ウインターカップトレーナー活動報告メンタルコントロール② 2回戦 高知中央高校戦

想定外のトラブルに巻き込まれた1回戦から2日後、2回戦 高知中央高校との試合が始まろうとしていました。

その前に、ここに至るまでの話を少しします。

2回戦は、1回戦との間に1日試合が空く期間がありトレーナーとしてはその1日でできる限り回復とコンディションを整えていきます。今回はユニフォームがない!トラブルによる影響が出てしまうことが最も心配していることでした。

1回戦のトラブルで最も心配したのは選手たちの体力の消耗です。

難しい1回戦でユニフォームを忘れるというトラブルを抱えた状態で試合に挑むと予想外の怪我などアクシデントや異常な緊張状態から起こる体力消費など、様々なトラブルが発生しやすく、トレーナーとしても異常な緊張状態でした。

幸いなことにややフィジカルコンディションを落とした選手は居たものの最低限のトラブルで済んみました。しかし、ユニフォームがなかったことのショックはメンタル的にも影響があり回復までは時間が必要でした。



さて、話は戻して、2回戦のハーフアップ前にチームスタッフが大会関係者から声をかけられました。

「ソックスの色をそろえてください」

…。
もはや、これはだだのミスです。怒っていても仕方ありませんが怒れる…いや、呆れる。

大会に関するルールはチームのLINEに載せているだけで口頭の説明を怠ったスタッフのミスですが、そんなことは後で反省するとして、このままでは試合に出れないので新しいソックスを用意するというバタバタぶりをアップ中にすることとなりました。

腰を据えて準備したかったのですが、バタバタぶりはいつも通りなので緊張する暇もなくて良いかなとポジティブに考えるようにしました。が、やはり頭を抱える。

普段はこんなことはあまり無いのだけど、やはり彼らの世代では初めてのウインターカップです。いつも通りのことがいつも通りに出来なくなるっというのは起こりえます。

さて、2回戦に向けたメンタルコントロールですが、1回戦の時よりも集中しやすくはなっていたものの、対戦相手も未知な部分も多くどこに集中するべきか焦点を合わせることが難しいように感じました。

そして、「ソックス揃えてください」…。笑うしか無いか。



ただ、ふわふわとした浮いた感じはなかったのでアップもいつも通りに進めていくことにしました。

選手たちは、練習通りにスターターでできる初めての試合になります。そういうこともあり少し落ち着いた状態だったのだと思います。

初戦の緊張状態はここに来て選手たちのメンタルを少々タフにしたのではないかと思います。ただ、戸惑いもあったかと思います。

試合前のアップに伝えていたことは、

「ここからが初戦だと思って、気持ちを作っていこう」と伝えました。

ソックスとなんとか間に合いしっかりとアップをすることが出来ました。


アドバンテージがあるのは知っていた

実は相手チームのセンターのコンディションが悪いことは噂でも聴いていて、自分の目でも確認できていました。

トレーナーや理学療法士を長くやっていると選手の動きや表情である程度の状態を把握することができます。

試合が終えてから次の相手のスカウティングを動画とスタッツの両方を確認しながら行います。

この場合は選手たちにアドバイスするというわけではなく、相手のコンディションを確認した上で相手と私たちのコンディションの違いを確認しています。

簡単に言うと前半と後半のパフォーマンスの変化などです。

その中でいくつか見つけたアドバンテージは大きな要因となります。

ただ、このアドバンテージを伝えたところで選手たちの集中を切らしてしまうことになりかねないのでつたることはしていません。

逆に厳しいなっという判断ができる時は事前にフィジカルコンディションに気を配り、身体の使い方や休憩時のリカバリーに気を配ります。

試合結果としては勝つことが出来ましたが、やはりアドバンテージの部分で利があったと思います。

トレーナーとしてはチームのコンディションだけでなく、相手のコンディションも分析することもできます。

特にトーナメントでの戦い方にはフィジカルコンディションの維持管理が勝敗を決めることもあります。

心技体の部分で考えると体は基礎的な部分でその上に技があります。そして、心でコントロールして行きます。

話がそれてしまいましたが、試合前に心が揺らぐことをトレーナーとしては起こしてはいけません。

そのため試合前にはチームが浮かれてしまうような情報を出来るだけ排除し試合に集中させます。
当然のことですが、10代の選手にはこれが難しい環境にあります。

そのため、ウォーミングアップ中のメンタルコントロールは、トレーナーの役割りとなります。

粛々と、淡々とという言葉が合うように、いつも通りの雰囲気の中でいつも通りのアップを行います。しかし、そこにはトレーナーのエッセンスを少しだけ加えて選手たちのコンディションを引き上げる工夫をしています。

ゆっくりですが、徐々に試合に向けて整えていくのです。

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