすい」ということがあります。
当クリニックも完全自由診療のクリニックとして、多くの患者さんにご利用いただいております。さらに、難しい症例に関しては、専門的な診療を行っている他院所属の専門医と連携して合同カンファレンスを行なったり、患者さんの情報を共有をすることで、様々な角度からきめ細やかな診療を行っています。
病院同士・クリニック同士の連携も臨機応変に対応できるため、正確かつスピード感を持った医療サービスを提供しやすい環境にあります。
当クリニックでは、常勤の総合診療・内科医のほか、他院の専門医(消化器内科、呼吸器科、整形外科、外傷診断科、精神神経科、産婦人科、眼科、皮膚科、小児科、腎臓内科など)と連携しておりますので、安心してご利用いただけます。
フィシスノア・クリニック
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